王子の婚約破棄に対抗する令嬢はお好きですか?~妹ってうるさいですね。そこまでおっしゃるのでしたら別れましょう~

岡暁舟

文字の大きさ
20 / 24

その20

しおりを挟む
タバチエールは私と新しい王子様の出会いをずっと応援してくれました。

「ねえ、あなたは何も望まないの???」

私は時々、タバチエールに尋ねました。私だけが満足しても、それでは彼女が可哀そうだと思ったからです。

「私はね、お姉さまが幸せになれば、それでもいいと思うんですよ。もはやね、私の幸せなんて、随分とちっぽけなもののように感じるんです。だって、私はずっと自分勝手だったけど、お姉さまは違ったんですよ。お姉さまはいつまでも、私の幸せを考えてくださったじゃないですか。ねえ、私はお姉さまのそういうところに憧れているんですよ。お姉さまは本当に幸せになる番だと思いますから……私はこうしてお姉さまのおそばにいられるだけで幸せなのです!!!」

そう言って、タバチエールは私にそっと抱き着きました。そのぬくもりは……私がこれまで大事にしてきた一つの宝物でした。ああ、よかった、と思いました。

「おやおや、仲睦まじい姉妹ですねえ。ああ、素晴らしい光景ですねえ……」

王子様はこう言って、私たちのことを見ておりました。

「あら、見ていたんですか???どうも、お騒がせしてしまって……」

「いえいえ、いいんですよ。ああ、久しぶりにいい光景を見させてもらいましたねえ……」

王子様が妙に感激していたのが、私にとってはかえって興味深かったものです。

「さて……私はずっと、ベーラー殿やタバチエール殿の様子をそれとなく見てきたわけでございますが……ええ、合格ですね」

「合格???合格ってなんの話ですか???」

「ええ、つまりですね、ここはある種の幻の世界なんですよ。つまりね、普通の人間が生活するにはまったくもって不便な世界となっているわけなのです。ですが……少なくともあなた方は、その不便さを簡単にはねのけていますね。これはつまり……あちらの世界からやって来たわけではありますが、見事この世界の需要を満たしていると、こういうわけですね!!!」

王子様の言う合格……認められて……これはある種の婚約なのでしょうか???

私はうっすらと期待をしてみました。

「あなた方がいたいと思うまで……これから、この世界を楽しんでくださいね!」

王子様は言いました。私も少しずつ面白くなってまいりました。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

聖女の復讐~私、本当にいいのか確認しましたよね?こうなったのは全て、王太子殿下の自業自得ですよ?~

バナナマヨネーズ
恋愛
聖女と呼ばれた少女は、愛する人を失った。聖女と呼ばれた少女は、その原因となった王太子に復讐を誓う。 復讐の果てに少女は何を得るのか……。 この物語は、愛する人を失った少女の復讐の物語。 全10話 ※小説家になろう様で掲載していた短編作品を加筆修正した連載版になります。

大好きな第一王子様、私の正体を知りたいですか? 本当に知りたいんですか?

サイコちゃん
恋愛
第一王子クライドは聖女アレクサンドラに婚約破棄を言い渡す。すると彼女はお腹にあなたの子がいると訴えた。しかしクライドは彼女と寝た覚えはない。狂言だと断じて、妹のカサンドラとの婚約を告げた。ショックを受けたアレクサンドラは消えてしまい、そのまま行方知れずとなる。その頃、クライドは我が儘なカサンドラを重たく感じていた。やがて新しい聖女レイラと恋に落ちた彼はカサンドラと別れることにする。その時、カサンドラが言った。「私……あなたに隠していたことがあるの……! 実は私の正体は……――」

嘘吐きは悪役聖女のはじまり ~婚約破棄された私はざまぁで人生逆転します~

上下左右
恋愛
「クラリスよ。貴様のような嘘吐き聖女と結婚することはできない。婚約は破棄させてもらうぞ!」 男爵令嬢マリアの嘘により、第二王子ハラルドとの婚約を破棄された私! 正直者の聖女として生きてきたのに、こんな目に遭うなんて……嘘の恐ろしさを私は知るのでした。 絶望して涙を流す私の前に姿を現したのは第一王子ケインでした。彼は嘘吐き王子として悪名高い男でしたが、なぜだか私のことを溺愛していました。 そんな彼が私の婚約破棄を許せるはずもなく、ハラルドへの復讐を提案します。 「僕はいつだって君の味方だ。さぁ、嘘の力で復讐しよう!」 正直者は救われない。現実を知った聖女の進むべき道とは…… 本作は前編・後編の二部構成の小説になります。サクッと読み終わりたい方は是非読んでみてください!!

