【完結】たとえ彼の身代わりだとしても貴方が僕を見てくれるのならば… 〜初恋のαは双子の弟の婚約者でした〜

葉月

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買い物 ①

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 ここ数日、気候が安定しミカの体調も落ち着いてきたので、サイモンが自分の邸宅に帰る前日、僕達は馬車に乗って、街に出かけた。

 ミカは買い物が大好きで、色々なお店に入っては買い物をし、僕とサイモンはその後ろをついていく。
 そこでなぜかミカは小さな柑橘系の実がなる苗木を買っていた。
「どうして苗木なんて買うの?」と聞いたけれど「内緒」と笑顔で誤魔化された。
 ミカが笑えば周りの人たちも笑顔になる。
 本当にミカの笑顔は魔法みたい。
 ミカは自然とサイモンと腕を組み、僕の前を歩く。
 後から2人の姿を見つめると、胸がギュッと痛くなる。

 でも僕は城主になる。
 これぐらいのことで苦しくなってはいけない。
「ねぇミカ、僕行きたいお店があるから、行ってきてもいい?」
 ミカとサイモンの後を歩いていた僕が、2人に話しかけた。
「みんなで行かないの?」
 不思議そうにミカが言う。
「うん。長くなりそうだから、僕1人で行きたいんだ。それじゃあね」
 僕は2人の答えを聞く前にきびすを返し、使用人と一緒に店に向かった。

「レオナルド様、いらっしゃいませ」
 店のドアを開けると、カウンター内にいた老店主が出てきた。
「いつもいいお茶を調合してくれて、ありがとうございます。ここのお茶を飲むと、ミカの咳も軽くなるみたいなんです」
 咳がひどい時、ミカに淹れてあげるお茶は、このお茶専門店でミカように調合してもらったお茶。
 薬が苦手なミカも、ここのお茶だと甘く柑橘系の香りがいいと、嫌がらずに飲んでくれる。

「いつものお茶、すぐに用意いたします」
 手際よく茶葉を調合してくれ、手渡してくれる。
「そういえば、子供とオメガだけが重症化する流行病が出回っていることをご存知ですか?」
「いえ、初耳です」
「ここ一ヶ月ぐらい前から少しずつ流行りはじめたんです」
「どんな症状なんですか?」
「大人は軽い風邪のような症状なのですが、子供と大人でもオメガの場合は嘔吐を繰り返し、高熱を出しなかなか下がらず脳炎になる場合も少なくないと。またオメガの場合はこの流行病の高熱のせいで、子供を授かりにくくなっているとも聞きます。まだ感染ルートがわからず、どう予防すればいいかが今の問題なんです」
 予防の仕方がわからない。
 ただでさえミカは体が弱いのに、やっと体調が戻ったところ。

 もしこの流行病にでかかってしまったら、重症化してしまうかもしれない。
 僕と使用人は店主にお礼を言い、急いで帰るためミカとサイモン達を探ことにした。
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