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第三章
デート ②
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真司は今まで買い物デートは苦手だった。
一番困るのは、服を買いに行った時。
彼女の後ろをずっとついて歩く…
居心地が悪くて外で待っていると、同じように彼女に連れられて、買い物を付き合わされている彼氏達が真司と同じよう退屈そうに待っている。
そして、彼女が欲しいものを見つけ、
『どっちがいい?』と聞かれた時、素直に答えても、それが彼女の思っていた答えではないと微妙ない顔をされる。
かと言って答えないと急かされる…
よくあるパターンだが、本当に答えに困る。
そもそもインドア派の真司には毎回のデートで違うところに行く程のリサーチ力もなく…
だが、今回は違う。
同じ目的のものを探しに行く。
しかも蓮とだ。
なんだか今の真司は、買い物デートもいいんじゃないかと思えるようになっていた。
買いに行く店が決まっていたわけではなかったので、二人で色々な店を見てまわった。
まず初めに蓮が買いに行きたがったのは、意外にマグカップ。
二人ともコーヒーが好きだからだそうだ。
蓮の家にはそれなりにカップはあったが、二人だけのカップが欲しかったようだった。
そのあとは、思いついた順に、歯ブラシやパジャマ、ついでにワイシャツも買っておいた。
はじめ、お会計は全部蓮が出そうとしていたが、真司はそれを何とか阻止して、妥協策として蓮は真司のものを、真司は蓮のものをプレゼントとして買う事にした。
いつもは冷静な蓮が、
『これはどう思う?』と聞いてくると、可愛く思え、真司が素直に答えると、嬉しそうにそちらを買う。
している事は、以前、彼女達にしていた事とほぼ同じだが、蓮のとの買い物は真司には全く違うように感じていた。
ほぼ買い物が終わったので、カフェで休憩をする事にした。
「結構買ったなー」
蓮は買い物袋の数を数えながら見る。
「買い物ってこんなに楽しかったっけ?」
蓮につられて真司も紙袋を見た。
真司は全部で4つ。
蓮は…沢山。
蓮はお泊まりセット以外も色々買っていたからだ。
「蓮って買い物好き?」
「皆んなには知られてないけど、実はな」
みんなは知らない…か…
真司は蓮の秘密を自分だけに教えてくれたようでで、嬉しかった。
みんなの前での蓮は、仕事はできて、優しくて、冷静で、おしゃれで…
でも、真司の前では、泣いたり、笑ったり、照れたり…沢山の顔を見せてくれる。
それが本当に嬉しくて、愛おしかった。
「でも、お泊りセットを買った日に使えないのは残念だな…」
残念そうにする蓮を見て、真司の胸はまたキュンとする。
この胸がくすぐったくなるような感じ、いつ以来だろう。
日々をただ過ごしていくだけだった真司にとっては、蓮との生活全てが新鮮で生きている感じがしていた。
「今度泊まりに行く時は、何着か着替え持っていってもいい?そうしたら、急に泊まることになっても大丈夫だから」
真司も本当は泊まりたかった。
だが明日出勤なのに、何もないのはさすがにまずい…
真司は泊まりたい気持ちをぐっと堪えた。
「本当に⁉︎真司が大丈夫なら、何着でも置いてってくれよ」
満面の笑みで蓮が喜ぶ。
蓮が可愛すぎる…
あー、もー、今日泊まろうかな…
真司は病欠を取ろうかと思ってしまうぐらい心が揺らいだ。
「俺も真司の家に着替え、置かせてもらおうかな。そうしたら俺もすぐに泊まれるしな」
蓮がそう言ってくれたおかげで、またすぐに蓮と泊まれると思え、真司は今日泊まりたいという気持ちを抑える事ができた。
「そういえば真司っていつもそんな感じの服、着てるんだ」
「あ、うん、こういう形の服、結構好きで…年齢的には蓮みたいにかっこよく着こなしたいけど、俺には無理だわ…」
「俺は真司の私服、物凄くいいと思うよ。髪型だってあってるし…ところで、真司、何才?」
「本当だ‼︎お互い年齢知らなかったな」
今まで気にして無かった事にびっくりした。
「俺は28。蓮は?」
「31」
「‼︎‼︎」
年齢はそんなに離れていないかと思っていたが、まさか3歳違いだとは…
3歳違いで、この仕上がりの差…
仕事もできて、蓮との色気の差…
俺って一体…
「真司、俺より大人対応だから、もう少し上かと思ってたけど、俺より下だったんだな。意外」
「意外なのは蓮の方だよ…俺にもその仕事できる力と色気が欲しい…」
蓮と釣り合うものが欲しい…
…これは、頑張るしかない‼︎
具体的に何を頑張るかわからないけど…
「俺はそのままの真司がいい。それにもっと色気がついたら…困る…」
「?どうして?」
「…他の人がよってくるかもしれないし…俺の抑えが効かなくなる…」
「……‼︎」
真司は考えもしないような蓮の返答に、一瞬、何を言っているのかわからなかったが、意味を理解すると顔が真っ赤になった。
他人がよってくるかもしれない⁉︎
それより何より、あれ以上、抑えが効かなくなるって、どういう事だ⁉︎
