悪役令嬢の儚い恋物語

岡暁舟

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悪役令嬢

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「どうしてって、私はこの場において疑問を感じることが許されるのかしら」

私のことを救ってくれた、ある男性が、私の目の前で死にました。私のことを置いていってしまったようです。

「あなたが私のことを守る必要なんて、全くなかったと思うんです。だって、私は人に守られるほどの価値のある人間ではないと思いますから……」

でも、彼は私のことを守ってくれました。そして、彼は私に好きだと言ってくれました。どうしてなんでしょうか、その理由は、今でもはっきりとわかりません。

「この世界の端くれにたたずんでいるあなたの事はただ美しいと思っていたわけでございます。その他に何か理由が要りますでしょうか」

男性はそのように言いました。ですが、今となっては、その周囲を確かめることができないまま、2人はともに、別々の世界を行き来することになるわけでございます。

私がこのような扱いを受けることになったのには理由があって、それは、私のことを婚約破棄した男性を思わず殺してしまったからでございます。もちろん原因は向こうにあるわけでございますが、それが人を殺す理由としては認められるわけもなく、私は一生悪役と言うレッテルを貼られることになったわけでございました。

「でも、あなたは何も間違ったことをしていないと思います。あなたがしたことが正しい、神様だけは証明してくれるように思います。そして、私もあなたのことを信じているわけでございます……」

この世界で1つだけ宝物があるとすれば、それは人を信じることだと思いました。そして、彼は私のことを信じてくれました。だから、彼は私にとって、新しいそして唯一の宝物であったわけです。

「最後に一言だけ、さようならと、あなたに告げさせてくれませんか。本当はそんなこと言いたくは無いのですが、でもこの場で言わないと、ダメな気がするんです……」

私は最後にこう言って、もう人生を終わらせてもいいと思いました。
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