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第一王子クロビッツ様が後に史上最悪と語り継がれる爆弾発言をした。世間は不思議なことに冷ややかであった。逆に、この私:公爵令嬢であり婚約者であるカナエに対しては同情的であった。
クロビッツ様と私の婚約会見・・・王族に比較的近い血筋であるモートン家の長女である私がクロビッツ様と出会ってまだ1週間しか経っていなかった。私の意思がどうとか、クロビッツ様の意思がどうとか、そう言うのは何も考えられなかった。この世界に蔓延る名声を欲しがる令嬢とは一線を画していると自負していた私にとって、クロビッツ様は正直に言って興味の対象ではなかった。まあ、お父様の命令で王子様と婚約することになってしまったので、文句は言えなかった。お父様を始め公爵家の人間は私を操り人形と考えているわけだから。
「私は・・・カナエ殿とは婚約したくない!こんな不細工な令嬢は私の興味ではないのだ!あなたとの婚約をこの場において破棄することを宣言する!!!」
婚約会見でクロビッツ様はそう言い放った。王族の人々、そしてお父様を始めとしたモートン家の人々はみんな、自分の耳を疑ったはずだ。でも、真実だった。
「ああ、そうなんですか・・・」
私は淡々と短く返事をした。大して取り乱さなかった。最初からクロビッツ様が私に対して興味ないことは薄々気がついていたことだから。と言うより、正直タイプではなかった。性格が暗いと言うか・・・まあ、私もまた明るい方でないから婚約するとしたらもっと明るい殿方がいいと思っていたから。
「ならば、私は旅に出ます。ああ、結果的には良かったですよ!こんな非礼な殿方が将来この国を統治するとしたら、そのうち崩壊するかもしれませんね!」
クロビッツ様が真っ青になっていたのを覚えている。何も関係なかった。娘を馬鹿にされたお父様ですら、クロビッツ様に頭を下げていた。そして、婚約者のいなくなったクロビッツ様の周りに他の令嬢たちが媚を売りに駆け寄り始めた。
「あんな不細工な女よりも私を婚約者に選んでくださいましっ!」
私のことを馬鹿にする女たちがたくさんいた。そう、この世界の現実を全て物語った婚約会見となった。私は旅に出たくなった。どのみち、全て失ってこれ以上失うものはなかったから。正直このまま人生を終えてもいいと思ったけど、その前にこの汚い世界以外に少しは綺麗な世界があるのではなかろうかと思って、外の世界を見てみようと思ったのであった。
クロビッツ様と私の婚約会見・・・王族に比較的近い血筋であるモートン家の長女である私がクロビッツ様と出会ってまだ1週間しか経っていなかった。私の意思がどうとか、クロビッツ様の意思がどうとか、そう言うのは何も考えられなかった。この世界に蔓延る名声を欲しがる令嬢とは一線を画していると自負していた私にとって、クロビッツ様は正直に言って興味の対象ではなかった。まあ、お父様の命令で王子様と婚約することになってしまったので、文句は言えなかった。お父様を始め公爵家の人間は私を操り人形と考えているわけだから。
「私は・・・カナエ殿とは婚約したくない!こんな不細工な令嬢は私の興味ではないのだ!あなたとの婚約をこの場において破棄することを宣言する!!!」
婚約会見でクロビッツ様はそう言い放った。王族の人々、そしてお父様を始めとしたモートン家の人々はみんな、自分の耳を疑ったはずだ。でも、真実だった。
「ああ、そうなんですか・・・」
私は淡々と短く返事をした。大して取り乱さなかった。最初からクロビッツ様が私に対して興味ないことは薄々気がついていたことだから。と言うより、正直タイプではなかった。性格が暗いと言うか・・・まあ、私もまた明るい方でないから婚約するとしたらもっと明るい殿方がいいと思っていたから。
「ならば、私は旅に出ます。ああ、結果的には良かったですよ!こんな非礼な殿方が将来この国を統治するとしたら、そのうち崩壊するかもしれませんね!」
クロビッツ様が真っ青になっていたのを覚えている。何も関係なかった。娘を馬鹿にされたお父様ですら、クロビッツ様に頭を下げていた。そして、婚約者のいなくなったクロビッツ様の周りに他の令嬢たちが媚を売りに駆け寄り始めた。
「あんな不細工な女よりも私を婚約者に選んでくださいましっ!」
私のことを馬鹿にする女たちがたくさんいた。そう、この世界の現実を全て物語った婚約会見となった。私は旅に出たくなった。どのみち、全て失ってこれ以上失うものはなかったから。正直このまま人生を終えてもいいと思ったけど、その前にこの汚い世界以外に少しは綺麗な世界があるのではなかろうかと思って、外の世界を見てみようと思ったのであった。
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