王子の婚約破棄に対抗する令嬢はお好きですか?~妹ってうるさいですね。そこまでおっしゃるのでしたら別れましょう~

岡暁舟

文字の大きさ
19 / 24

その19

しおりを挟む
ボリス様の旅がこれほどちんけに感じられることはなかったのかもしれません。

最初は召使的な人々が多くいたわけでございます。ですが、旅路を重ねていくうちに、その数は少なくなっていくのでした。

「どうして???」

「それは……この旅があまりにも過酷だからだと思いますよ」

「それほど過酷なのか???」

「ええ、少なくともそう思います」

「そうか……。私にはいまいち分からないのだが……」

そうは言われても……まあ、仕方がないのでしょう。ボリス様には必ずしも理解できないと思います。王子様と言うのは、ある意味最も能天気な生き物なのかもしれません。私たちがどのような苦労をしているのか、そんな事は全くわからないわけでございます。

でも、それで許されてしまうわけでございますから、こうして気楽に旅を続けることができるわけでございます。

「王子様。少し休みませんか。私たちの仲間も、おかげでだいぶ減ってしまいましたよ」

「でもね、私にとっては好奇心が募る一方なんだ。これからも、もっともっと旅を続けなくてはいけないと思う。そして、私は早く2人に会いたいと思っている」

王子様はやっぱり身勝手、誰もがそう思ったのかもしれません。

ですが、誰も反対することなんて出来ませんでした。それがやはり、王子様を相手にするってことなのでしょう。それがいいことなのか、悪いことなのか、それは非常に難しい問題であると思います。ですが……まあ、いまさらこんなことを議論しても、全く意味がないのでしょう。

「私は……この旅を終えて……新しい人生を始めるんだ!!!ああ、なんて素晴らしい運命なのだ!!!」

もちろん、私や妹のタバチエールにとってみれば、全くいい話ではありません。というか、とっとと止めていただきたいと思うほどでした。

これ以上の安寧を崩さないでほしい……まあ、こう考えるのはあたり前のことでしょう???

「ねえ、王子様。万が一、この旅を完遂することができなかったら???」

執事が質問をしました。

「そういうことは最初から考えないようにしよう。とにかく、進むしかないのだから!!!」

陽気なボリス様とは対照的に、執事や他の側近たちは、ますます疲弊するわけでございました。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

嘘吐きは悪役聖女のはじまり ~婚約破棄された私はざまぁで人生逆転します~

上下左右
恋愛
「クラリスよ。貴様のような嘘吐き聖女と結婚することはできない。婚約は破棄させてもらうぞ!」 男爵令嬢マリアの嘘により、第二王子ハラルドとの婚約を破棄された私! 正直者の聖女として生きてきたのに、こんな目に遭うなんて……嘘の恐ろしさを私は知るのでした。 絶望して涙を流す私の前に姿を現したのは第一王子ケインでした。彼は嘘吐き王子として悪名高い男でしたが、なぜだか私のことを溺愛していました。 そんな彼が私の婚約破棄を許せるはずもなく、ハラルドへの復讐を提案します。 「僕はいつだって君の味方だ。さぁ、嘘の力で復讐しよう!」 正直者は救われない。現実を知った聖女の進むべき道とは…… 本作は前編・後編の二部構成の小説になります。サクッと読み終わりたい方は是非読んでみてください!!

大好きな第一王子様、私の正体を知りたいですか? 本当に知りたいんですか?

サイコちゃん
恋愛
第一王子クライドは聖女アレクサンドラに婚約破棄を言い渡す。すると彼女はお腹にあなたの子がいると訴えた。しかしクライドは彼女と寝た覚えはない。狂言だと断じて、妹のカサンドラとの婚約を告げた。ショックを受けたアレクサンドラは消えてしまい、そのまま行方知れずとなる。その頃、クライドは我が儘なカサンドラを重たく感じていた。やがて新しい聖女レイラと恋に落ちた彼はカサンドラと別れることにする。その時、カサンドラが言った。「私……あなたに隠していたことがあるの……! 実は私の正体は……――」

姉の所為で全てを失いそうです。だから、その前に全て終わらせようと思います。もちろん断罪ショーで。

しげむろ ゆうき
恋愛
 姉の策略により、なんでも私の所為にされてしまう。そしてみんなからどんどんと信用を失っていくが、唯一、私が得意としてるもので信じてくれなかった人達と姉を断罪する話。 全12話

