10 / 22
10(アンナ視点)
しおりを挟む
第一王子エルヴィン様は私と正式に婚約を結んだ。正直に色々考えてみた。まあ、レディーとしてはこれ以上ない喜びなのだろう。贅沢というか。生活に困ることはないし、エルヴィン様はいつも私にたくさんの愛を注いでくれる。
でもね、エルヴィン様はあんまり優しくないように思えた。表面では私のことを可愛がる。でも、本音としては、私を手に入れることに奔走していざ手に入れてしまったら、その後はしらける……みたいな?
それと、エルヴィン様は私の身体を欲した。女として愛されるのは当然のことだから仕方がない。でも……その交わり方が尋常ではないのだ。欲望が強すぎるというか……自分本位というか。王子様だから許されるんだけどね。
「アンナ……君は僕の婚約者になれて幸せだよな?」
エルヴィン様はいつも私に幸せの所在を確認する。
「はい、もちろんでございます!」と元気よく答える。そうすると、エルヴィン様は機嫌よく1日を過ごすのだ。
「早く子供が欲しいなあっ……」と言って、男女の交わりを毎晩繰り返す。エルヴィン様は自分の欲求を満たすだけで、私に十分な快楽を与えてくれない。
「もう少し続けて頂ければ、私も満たされまして……」なんて意見をすると、エルヴィン様は機嫌が悪くなる。
「そんなことよりも早く僕の子供を孕んでくれ……」
エルヴィン様はこう言う。だから……それはお互いが満たされないと実現しないと思うんだけど。まあ、殿方には分からない問題だと思う。そんな悶々たる想いを抱えながら、エルヴィン様と過ごす夜が続いた……。
でもね、エルヴィン様はあんまり優しくないように思えた。表面では私のことを可愛がる。でも、本音としては、私を手に入れることに奔走していざ手に入れてしまったら、その後はしらける……みたいな?
それと、エルヴィン様は私の身体を欲した。女として愛されるのは当然のことだから仕方がない。でも……その交わり方が尋常ではないのだ。欲望が強すぎるというか……自分本位というか。王子様だから許されるんだけどね。
「アンナ……君は僕の婚約者になれて幸せだよな?」
エルヴィン様はいつも私に幸せの所在を確認する。
「はい、もちろんでございます!」と元気よく答える。そうすると、エルヴィン様は機嫌よく1日を過ごすのだ。
「早く子供が欲しいなあっ……」と言って、男女の交わりを毎晩繰り返す。エルヴィン様は自分の欲求を満たすだけで、私に十分な快楽を与えてくれない。
「もう少し続けて頂ければ、私も満たされまして……」なんて意見をすると、エルヴィン様は機嫌が悪くなる。
「そんなことよりも早く僕の子供を孕んでくれ……」
エルヴィン様はこう言う。だから……それはお互いが満たされないと実現しないと思うんだけど。まあ、殿方には分からない問題だと思う。そんな悶々たる想いを抱えながら、エルヴィン様と過ごす夜が続いた……。
199
あなたにおすすめの小説
あなたでなくても
月樹《つき》
恋愛
ストラルド侯爵家の三男フェラルドとアリストラ公爵家の跡取り娘ローズマリーの婚約は王命によるものだ。
王命に逆らう事は許されない。例え他に真実の愛を育む人がいたとしても…。
(完結)可愛いだけの妹がすべてを奪っていく時、最期の雨が降る(全5話)
青空一夏
恋愛
可愛いだけの妹が、全てを奪っていく時、私はその全てを余すところなく奪わせた。
妹よ・・・貴女は知らない・・・最期の雨が貴女に降ることを・・・
暗い、シリアスなお話です。ざまぁありですが、ヒロインがするわけではありません。残酷と感じるかどうかは人によるので、わかりませんが、残酷描写シーンはありません。最期はハッピーエンドで、ほのぼのと終わります。
全5話
私と婚約破棄して妹と婚約!? ……そうですか。やって御覧なさい。後悔しても遅いわよ?
百谷シカ
恋愛
地味顔の私じゃなくて、可愛い顔の妹を選んだ伯爵。
だけど私は知っている。妹と結婚したって、不幸になるしかないって事を……
公爵令嬢は結婚前日に親友を捨てた男を許せない
有川カナデ
恋愛
シェーラ国公爵令嬢であるエルヴィーラは、隣国の親友であるフェリシアナの結婚式にやってきた。だけれどエルヴィーラが見たのは、恋人に捨てられ酷く傷ついた友の姿で。彼女を捨てたという恋人の話を聞き、エルヴィーラの脳裏にある出来事の思い出が浮かぶ。
魅了魔法は、かけた側だけでなくかけられた側にも責任があった。
「お兄様がお義姉様との婚約を破棄しようとしたのでぶっ飛ばそうとしたらそもそもお兄様はお義姉様にべた惚れでした。」に出てくるエルヴィーラのお話。
【完結】こんな所で言う事!?まぁいいですけどね。私はあなたに気持ちはありませんもの。
まりぃべる
恋愛
私はアイリーン=トゥブァルクと申します。お父様は辺境伯爵を賜っておりますわ。
私には、14歳の時に決められた、婚約者がおりますの。
お相手は、ガブリエル=ドミニク伯爵令息。彼も同じ歳ですわ。
けれど、彼に言われましたの。
「泥臭いお前とはこれ以上一緒に居たくない。婚約破棄だ!俺は、伯爵令息だぞ!ソニア男爵令嬢と結婚する!」
そうですか。男に二言はありませんね?
読んでいただけたら嬉しいです。
なんでも押し付けてくる妹について
里見知美
恋愛
「ねえ、お姉さま。このリボン欲しい?」
私の一つ下の妹シェリルは、ことある毎に「欲しい?」と言っては、自分がいらなくなったものを押し付けてくる。
しかもお願いっていうんなら譲ってあげる、と上から目線で。
私よりもなんでも先に手に入れておかないと気が済まないのか、私が新品を手に入れるのが気に食わないのか。手に入れてしまえば興味がなくなり、すぐさま私に下げ渡してくるのである。まあ、私は嫡女で、無駄に出費の多い妹に家を食い潰されるわけにはいきませんから、再利用させていただきますが。
でも、見た目の良い妹は、婚約者まで私から掠め取っていった。
こればっかりは、許す気にはなりません。
覚悟しなさいな、姉の渾身の一撃を。
全6話完結済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる