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「私は悪くない!!!」
それからしばらくして、死刑囚と思しき囚人たちの声が、遠くから何度も聞こえるようになった。
「撃ち殺せ!!!」
銃声が響き、その日に死ぬ運命の囚人が文字通りに死んでいく。どうして、みんな自分は悪くないと言い張るのだろうか。彼らのうめき声を聞くたびに、私は考えるようになった。今まで漠然とサインを続けてきたのだが、本当に正しい死刑執行になっているのか……いささか不安を抱くようになった。
「グリニッジ男爵はいるかしら???」
グリニッジ男爵……かつての統治者であり、今となってはなぜだか私の執事だった。
「カレン様、いかがいたしましたか???」
「囚人たちと話をしてみたいのですが……いいですか???」
私が突然、こんなことを言うものだから、
「あの……カレン様???大変失礼なことを承知の上で申し上げますが……どうかなさいましたか???」
と、ものすごく怪訝そうな顔をして聞き返すのだった。
「いや、最近死刑執行が増えているような気がしてね……どうにかして、もう少し更生できる人間を増やせはしないかって……そんなことを考えているんですよ……」
私がこう言うと、グリニッジ男爵はもっと怪訝そうな顔をして、
「カレン様。まことに恐縮ではございますが、奴らにそんな期待を持っても、何も意味はございませんよ」
と答えた。
「奴らはみな、犯罪を犯した囚人たちです。そんな奴らが更生だなんて……出来るわけないでしょう。極端な言い方かもしれませんがね、最終的にはみんな死刑になっちまえばいいんじゃないかってね、私はこう思うわけなんですよ……」
「グリニッジ男爵。それはいくらなんでも極端でしょう……」
「いいえ、そんなことはございません。カレン様、あなた様と奴らでは住む世界が違い過ぎるのです。いいですか、私どもは最後の正義を執行しているのです!!!」
最後の正義……グリニッジ男爵の言葉は力強い響きだった。なるほど、それならば仕方がない……ここで終われば、私は死ぬまで死刑執行書にサインし続けたのかもしれない。
それからしばらくして、死刑囚と思しき囚人たちの声が、遠くから何度も聞こえるようになった。
「撃ち殺せ!!!」
銃声が響き、その日に死ぬ運命の囚人が文字通りに死んでいく。どうして、みんな自分は悪くないと言い張るのだろうか。彼らのうめき声を聞くたびに、私は考えるようになった。今まで漠然とサインを続けてきたのだが、本当に正しい死刑執行になっているのか……いささか不安を抱くようになった。
「グリニッジ男爵はいるかしら???」
グリニッジ男爵……かつての統治者であり、今となってはなぜだか私の執事だった。
「カレン様、いかがいたしましたか???」
「囚人たちと話をしてみたいのですが……いいですか???」
私が突然、こんなことを言うものだから、
「あの……カレン様???大変失礼なことを承知の上で申し上げますが……どうかなさいましたか???」
と、ものすごく怪訝そうな顔をして聞き返すのだった。
「いや、最近死刑執行が増えているような気がしてね……どうにかして、もう少し更生できる人間を増やせはしないかって……そんなことを考えているんですよ……」
私がこう言うと、グリニッジ男爵はもっと怪訝そうな顔をして、
「カレン様。まことに恐縮ではございますが、奴らにそんな期待を持っても、何も意味はございませんよ」
と答えた。
「奴らはみな、犯罪を犯した囚人たちです。そんな奴らが更生だなんて……出来るわけないでしょう。極端な言い方かもしれませんがね、最終的にはみんな死刑になっちまえばいいんじゃないかってね、私はこう思うわけなんですよ……」
「グリニッジ男爵。それはいくらなんでも極端でしょう……」
「いいえ、そんなことはございません。カレン様、あなた様と奴らでは住む世界が違い過ぎるのです。いいですか、私どもは最後の正義を執行しているのです!!!」
最後の正義……グリニッジ男爵の言葉は力強い響きだった。なるほど、それならば仕方がない……ここで終われば、私は死ぬまで死刑執行書にサインし続けたのかもしれない。
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