義妹に誑かされた王太子に婚約破棄され聖女の地位も剥奪されました。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 苦しい聖女の務めから解放されました。

醜いと王太子に言われ婚約破棄された私が悪の女王になるまで

久留茶
恋愛
「お前のような醜い女は私の妃に相応しくない」 婚約披露パーティーで、婚約者であるジョルジュ王太子から罵声を浴びせられ、婚約破棄を告げられたローズマリー公爵令嬢。 密かに王太子と恋仲であった義妹であるイザベラが王太子の婚約者へと成り代わり、人生に絶望したローズマリーは部屋の窓からその身を投げる。 しかし奇跡的に一命を取り留めたローズマリーは代々一族に伝わる不思議な能力に目覚める。 世間から悪名高い令嬢と言われたローズマリーはその力を使って新たな人生をスタートさせるのであった。 *恋愛色やや薄めの復讐劇的なお話です。 *前半ヒロイン、後半は王太子目線となっております。 *全11話完結です。話数は順次掲載していきます。 *誤字脱字ありましたらご報告して頂けるととてもありがたいです(*-ω人) →R6.6/10誤字脱字修正しました。 *小説家になろうにも掲載しています。 *沢山の方に読んで頂けたことに感謝を込めて、全11話後にエピローグを一話追加しました。その後の様子が王太子視点でもう少しだけ詳しく描かれています。良かったらお読み下さい(^-^)v

【完結】双子の妹にはめられて力を失った廃棄予定の聖女は、王太子殿下に求婚される~聖女から王妃への転職はありでしょうか?~

美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
 聖女イリーナ、聖女エレーネ。  二人の双子の姉妹は王都を守護する聖女として仕えてきた。  しかし王都に厄災が降り注ぎ、守りの大魔方陣を使わなくてはいけないことに。  この大魔方陣を使えば自身の魔力は尽きてしまう。  そのため、もう二度と聖女には戻れない。  その役割に選ばれたのは妹のエレーネだった。  ただエレーネは魔力こそ多いものの体が弱く、とても耐えられないと姉に懇願する。  するとイリーナは妹を不憫に思い、自らが変わり出る。  力のないイリーナは厄災の前線で傷つきながらもその力を発動する。  ボロボロになったイリーナを見下げ、ただエレーネは微笑んだ。  自ら滅びてくれてありがとうと――  この物語はフィクションであり、ご都合主義な場合がございます。  完結マークがついているものは、完結済ですので安心してお読みください。  また、高評価いただけましたら長編に切り替える場合もございます。  その際は本編追加等にて、告知させていただきますのでその際はよろしくお願いいたします。

【R15】婚約破棄イベントを無事終えたのに「婚約破棄はなかったことにしてくれ」と言われました

あんころもちです
恋愛
やり直しした人生で無事破滅フラグを回避し婚約破棄を終えた元悪役令嬢 しかし婚約破棄後、元婚約者が部屋を尋ねに来た。

聖女の魔力を失い国が崩壊。婚約破棄したら、彼と幼馴染が事故死した。

佐藤 美奈
恋愛
聖女のクロエ公爵令嬢はガブリエル王太子殿下と婚約していた。しかしガブリエルはマリアという幼馴染に夢中になり、隠れて密会していた。 二人が人目を避けて会っている事をクロエに知られてしまい、ガブリエルは謝罪して「マリアとは距離を置く」と約束してくれる。 クロエはその言葉を信じていましたが、実は二人はこっそり関係を続けていました。 その事をガブリエルに厳しく抗議するとあり得ない反論をされる。 「クロエとは婚約破棄して聖女の地位を剥奪する!そして僕は愛するマリアと結婚して彼女を聖女にする!」 「ガブリエル考え直してください。私が聖女を辞めればこの国は大変なことになります!」 「僕を騙すつもりか?」 「どういう事でしょう?」 「クロエには聖女の魔力なんて最初から無い。マリアが言っていた。それにマリアのことを随分といじめて嫌がらせをしているようだな」 「心から誓ってそんなことはしておりません!」 「黙れ!偽聖女が!」 クロエは婚約破棄されて聖女の地位を剥奪されました。ところが二人に天罰が下る。デート中にガブリエルとマリアは事故死したと知らせを受けます。 信頼していた婚約者に裏切られ、涙を流し悲痛な思いで身体を震わせるクロエは、急に頭痛がして倒れてしまう。 ――目覚めたら一年前に戻っていた――

処理中です...