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その18
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「王子様、ようやく見つけることができましたよ」
しばらくして、ボリス様の側近たちが、私たちの行方を突き止めたようでございました。確かに、彼らの情報力をもってすれば、いつか見つかるなんて事はおおよそ想像がついていたわけでございます。それにしても、ボリス様は未だに、私たちのことを考えているのでしょうか。それが非常に滑稽なことにも思えました。
「そうかそうか。よくやった。それで、彼女たちは一体どこにいるのかね」
「それが、非常に厄介な問題がございまして。少なくとも、場所はわかったわけでございますが、そこにたどり着くのは難しいかと存じます」
「それは一体どういう意味なのだ」
ボリス様は当然、その意味を尋ねたことでしょう。最初は、側近たちが一体何を言っているのか、皆目見当もつかなかったのでしょう。当たり前のことです。それは非常に不可思議な話でございましたから。
「それがですね。あそこはまぼろしの世界なのですよ。ですから、王子様がたどり着く事は絶対にできないと思います」
まぼろしの世界、側近たちはそのような話をしておりました。正直、この話を後で聞かされて、私たちも全く理解しておりませんでした。幻の世界として、どうして私たちは入ることができたのでしょうか。私たちの存在自体が、すでに幻となっているのでしょうか。
「おいおい、変な冗談はやめてくれないか。どうしてこの世にまぼろしの世界なんてものが存在するのだろうか。いや、どう考えてもおかしいじゃないか。そんなことは絶対にありえないと思うんだけど。ひょっとして、何か隠し事でもしているんじゃないか。あるいは、実際は彼女たちがどこに行ったのか、全く以て把握していないのではないか?」
側近たちは、このように王子様に疑われて、非常に悲しい思いになったのかもしれません。ですが、ある意味理解できる話ではございました。私だって、いきなりこのような話をされてしまったら、意味がわからなくなってしまいますから。
「そうなのか。いや、やっぱり理解できないよ。どうして、この世界に私を阻むものがあると言うのだろうか。全知全能の神様にも対抗できるんだけど、そんな私がこのまま何もできずに終わってしまうなんて事は、ないと思うだからね。そうじゃないのかな」
「私だって、決して嘘をついているわけでは無いのです。だって、これが事実なのですから。そこまで疑っていらっしゃるのでしたら、実際にご自分の目で確かめれば良いのではないでしょうか?」
このような話をされて、ボリス様はいよいよ本腰をあげて、旅をするように決意したわけでございました。
「分かった。そこまで言うのであれば、この目で確かめようではないか。そんな可笑しな話……私が直接見届けようぞ。ねえ……まさか、彼女たちは監禁されているということではないよね???」
王子様は一応、執事に確認をしました。
「決してそのようなことではないと心得ております……」
執事はこう答えました。
「よろしい。ならば……すぐさま出発だ!!!」
そう言って、王子様は供の者たちを引き連れて、私どものいる世界に向けて足を進めるのでございました……。
しばらくして、ボリス様の側近たちが、私たちの行方を突き止めたようでございました。確かに、彼らの情報力をもってすれば、いつか見つかるなんて事はおおよそ想像がついていたわけでございます。それにしても、ボリス様は未だに、私たちのことを考えているのでしょうか。それが非常に滑稽なことにも思えました。
「そうかそうか。よくやった。それで、彼女たちは一体どこにいるのかね」
「それが、非常に厄介な問題がございまして。少なくとも、場所はわかったわけでございますが、そこにたどり着くのは難しいかと存じます」
「それは一体どういう意味なのだ」
ボリス様は当然、その意味を尋ねたことでしょう。最初は、側近たちが一体何を言っているのか、皆目見当もつかなかったのでしょう。当たり前のことです。それは非常に不可思議な話でございましたから。
「それがですね。あそこはまぼろしの世界なのですよ。ですから、王子様がたどり着く事は絶対にできないと思います」
まぼろしの世界、側近たちはそのような話をしておりました。正直、この話を後で聞かされて、私たちも全く理解しておりませんでした。幻の世界として、どうして私たちは入ることができたのでしょうか。私たちの存在自体が、すでに幻となっているのでしょうか。
「おいおい、変な冗談はやめてくれないか。どうしてこの世にまぼろしの世界なんてものが存在するのだろうか。いや、どう考えてもおかしいじゃないか。そんなことは絶対にありえないと思うんだけど。ひょっとして、何か隠し事でもしているんじゃないか。あるいは、実際は彼女たちがどこに行ったのか、全く以て把握していないのではないか?」
側近たちは、このように王子様に疑われて、非常に悲しい思いになったのかもしれません。ですが、ある意味理解できる話ではございました。私だって、いきなりこのような話をされてしまったら、意味がわからなくなってしまいますから。
「そうなのか。いや、やっぱり理解できないよ。どうして、この世界に私を阻むものがあると言うのだろうか。全知全能の神様にも対抗できるんだけど、そんな私がこのまま何もできずに終わってしまうなんて事は、ないと思うだからね。そうじゃないのかな」
「私だって、決して嘘をついているわけでは無いのです。だって、これが事実なのですから。そこまで疑っていらっしゃるのでしたら、実際にご自分の目で確かめれば良いのではないでしょうか?」
このような話をされて、ボリス様はいよいよ本腰をあげて、旅をするように決意したわけでございました。
「分かった。そこまで言うのであれば、この目で確かめようではないか。そんな可笑しな話……私が直接見届けようぞ。ねえ……まさか、彼女たちは監禁されているということではないよね???」
王子様は一応、執事に確認をしました。
「決してそのようなことではないと心得ております……」
執事はこう答えました。
「よろしい。ならば……すぐさま出発だ!!!」
そう言って、王子様は供の者たちを引き連れて、私どものいる世界に向けて足を進めるのでございました……。
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