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決意 ⑤
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部屋から見ていた園庭はどこまでも遠く、決して手が届かないと思っていたのに、今は少し手を伸ばせば生きている草花に触れることができる。
頬を撫でる風は僕が太陽の下にいることを教えてくれて、肌にあたる陽の光は自然の暖かさを感じさせてくれる。
鳥の鳴き声、花と花の間を飛び回る蝶やはち。
宮殿で閉じこもる前は当たり前にあって気づかなかった。
目には映っていても、ちゃんと意識して見てこなかった大切なもの。
もしかすると僕は、他にも目には映っていても、ちゃんと意識して見ていないことがあるのかもしれない。気付いていないことがあるかもしれない。
僕はもっといろんなところに目を向けるべきかもしれない。
そんなことを考えながら、広い園庭の奥に入っていくと、
「この先にユベール様に見ていただきたい場所があります」
クロエが指差したツタのアーチを潜りる。
クロエに案内されるがままついて行った先には、白いガゼボに鮮やかな赤い花びらをつけた花が蔦を張り巡らせていて、中に入るとガーデンテーブルと一脚のガーデンチェアーが用意されている。
そしてその傍に侍女が2人、待機していた。
「ユベール様、早速お茶にしましょ」
すでにアフタヌーンティーセットが用意されていて、クロエは僕をガーデンチェアーに座らせる。
「ちょっと待ってくださいね」
甘い香りがするハーブティーを淹れる。
お茶を淹れるのが上手だった姉様のハーブティーが、大好きだった。
ハーブの甘酸っぱい香りとともに、懐かしい記憶が蘇る。
「ケーキもたくさん用意しました。今流行りのこのフルーツケーキはいかがですか?とても美味しいと評判ですよ」
クロエはケーキタワーから、今流行りだという生クリームと果物が乗った一口サイズのケーキを皿に乗せ、僕の目の前のテーブルにハーブティーと一緒に並べて置いてくれた。
頬を撫でる風は僕が太陽の下にいることを教えてくれて、肌にあたる陽の光は自然の暖かさを感じさせてくれる。
鳥の鳴き声、花と花の間を飛び回る蝶やはち。
宮殿で閉じこもる前は当たり前にあって気づかなかった。
目には映っていても、ちゃんと意識して見てこなかった大切なもの。
もしかすると僕は、他にも目には映っていても、ちゃんと意識して見ていないことがあるのかもしれない。気付いていないことがあるかもしれない。
僕はもっといろんなところに目を向けるべきかもしれない。
そんなことを考えながら、広い園庭の奥に入っていくと、
「この先にユベール様に見ていただきたい場所があります」
クロエが指差したツタのアーチを潜りる。
クロエに案内されるがままついて行った先には、白いガゼボに鮮やかな赤い花びらをつけた花が蔦を張り巡らせていて、中に入るとガーデンテーブルと一脚のガーデンチェアーが用意されている。
そしてその傍に侍女が2人、待機していた。
「ユベール様、早速お茶にしましょ」
すでにアフタヌーンティーセットが用意されていて、クロエは僕をガーデンチェアーに座らせる。
「ちょっと待ってくださいね」
甘い香りがするハーブティーを淹れる。
お茶を淹れるのが上手だった姉様のハーブティーが、大好きだった。
ハーブの甘酸っぱい香りとともに、懐かしい記憶が蘇る。
「ケーキもたくさん用意しました。今流行りのこのフルーツケーキはいかがですか?とても美味しいと評判ですよ」
クロエはケーキタワーから、今流行りだという生クリームと果物が乗った一口サイズのケーキを皿に乗せ、僕の目の前のテーブルにハーブティーと一緒に並べて置いてくれた。
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