「だから真司…もう色気つかないで」
「‼︎‼︎」
潤んだ瞳でお願いされた真司は、欲求を抑える事が大変だった。
一番困るのは、服を買いに行った時。
彼女の後ろをずっとついて歩く…
居心地が悪くて外で待っていると、同じように彼女に連れられて、買い物を付き合わされている彼氏達が真司と同じよう退屈そうに待っている。
そして、彼女が欲しいものを見つけ、
『どっちがいい?』と聞かれた時、素直に答えても、それが彼女の思っていた答えではないと微妙ない顔をされる。
かと言って答えないと急かされる…
よくあるパターンだが、本当に答えに困る。
そもそもインドア派の真司には毎回のデートで違うところに行く程のリサーチ力もなく…
だが、今回は違う。
同じ目的のものを探しに行く。
しかも蓮とだ。
なんだか今の真司は、買い物デートもいいんじゃないかと思えるようになっていた。
買いに行く店が決まっていたわけではなかったので、二人で色々な店を見てまわった。
まず初めに蓮が買いに行きたがったのは、意外にマグカップ。
二人ともコーヒーが好きだからだそうだ。
蓮の家にはそれなりにカップはあったが、二人だけのカップが欲しかったようだった。
そのあとは、思いついた順に、歯ブラシやパジャマ、ついでにワイシャツも買っておいた。
はじめ、お会計は全部蓮が出そうとしていたが、真司はそれを何とか阻止して、妥協策として蓮は真司のものを、真司は蓮のものをプレゼントとして買う事にした。
いつもは冷静な蓮が、
『これはどう思う?』と聞いてくると、可愛く思え、真司が素直に答えると、嬉しそうにそちらを買う。
している事は、以前、彼女達にしていた事とほぼ同じだが、蓮のとの買い物は真司には全く違うように感じていた。
ほぼ買い物が終わったので、カフェで休憩をする事にした。
「結構買ったなー」
蓮は買い物袋の数を数えながら見る。
「買い物ってこんなに楽しかったっけ?」
蓮につられて真司も紙袋を見た。
真司は全部で4つ。
蓮は…沢山。
蓮はお泊まりセット以外も色々買っていたからだ。
「蓮って買い物好き?」
「皆んなには知られてないけど、実はな」
みんなは知らない…か…
真司は蓮の秘密を自分だけに教えてくれたようでで、嬉しかった。
みんなの前での蓮は、仕事はできて、優しくて、冷静で、おしゃれで…
でも、真司の前では、泣いたり、笑ったり、照れたり…沢山の顔を見せてくれる。
それが本当に嬉しくて、愛おしかった。
「でも、お泊りセットを買った日に使えないのは残念だな…」
残念そうにする蓮を見て、真司の胸はまたキュンとする。
この胸がくすぐったくなるような感じ、いつ以来だろう。
日々をただ過ごしていくだけだった真司にとっては、蓮との生活全てが新鮮で生きている感じがしていた。
「今度泊まりに行く時は、何着か着替え持っていってもいい?そうしたら、急に泊まることになっても大丈夫だから」
真司も本当は泊まりたかった。
だが明日出勤なのに、何もないのはさすがにまずい…
真司は泊まりたい気持ちをぐっと堪えた。
「本当に⁉︎真司が大丈夫なら、何着でも置いてってくれよ」
満面の笑みで蓮が喜ぶ。
蓮が可愛すぎる…
あー、もー、今日泊まろうかな…
真司は病欠を取ろうかと思ってしまうぐらい心が揺らいだ。
「俺も真司の家に着替え、置かせてもらおうかな。そうしたら俺もすぐに泊まれるしな」
蓮がそう言ってくれたおかげで、またすぐに蓮と泊まれると思え、真司は今日泊まりたいという気持ちを抑える事ができた。
「そういえば真司っていつもそんな感じの服、着てるんだ」
「あ、うん、こういう形の服、結構好きで…年齢的には蓮みたいにかっこよく着こなしたいけど、俺には無理だわ…」
「俺は真司の私服、物凄くいいと思うよ。髪型だってあってるし…ところで、真司、何才?」
「本当だ‼︎お互い年齢知らなかったな」
今まで気にして無かった事にびっくりした。
「俺は28。蓮は?」
「31」
「‼︎‼︎」
年齢はそんなに離れていないかと思っていたが、まさか3歳違いだとは…
3歳違いで、この仕上がりの差…
仕事もできて、蓮との色気の差…
俺って一体…
「真司、俺より大人対応だから、もう少し上かと思ってたけど、俺より下だったんだな。意外」
「意外なのは蓮の方だよ…俺にもその仕事できる力と色気が欲しい…」
蓮と釣り合うものが欲しい…
…これは、頑張るしかない‼︎
具体的に何を頑張るかわからないけど…
「俺はそのままの真司がいい。それにもっと色気がついたら…困る…」
「?どうして?」
「…他の人がよってくるかもしれないし…俺の抑えが効かなくなる…」
「……‼︎」
真司は考えもしないような蓮の返答に、一瞬、何を言っているのかわからなかったが、意味を理解すると顔が真っ赤になった。
他人がよってくるかもしれない⁉︎
それより何より、あれ以上、抑えが効かなくなるって、どういう事だ⁉︎
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