【R15】婚約破棄イベントを無事終えたのに「婚約破棄はなかったことにしてくれ」と言われました

あんころもちです
恋愛
やり直しした人生で無事破滅フラグを回避し婚約破棄を終えた元悪役令嬢 しかし婚約破棄後、元婚約者が部屋を尋ねに来た。

妹への復讐と私の幸せ

ぴぴみ
恋愛
ざまぁ “ざまぁの後~妹への復讐と私の幸せ~”でハッピーエンド

聖女の魔力を失い国が崩壊。婚約破棄したら、彼と幼馴染が事故死した。

佐藤 美奈
恋愛
聖女のクロエ公爵令嬢はガブリエル王太子殿下と婚約していた。しかしガブリエルはマリアという幼馴染に夢中になり、隠れて密会していた。 二人が人目を避けて会っている事をクロエに知られてしまい、ガブリエルは謝罪して「マリアとは距離を置く」と約束してくれる。 クロエはその言葉を信じていましたが、実は二人はこっそり関係を続けていました。 その事をガブリエルに厳しく抗議するとあり得ない反論をされる。 「クロエとは婚約破棄して聖女の地位を剥奪する!そして僕は愛するマリアと結婚して彼女を聖女にする!」 「ガブリエル考え直してください。私が聖女を辞めればこの国は大変なことになります!」 「僕を騙すつもりか?」 「どういう事でしょう?」 「クロエには聖女の魔力なんて最初から無い。マリアが言っていた。それにマリアのことを随分といじめて嫌がらせをしているようだな」 「心から誓ってそんなことはしておりません!」 「黙れ!偽聖女が!」 クロエは婚約破棄されて聖女の地位を剥奪されました。ところが二人に天罰が下る。デート中にガブリエルとマリアは事故死したと知らせを受けます。 信頼していた婚約者に裏切られ、涙を流し悲痛な思いで身体を震わせるクロエは、急に頭痛がして倒れてしまう。 ――目覚めたら一年前に戻っていた――

醜いと王太子に言われ婚約破棄された私が悪の女王になるまで

久留茶
恋愛
「お前のような醜い女は私の妃に相応しくない」 婚約披露パーティーで、婚約者であるジョルジュ王太子から罵声を浴びせられ、婚約破棄を告げられたローズマリー公爵令嬢。 密かに王太子と恋仲であった義妹であるイザベラが王太子の婚約者へと成り代わり、人生に絶望したローズマリーは部屋の窓からその身を投げる。 しかし奇跡的に一命を取り留めたローズマリーは代々一族に伝わる不思議な能力に目覚める。 世間から悪名高い令嬢と言われたローズマリーはその力を使って新たな人生をスタートさせるのであった。 *恋愛色やや薄めの復讐劇的なお話です。 *前半ヒロイン、後半は王太子目線となっております。 *全11話完結です。話数は順次掲載していきます。 *誤字脱字ありましたらご報告して頂けるととてもありがたいです(*-ω人) →R6.6/10誤字脱字修正しました。 *小説家になろうにも掲載しています。 *沢山の方に読んで頂けたことに感謝を込めて、全11話後にエピローグを一話追加しました。その後の様子が王太子視点でもう少しだけ詳しく描かれています。良かったらお読み下さい(^-^)v

姉の所為で全てを失いそうです。だから、その前に全て終わらせようと思います。もちろん断罪ショーで。

しげむろ ゆうき
恋愛
 姉の策略により、なんでも私の所為にされてしまう。そしてみんなからどんどんと信用を失っていくが、唯一、私が得意としてるもので信じてくれなかった人達と姉を断罪する話。 全12話

処理中です...