王子の婚約破棄に対抗する令嬢はお好きですか?~妹ってうるさいですね。そこまでおっしゃるのでしたら別れましょう~

岡暁舟

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その17

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「どうしてだ。どうして私は、いつも疑問を抱きながら生きていかなくてはならないのだろうか」

「王子様。いかがいたしましたか。また機嫌が悪くなっているのですか」

「いや、そんな事は無いのだが。それにしても、彼女たちは一体どこに行ってしまったのだろうか」

「王子様、そんなことよりも、せっかくだから今をもっと楽しみませんか」

「残念ながら、君たちはあの2人の代わりになると思えないんだ」

「どうして、そんなことを言うのですか」

ボリス様は、おそらくいつの時代になっても、女心と言うものが全く分かっていなかったように感じます。だって、私たちはもういないわけでございますから。未練に思うことは結構でございますが、それにしたって、今相手にしている女性たちの心と言うものが全くわからないのでございましょうか。別に同情するつもりだってありませんが、それでも少しはかわいそうだと思ってしまうわけでございます。もし私が同じ立場でありましたら、ものすごく怒ってしまうでしょう。それで王子様の怒りを買って、私は一生王子様に相手にされない俺になってしまうわけでございましょう。

でもね、こんなことばっかり許されているとすれば、それは非常にいけないことだと思うのです。だからこそ、私はタバチエールをあの世界から逃がそうと思ったわけでございます。

確かに命がけでした。ですが、このまま王子様の相手をしているとすれば、タバチエールがより過酷だ運命をたどる事は明らかでした。ですから、逃げたのです。逃げることによって、新たな人生を掴み取ることができるわけでございます。その結果がこれです。

「早く探してくれないものかね。ひょっとして、大方の見当はついているのかね」

ボリス様は執事に質問をしました。

「大方の検討は確かについております。しかしながら、このようなことに関しましては、決して焦ってはいけないと思うわけでございます。何事も慎重に進めなければいけませんね。大丈夫です。私はすでに、王子様の有利になるような事しか考えておりませんから」

「その話を聞いて、ずいぶんと安心したものだよ。もう一度やり直すことができるだろうか。もしそうだとすれば、やり直したほうがいいのかもしれないな。君たちはもういいさ。どの道もう必要なくなるのだから」

どうしてそう簡単に人を捨てることができるのでしょうか。今回はさすがに殺す事はなかったと思いますが、追放と言う形になるのでしょうか。憧れを抱いた女性たちは、すぐにその華やかさを終えてしまうわけでございます。

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