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第五弾
すれ違う2人 ⑤
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コーヒーショップで真司と青山が向かい合って座る。
やはり大山はイケメンで周りの視線を集める。
もっと人のいない店にすればよかったかな…
「それで、お話って…」
真司が恐る恐る聞く。
「単刀直入にお聞きします。佐々木さんはチーフと別れ話をされてるんですか?」
大山は真剣な面持ちだ。
「え‼︎‼︎してない‼︎してません!別れ話なんて…」
真司は驚きすぎて声が大きくなる。
どうして、そんな話が…
「じゃあどうして…」
大山は呟く。
「最近のチーフはおかしいんです」
「おかしいって…」
「確かに仕事は忙しくなりました。でも、チーフは何かを忘れるためだけのように仕事に没頭してるように見えるんです。かと思えばぼーっと心ここにあらずという風に外を眺めながら、辞められたはずのタバコを吸われていたり。昨日は突然飲みに行こうと誘われ、終電を逃してしまい、その日はビジネスホテルに泊まると言われたり…」
「昨日突然、飲みに誘われたんですか?一昨日から決まってたとかではなく…」
「はい。確かに昨日仕事で遅くなったのですが、その後珍しく誘われたんです」
じゃあ、朝のあのメモはなんだったんだ?
あの書き方だと、もうすでに約束しているような感じだったのに…
「チーフの様子がおかしいのは、チーフと佐々木さんの間に何かあったとしか思えません」
「それは…」
「チーフの様子がおかしくなり始めたのは、たしか1週間前ぐらいです。その辺りに何かありましたか?」
俺の前だけじゃなくて仕事場でも、蓮の様子がおかしかったのか?
一週間ほど前といえば…
「あ…」
蓮を母さんに紹介したいと言った頃だ。
「心当たりがあるんですね。佐々木さんお願いです。そのことについて、チーフと話し合っていただけませんか?」
大山は真剣な眼差しで真司を見た。
「…大山さん、どうしてそこまで…」
それほど面識のない俺にわざわざ連絡を取ってまで…
「俺、立花チーフの事が好きです」
「‼︎‼︎」
真司は大山の告白に驚き言葉を失った。
「佐々木さんとチーフが出会われる前からずっと…でも、言えなかったんです。怖くて…。俺が言えずにいる間に、チーフは佐々木さんと出会われて、お付き合いされるようになった」
「…」
「チーフは何も言われないですけど、佐々木さんとお付き合いされてから悔しいぐらい、本当に幸せそうで…だから、俺も諦めがついてたんです。でも最近のチーフは見ていられないほど辛そうです」
「…」
「もし、佐々木さんとのお付き合いが、このままチーフを辛くさせるのであれば、今度こそ俺はチーフに気持ちを伝えるつもりです」
「‼︎」
「今のままのお二人だと、二人とも辛いままです。だからきちんと話をして、きちんとこの話を終わらせてください」
そんな事を俺にわざわざ言わずに、大山さんが今の間に蓮に告白すれば大山さんはいいはずなのに、どうしてわざわざ…
「それをどうして私に?」
「俺、佐々木さんも好きなんです。あ、人としてです。チーフから色々話を聞いて、いい人なんだなって本当に思ったんです。だから、このまま二人が終わってしまうのも悲しいなって…佐々木さんは恋仇なのに、変な話ですよね」
大山が真司に笑顔を向けた。
やはり大山はイケメンで周りの視線を集める。
もっと人のいない店にすればよかったかな…
「それで、お話って…」
真司が恐る恐る聞く。
「単刀直入にお聞きします。佐々木さんはチーフと別れ話をされてるんですか?」
大山は真剣な面持ちだ。
「え‼︎‼︎してない‼︎してません!別れ話なんて…」
真司は驚きすぎて声が大きくなる。
どうして、そんな話が…
「じゃあどうして…」
大山は呟く。
「最近のチーフはおかしいんです」
「おかしいって…」
「確かに仕事は忙しくなりました。でも、チーフは何かを忘れるためだけのように仕事に没頭してるように見えるんです。かと思えばぼーっと心ここにあらずという風に外を眺めながら、辞められたはずのタバコを吸われていたり。昨日は突然飲みに行こうと誘われ、終電を逃してしまい、その日はビジネスホテルに泊まると言われたり…」
「昨日突然、飲みに誘われたんですか?一昨日から決まってたとかではなく…」
「はい。確かに昨日仕事で遅くなったのですが、その後珍しく誘われたんです」
じゃあ、朝のあのメモはなんだったんだ?
あの書き方だと、もうすでに約束しているような感じだったのに…
「チーフの様子がおかしいのは、チーフと佐々木さんの間に何かあったとしか思えません」
「それは…」
「チーフの様子がおかしくなり始めたのは、たしか1週間前ぐらいです。その辺りに何かありましたか?」
俺の前だけじゃなくて仕事場でも、蓮の様子がおかしかったのか?
一週間ほど前といえば…
「あ…」
蓮を母さんに紹介したいと言った頃だ。
「心当たりがあるんですね。佐々木さんお願いです。そのことについて、チーフと話し合っていただけませんか?」
大山は真剣な眼差しで真司を見た。
「…大山さん、どうしてそこまで…」
それほど面識のない俺にわざわざ連絡を取ってまで…
「俺、立花チーフの事が好きです」
「‼︎‼︎」
真司は大山の告白に驚き言葉を失った。
「佐々木さんとチーフが出会われる前からずっと…でも、言えなかったんです。怖くて…。俺が言えずにいる間に、チーフは佐々木さんと出会われて、お付き合いされるようになった」
「…」
「チーフは何も言われないですけど、佐々木さんとお付き合いされてから悔しいぐらい、本当に幸せそうで…だから、俺も諦めがついてたんです。でも最近のチーフは見ていられないほど辛そうです」
「…」
「もし、佐々木さんとのお付き合いが、このままチーフを辛くさせるのであれば、今度こそ俺はチーフに気持ちを伝えるつもりです」
「‼︎」
「今のままのお二人だと、二人とも辛いままです。だからきちんと話をして、きちんとこの話を終わらせてください」
そんな事を俺にわざわざ言わずに、大山さんが今の間に蓮に告白すれば大山さんはいいはずなのに、どうしてわざわざ…
「それをどうして私に?」
「俺、佐々木さんも好きなんです。あ、人としてです。チーフから色々話を聞いて、いい人なんだなって本当に思ったんです。だから、このまま二人が終わってしまうのも悲しいなって…佐々木さんは恋仇なのに、変な話ですよね」
大山が真司に笑顔を向けた。
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