1 / 27
1
しおりを挟む
それは、私の婚約者であるロンメル公爵様主催のパーティーでの出来事だった。
「おっと、これはこれは失礼いたしました。カレン様!!!」
私の友達……一応、世間的には友達ってことになっているが、本当の友達ではない。一方的に敵視されている……私は最初から戦うつもりなんてないのだけど、向こうが一方的なのだ。
世間は彼女をマリアと呼ぶ。その本名を知っているのは、多分私だけなのかもしれない。まあ、いい。私も公の舞台では彼女のことをマリアと呼ぶ。本名を告げても彼女は知らないふりをする。マリアと呼べば振り向くのだ。
伯爵令嬢マリア……マリアは私のことを常に敵視しているのだ。
「マリア……私に恨みでもあるのかしら???」
私のところに特攻してきて……そのままぶつかって転げ落ちる。でも、世間はいつもマリアの味方をする。私が悪いわけじゃないでしょう。だって、彼女の方から無理やりぶつかってくるんだから。冷静に考えれば、どっちが悪いのか……当たり前のことじゃない。
「マリア様が倒れたぞ!!!誰か、助けに来てくれ!!!」
名の知らぬ男たちがマリアの元に駆けよる。少し転んで足を挫いたのだろうか……それも演技かもしれない。ぶつかっただけで足を挫くことはないだろう。一々大袈裟なのだ。
「マリア様!!!!カレン様は何をやっているのだ???どうして、手を差しのべないのだ???」
誰かが私のことを非難する。だから、私は何もやっていない。悪くないさ。私が何をしたって言うんだ???ねえ、誰かに教えて欲しいんだ。
「ああ、私は平気ですわ。それよりも、クラクラしてしまって……。カレン様は大丈夫ですか???」
私のことを気遣う……そんな必要はない。見せかけの気遣いなんていらない。迷惑なだけ。でも、これで世間を味方に持っていくことができるんだから、彼女にとってはこれで十分なのだろう。
「そんな……自分が倒れてもなお、相手のことを思いやるだなんて……マリア様はなんて素晴らしい方なんだ!!!!!それに比べて……カレン様は……」
これは何かの芝居だろうか???まあ、そんな心地しかしない。そして……この後に待っている運命は……なんとなく想像がついた。でもまさか、私がその運命を素直に受け入れるほど可愛い令嬢ではないことを、世間はまた知っていたのだ。どうしてこんなことになるのか……振り返ってみると、私の人生は大部酔狂なものに思えてならなかった。
「おっと、これはこれは失礼いたしました。カレン様!!!」
私の友達……一応、世間的には友達ってことになっているが、本当の友達ではない。一方的に敵視されている……私は最初から戦うつもりなんてないのだけど、向こうが一方的なのだ。
世間は彼女をマリアと呼ぶ。その本名を知っているのは、多分私だけなのかもしれない。まあ、いい。私も公の舞台では彼女のことをマリアと呼ぶ。本名を告げても彼女は知らないふりをする。マリアと呼べば振り向くのだ。
伯爵令嬢マリア……マリアは私のことを常に敵視しているのだ。
「マリア……私に恨みでもあるのかしら???」
私のところに特攻してきて……そのままぶつかって転げ落ちる。でも、世間はいつもマリアの味方をする。私が悪いわけじゃないでしょう。だって、彼女の方から無理やりぶつかってくるんだから。冷静に考えれば、どっちが悪いのか……当たり前のことじゃない。
「マリア様が倒れたぞ!!!誰か、助けに来てくれ!!!」
名の知らぬ男たちがマリアの元に駆けよる。少し転んで足を挫いたのだろうか……それも演技かもしれない。ぶつかっただけで足を挫くことはないだろう。一々大袈裟なのだ。
「マリア様!!!!カレン様は何をやっているのだ???どうして、手を差しのべないのだ???」
誰かが私のことを非難する。だから、私は何もやっていない。悪くないさ。私が何をしたって言うんだ???ねえ、誰かに教えて欲しいんだ。
「ああ、私は平気ですわ。それよりも、クラクラしてしまって……。カレン様は大丈夫ですか???」
私のことを気遣う……そんな必要はない。見せかけの気遣いなんていらない。迷惑なだけ。でも、これで世間を味方に持っていくことができるんだから、彼女にとってはこれで十分なのだろう。
「そんな……自分が倒れてもなお、相手のことを思いやるだなんて……マリア様はなんて素晴らしい方なんだ!!!!!それに比べて……カレン様は……」
これは何かの芝居だろうか???まあ、そんな心地しかしない。そして……この後に待っている運命は……なんとなく想像がついた。でもまさか、私がその運命を素直に受け入れるほど可愛い令嬢ではないことを、世間はまた知っていたのだ。どうしてこんなことになるのか……振り返ってみると、私の人生は大部酔狂なものに思えてならなかった。
14
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
(完結)あなたが婚約破棄とおっしゃったのですよ?
