俺のスパダリはギャップがすごい 〜いつも爽やかスパダリが豹変すると… 〜

俺のスパダリはギャップがすごい ー立花蓮sideー

真司の忘れ物

「それじゃあ、俺先行くね」
真司が玄関で靴を履く。
「気をつけて。俺ももう少ししたら出るよ。いってらっしゃい」

朝食を済ませ、お互い『いってきます』のキスをしてから、先に真司がマンションを出た。


さて、俺もそろそろ出ようかな？

蓮が何気なくダイニングのテーブルの上を見ると…

「‼︎真司、忘れてる‼︎」
そこには真司の鍵が忘れられていた。

俺の方が帰りが早かったらいいけど、わからないしな。
真司の職場知ってるから、近くまで持っていってから取りに来てもらったら大丈夫かな？
でも、真司の職場の人に見られないようにしないと…
さすがに鍵を渡すところを見られるのは、まずいしな…



蓮は真司が自分と一緒にいて、真司が変に思われないか？と、心配しつつ家を出た。

通勤客が多く乗車している電車を降り、蓮は真司の店へ向かう。

大丈夫かな？
俺に向けられていたような目で、真司は見られたくない…
俺といて真司、変に見られないかな？
いや、真司が俺の事を知り合いだって言えば、変な目で見られない。
大丈夫。
真司は変な目では見られない…

蓮は自分に言い聞かせるように歩いていると、

着いてしまった…

蓮自身、真司の職場に向かって歩いていたのに、いざついてしまうと足が止まる。

あ、真司。

そして、蓮の視線の先の真司は1人だけ写っていた。

今のうちに電話してしまえば、真司は誰にも合わずに鍵を受け取れる。

蓮は急いで真司に電話をかける。
何度目かの呼び出しの後、