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その20
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タバチエールは私と新しい王子様の出会いをずっと応援してくれました。
「ねえ、あなたは何も望まないの???」
私は時々、タバチエールに尋ねました。私だけが満足しても、それでは彼女が可哀そうだと思ったからです。
「私はね、お姉さまが幸せになれば、それでもいいと思うんですよ。もはやね、私の幸せなんて、随分とちっぽけなもののように感じるんです。だって、私はずっと自分勝手だったけど、お姉さまは違ったんですよ。お姉さまはいつまでも、私の幸せを考えてくださったじゃないですか。ねえ、私はお姉さまのそういうところに憧れているんですよ。お姉さまは本当に幸せになる番だと思いますから……私はこうしてお姉さまのおそばにいられるだけで幸せなのです!!!」
そう言って、タバチエールは私にそっと抱き着きました。そのぬくもりは……私がこれまで大事にしてきた一つの宝物でした。ああ、よかった、と思いました。
「おやおや、仲睦まじい姉妹ですねえ。ああ、素晴らしい光景ですねえ……」
王子様はこう言って、私たちのことを見ておりました。
「あら、見ていたんですか???どうも、お騒がせしてしまって……」
「いえいえ、いいんですよ。ああ、久しぶりにいい光景を見させてもらいましたねえ……」
王子様が妙に感激していたのが、私にとってはかえって興味深かったものです。
「さて……私はずっと、ベーラー殿やタバチエール殿の様子をそれとなく見てきたわけでございますが……ええ、合格ですね」
「合格???合格ってなんの話ですか???」
「ええ、つまりですね、ここはある種の幻の世界なんですよ。つまりね、普通の人間が生活するにはまったくもって不便な世界となっているわけなのです。ですが……少なくともあなた方は、その不便さを簡単にはねのけていますね。これはつまり……あちらの世界からやって来たわけではありますが、見事この世界の需要を満たしていると、こういうわけですね!!!」
王子様の言う合格……認められて……これはある種の婚約なのでしょうか???
私はうっすらと期待をしてみました。
「あなた方がいたいと思うまで……これから、この世界を楽しんでくださいね!」
王子様は言いました。私も少しずつ面白くなってまいりました。
「ねえ、あなたは何も望まないの???」
私は時々、タバチエールに尋ねました。私だけが満足しても、それでは彼女が可哀そうだと思ったからです。
「私はね、お姉さまが幸せになれば、それでもいいと思うんですよ。もはやね、私の幸せなんて、随分とちっぽけなもののように感じるんです。だって、私はずっと自分勝手だったけど、お姉さまは違ったんですよ。お姉さまはいつまでも、私の幸せを考えてくださったじゃないですか。ねえ、私はお姉さまのそういうところに憧れているんですよ。お姉さまは本当に幸せになる番だと思いますから……私はこうしてお姉さまのおそばにいられるだけで幸せなのです!!!」
そう言って、タバチエールは私にそっと抱き着きました。そのぬくもりは……私がこれまで大事にしてきた一つの宝物でした。ああ、よかった、と思いました。
「おやおや、仲睦まじい姉妹ですねえ。ああ、素晴らしい光景ですねえ……」
王子様はこう言って、私たちのことを見ておりました。
「あら、見ていたんですか???どうも、お騒がせしてしまって……」
「いえいえ、いいんですよ。ああ、久しぶりにいい光景を見させてもらいましたねえ……」
王子様が妙に感激していたのが、私にとってはかえって興味深かったものです。
「さて……私はずっと、ベーラー殿やタバチエール殿の様子をそれとなく見てきたわけでございますが……ええ、合格ですね」
「合格???合格ってなんの話ですか???」
「ええ、つまりですね、ここはある種の幻の世界なんですよ。つまりね、普通の人間が生活するにはまったくもって不便な世界となっているわけなのです。ですが……少なくともあなた方は、その不便さを簡単にはねのけていますね。これはつまり……あちらの世界からやって来たわけではありますが、見事この世界の需要を満たしていると、こういうわけですね!!!」
王子様の言う合格……認められて……これはある種の婚約なのでしょうか???
私はうっすらと期待をしてみました。
「あなた方がいたいと思うまで……これから、この世界を楽しんでくださいね!」
王子様は言いました。私も少しずつ面白くなってまいりました。
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