青空一夏
恋愛
スワンはチャーリー王子殿下の婚約者。
チャーリー王子殿下は冴えない容姿の伯爵令嬢にすぎないスワンをぞんざいに扱い、ついには婚約破棄を言い渡す。
しかし、チャーリー王子殿下は知らなかった。それは……
これは、身の程知らずな王子がギャフンと言わされる物語です。コメディー調になる予定で
す。過度な残酷描写はしません(多分(•́ε•̀;ก)💦)
それぞれの登場人物視点から話が展開していく方式です。
異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定ご都合主義。タグ途中で変更追加の可能性あり。
「華がない」と婚約破棄された私が、王家主催の舞踏会で人気です。
百谷シカ
恋愛
「君には『華』というものがない。そんな妻は必要ない」
いるんだかいないんだかわからない、存在感のない私。
ニネヴィー伯爵令嬢ローズマリー・ボイスは婚約を破棄された。
「無難な妻を選んだつもりが、こうも無能な娘を生むとは」
父も私を見放し、母は意気消沈。
唯一の望みは、年末に控えた王家主催の舞踏会。
第1王子フランシス殿下と第2王子ピーター殿下の花嫁選びが行われる。
高望みはしない。
でも多くの貴族が集う舞踏会にはチャンスがある……はず。
「これで結果を出せなければお前を修道院に入れて離婚する」
父は無慈悲で母は絶望。
そんな私の推薦人となったのは、ゼント伯爵ジョシュア・ロス卿だった。
「ローズマリー、君は可愛い。君は君であれば完璧なんだ」
メルー侯爵令息でもありピーター殿下の親友でもあるゼント伯爵。
彼は私に勇気をくれた。希望をくれた。
初めて私自身を見て、褒めてくれる人だった。
3ヶ月の準備期間を経て迎える王家主催の舞踏会。
華がないという理由で婚約破棄された私は、私のままだった。
でも最有力候補と噂されたレーテルカルノ伯爵令嬢と共に注目の的。
そして親友が推薦した花嫁候補にピーター殿下はとても好意的だった。
でも、私の心は……
===================
(他「エブリスタ」様に投稿)
断罪される令嬢は、悪魔の顔を持った天使だった
Blue
恋愛
王立学園で行われる学園舞踏会。そこで意気揚々と舞台に上がり、この国の王子が声を張り上げた。
「私はここで宣言する!アリアンナ・ヴォルテーラ公爵令嬢との婚約を、この場を持って破棄する!!」
シンと静まる会場。しかし次の瞬間、予期せぬ反応が返ってきた。
アリアンナの周辺の目線で話しは進みます。
婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話
ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。
リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。
婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。
どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。
死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて……
※正常な人があまりいない話です。
勝手にしなさいよ
棗
恋愛
どうせ将来、婚約破棄されると分かりきってる相手と婚約するなんて真っ平ごめんです!でも、相手は王族なので公爵家から破棄は出来ないのです。なら、徹底的に避けるのみ。と思っていた悪役令嬢予定のヴァイオレットだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる