乙女ゲームの鬱的主人公を演じる人生~転生していきなり悪役令嬢に睨まれて~

岡暁舟

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 しばらく考えて導き出された答え、それは転生。いや、それしかないだろう。きっと現実世界で死んだんだ、私は。事故にあったか、自殺したか……記憶にはないけど。多分、それでゲームの世界に導かれた……。多分そういうことでしょう。それで説明がつく……。

 だって、あれからもう一週間もゲームの世界で生活しているんだから!!!もしも、現実逃避でこれが夢の世界なのだとしたら、一週間もゲームの生活が続くわけないだろう。それに……会話や行動は全て自分の意思に基づいている。きちんと考えているんだ。うん、自信を持って言える。これは俗に言われる転生なのだ。なんだか知らないけど、現実世界を旅だったこの私にもう一度やり直す(?)権利を神様がくださったのだろう。まあ、現実世界と比較すれば、ものすごく充実した生活を送れているのだ。そう割り切って生活しよう。

 コンコンと……優しくドアを叩くサウンド。これはきっと、アイントフォーヘン様だ。そう、楽しめばいい。私は今、巨大帝国の第一王子アイントフォーヘン様の正妻ポジションにいるんだ。

「エカテリーナ……お目覚めかな???」

「はいいっ……大丈夫です」

「入ってもいいかな???」

「かしこまりました。ただいま、鍵を開けます」

 アイントフォーヘン様は、私がこの世界で最も尊敬するお方だ。婚約者としてもちろんのこと、一人の男性として尊敬できる。そんな王子様との婚約が決まったのは、今からちょうど一カ月前のこと。私の父に当たる公爵が皇帝を半ば強引に説得したところから話は始まる。この世界で最も多額の財産……具体的には最新軍事兵器の開発に成功した代償を作ることに成功した父は、私を王家の殿方と婚約させることを画策した。王家とのパイプを作り、この帝国を裏で操ろうと考えていたようだ。皇帝陛下はこの事態を危惧、そして、古典的な貴族たちもまた、父のことを愚弄した。成り上がりの分際で皇帝陛下に圧力をかける……それは滑稽であり、リスクでもあった。

 だが、私の父は当然のこと、一歩も引かなかった。試しに老舗の伯爵家族を皆殺しにした。遺体は王都の起点に張り付けられ公衆の面前に触れることとなった。その後どうなったかについては……言うまでもない。

 まあ、私の父に唯一反抗できたのが、アンナのファミリーということにはなる。そのはず、アンナの父は秀でた軍人であり、軍務大臣を務めるほどの実力者であるから。私の父ごときには屈しない……そう言う感じなのだろう。

 とはいえ、多数決では皇帝を始め他の貴族たち皆がエカテリーナと第一王子アイントフォーヘン様の婚約を承認する結果となり、今に至るわけなのだ。結論から言うと、このゲームの進行でアンナとそのファミリーは、私の宿敵であり続ける。実際戦うことになるのは先の話で、暫くはアイントフォーヘン様とののろけ話が中心となる。まあ、のろけ話の最中にも、彼女たちが仕掛けた罠は出てくるのだが……。

「少し散歩でもしようか」

「喜んで!!!」

 アイントフォーヘン様と私が日中にやること……ああ、この平和な世界を謳歌するために散歩をするのだ。さあ、今日はあの罠があるのかな???

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