愛され南田くんは、寂しがり屋の甘えたです 〜無自覚甘えたが止まりません〜

葉月

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この映画は!!

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こ、これは………

「ありがとう‼︎健‼︎………と、ごめん…」
優斗は嬉しさのあまり、場所も考えず映画館のフロアーで健に抱きついてしまい、そして次は、自分がしてしまったことに気が付くと、今度は大慌てで健から離れると謝った。
「抱きついたままで、良かったのに」
健が笑うが、
「外では手を繋ぐまでが、限界だよ…」
優斗は真っ赤だ。
「でも、このチケット取るの大変だったんじゃない?」
優斗は健から手渡されたチケットをマジマジと見た。
「まーな。でも予約発売の日に取ったから、大丈夫」
「予約発売の日が一番取りにくいのに…、本当にありがとう」
優斗は満面の笑みを浮かべ、それを見た健も嬉しそうに微笑んだ。

そう、健がチケット予約発売日に買った作品……
今、爆発的に人気アニメの映画。
子供から大人まで大人気の為、チケットを取るのも大変で……

健、俺がこの映画観たいって言ってたの、覚えてくれてたんだ。
でも、健、アニメ観ないって…

「俺に合わせてくれたの?健、アニメ観ないって…」
「アニメは観てなかったけど…」
「じゃあ…やっぱり…」

健、俺に合わせて…

「ごめんね、健…」
「アニメは観てないけど、漫画は全巻は読んだぞ」
健が笑う。
「え?」
「漫画読んで、しかも…」
「しかも?」
「泣いた」

泣いたの⁉︎
あの健が?
クールで大人な健が⁉︎

「優斗の前で読まなくてよかったって思うぐらい、泣いた」
泣いた話なのに、その時の自分の姿を思い出したのか、健が苦笑する。
「俺も号泣した‼︎健はどこで泣いたの?」
優斗は健も同じ漫画を読んで、同じように泣いてしまったのが嬉しかった。
「○巻目の…」
「○巻目‼︎わかる‼︎」
「やっぱり優斗も⁉︎」
2人、話が盛り上がってきた時、
『2番スクリーンでご覧のお客さま、入場時間となりました…』
放送が入る。
危うく映画館ホールでテンションマックスで漫画の話をしそうになってた優斗と健は顔を見合わせ、
「入ろっか」
「うん」
ポップコーンとジュースを持ち、入って行った。

映画のエンドロールが映し出され、
エンディングテーマが流れる。

あーー‼︎
終わってしまった…
漫画読んでたから映画の内容知ってたけど、やっぱり泣いてしまった… 
しかも号泣…
鼻もぐずぐずいってしまったから、健にもバレちゃってるよね。
子供じゃないのに泣くなんて…、ちょっと恥ずかしい……

最後までエンドロールを見終わって、いざ健の方を見ると……

え⁉︎

会場内の電気がつき、健の顔を見た優斗は驚いた。
「健、泣いてたの?」
健の目と鼻先が赤くなっている。
「…、恥ずかしいけど、結構泣いた…」
健が恥ずかしそうに目と鼻を隠した。

あの健が泣いた⁉︎
映画観て?
しかもアニメ?
意外というか…

「優斗、なんとか言ってくれよ…。恥ずかしすぎるんだけど…」
今度は不安げに優斗の顔を覗き込む。

なんと言うか、
なんと言うか………

「可愛すぎる‼︎」
「な⁉︎…」
優斗の発言に健の表情に驚きと、落胆の色が…
「あ‼︎でもそれは、そんな俺だけが知ってる一面が見れて嬉しいというか、もっと…好きだなって思ったっていうか…」
「前より好きになったってこと?」
健がにやりと笑うと、
「健のこと世界で一番好きなだと思ってたけど、その好きがさらに増えた気分」
優斗も笑う。
「‼︎…なぁ優斗……」
急に健の声が艶っぽくなる。
「ん?」
「今、ここでキスしていいか?」
健が優斗の腰に手を回す。
「え‼︎だめだよ‼︎ここ、映画館‼︎」
優斗は慌てて自分の口を両手で押さえる。

人前でできないよ!
しかも、さっきみたいなキスになったら……

「やっぱり?」
「ダメ‼︎」
「どうしても?」
「だめ‼︎」
「そっか……」
少し残念そうな健。

も~、その健の顔、俺が弱いって知っててやってる。

「家まで待って…。今日はいっぱい甘やかしてくれるんでしょ?」
優斗はチラッと健を上目遣いで見上げると…

‼︎

チュっと健が優斗の額にキスをした。
「‼︎健、ダメだって言ったじゃん‼︎」
優斗が可愛く怒ると、
「これはキスには入りません」
健は嬉しそうに優斗の手を取った。
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