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クロビッツ様との長い荒れ狂った嵐のひとときを終えて、サリーは白濁した朝を迎えた。
「君の身体はいつもいい具合だね。最低限だけど、最低限の働きはしてくれる・・・」
「お役に立てて光栄でございますっ・・・」
クロビッツ様は欠伸をしながら、お目当ての女性をまた探し始める。
「婚約者問題・・・どうすればいいのかなあっ・・・」
本来であれば、カナエ様を推挙すうのだが、こうした状況になってくると一概にカナエ様でいいのか、疑問が残る。
「今日もまた、私の身体を求めて、数多の令嬢がやって来るのだろう。品定めでもするか・・・身体はまだ元気だから!」
確かにクロビッツ様はずっと元気である。女遊び・・・一度始めるとやめられないんだよね。
「クロビッツ様!」
サリーを置いてけぼりにして、侍従が部屋に入ってくる。
「どうした、朝から騒々しい・・・」
「皇帝陛下がまもなくいらっしゃいます!!!今すぐ御準備をなさってください!!!」
皇帝陛下と聞いて、流石のクロビッツ様も身構えてしまった。
「なんだって、父上がここにいらっしゃるのか?」
クロビッツ様は慌てて礼服の準備をした。着替え終わるや否や、皇帝陛下を伴った隊列が到着した。皇帝陛下は馬車から降りると急いでクロビッツ様の元に向かわれた。
「クロビッツはおるかっ!」
クロビッツ様は準備万端であった。
「父上、わざわざのお出ましで嬉しく思いますっ!」
「バカなことを申すな!お前がこれほどの愚か者であったとは、私の面目が丸潰れじゃないか!」
「と、おっしゃいますと?」
「とぼけるな!お前がこの前盛大に婚約を破棄したことについて、国中が大騒ぎになっているぞ!」
「なんだ、そんなことですか。父上にも申し上げました通り、公爵令嬢カナエ殿には色々と黒い噂が立ち込めておりまして。例えば学院の同級生いじめの主犯格であったとか、親戚で自分よりも美しい令嬢にヤキモチを焼いて亡き者にしようと働きかけたとか、そういった内々の調査の結果、王家にとってこの婚約がマイナスになってしまう大きな懸念もあり、あのような形で破棄としたわけでございますれば、何も問題はないと存じます・・・」
「お前、カナエ殿に関するその噂、証拠はあるのだろうな・・・?」
「ええ、もちろんでございますとも。ここに控えておりますサリーが全て持っております」
皇帝陛下は首を垂れるサリーに声をかけた。
「おお、サリー。久しぶりだな。愚息が迷惑をかけて申し訳ない・・・ところでクロビッツが言っていることは、真実なのか?」
サリーは一瞬戸惑った。皇帝陛下とクロビッツ様との間でそのような話し合いが行われたことについて、何も把握していなかったのだ。
「はあっ、クロビッツ様のおっしゃる通りでございますっ・・・」
サリーは咄嗟に嘘をついた。この答えが結果としてクロビッツの立場を危うくしたのだが、この時はそう答えるしかなかった。
「そうか?まあ、サリーが言うのならば本当なのか・・・」
「ですから、父上。私はあえてあのような芝居を打ったのです。どうか、私のことを信じてください!結果としてモートン家自体の名誉を守ることにもなりましょう。カナエ殿だけを切り離してしまえば。父上と深い関わりのあるモートン家は守られましょうぞ!」
こんな話を信じて、皇帝陛下は結局満足気に帰られたのであった・・・。
「君の身体はいつもいい具合だね。最低限だけど、最低限の働きはしてくれる・・・」
「お役に立てて光栄でございますっ・・・」
クロビッツ様は欠伸をしながら、お目当ての女性をまた探し始める。
「婚約者問題・・・どうすればいいのかなあっ・・・」
本来であれば、カナエ様を推挙すうのだが、こうした状況になってくると一概にカナエ様でいいのか、疑問が残る。
「今日もまた、私の身体を求めて、数多の令嬢がやって来るのだろう。品定めでもするか・・・身体はまだ元気だから!」
確かにクロビッツ様はずっと元気である。女遊び・・・一度始めるとやめられないんだよね。
「クロビッツ様!」
サリーを置いてけぼりにして、侍従が部屋に入ってくる。
「どうした、朝から騒々しい・・・」
「皇帝陛下がまもなくいらっしゃいます!!!今すぐ御準備をなさってください!!!」
皇帝陛下と聞いて、流石のクロビッツ様も身構えてしまった。
「なんだって、父上がここにいらっしゃるのか?」
クロビッツ様は慌てて礼服の準備をした。着替え終わるや否や、皇帝陛下を伴った隊列が到着した。皇帝陛下は馬車から降りると急いでクロビッツ様の元に向かわれた。
「クロビッツはおるかっ!」
クロビッツ様は準備万端であった。
「父上、わざわざのお出ましで嬉しく思いますっ!」
「バカなことを申すな!お前がこれほどの愚か者であったとは、私の面目が丸潰れじゃないか!」
「と、おっしゃいますと?」
「とぼけるな!お前がこの前盛大に婚約を破棄したことについて、国中が大騒ぎになっているぞ!」
「なんだ、そんなことですか。父上にも申し上げました通り、公爵令嬢カナエ殿には色々と黒い噂が立ち込めておりまして。例えば学院の同級生いじめの主犯格であったとか、親戚で自分よりも美しい令嬢にヤキモチを焼いて亡き者にしようと働きかけたとか、そういった内々の調査の結果、王家にとってこの婚約がマイナスになってしまう大きな懸念もあり、あのような形で破棄としたわけでございますれば、何も問題はないと存じます・・・」
「お前、カナエ殿に関するその噂、証拠はあるのだろうな・・・?」
「ええ、もちろんでございますとも。ここに控えておりますサリーが全て持っております」
皇帝陛下は首を垂れるサリーに声をかけた。
「おお、サリー。久しぶりだな。愚息が迷惑をかけて申し訳ない・・・ところでクロビッツが言っていることは、真実なのか?」
サリーは一瞬戸惑った。皇帝陛下とクロビッツ様との間でそのような話し合いが行われたことについて、何も把握していなかったのだ。
「はあっ、クロビッツ様のおっしゃる通りでございますっ・・・」
サリーは咄嗟に嘘をついた。この答えが結果としてクロビッツの立場を危うくしたのだが、この時はそう答えるしかなかった。
「そうか?まあ、サリーが言うのならば本当なのか・・・」
「ですから、父上。私はあえてあのような芝居を打ったのです。どうか、私のことを信じてください!結果としてモートン家自体の名誉を守ることにもなりましょう。カナエ殿だけを切り離してしまえば。父上と深い関わりのあるモートン家は守られましょうぞ!」
こんな話を信じて、皇帝陛下は結局満足気に帰られたのであった・・・。
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