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デート ③
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美味しい香に誘われて、一軒ずつ屋台を回っていると、一軒だけ食べ物とは違う、爽やかな香りがする店があった。
なんだろう?
店に並べられた商品を見ると、そこには深い青色にキラキラと光るガラスが埋め込まれた小瓶に入っている香油が並んでいる。
一瓶手に取り香りを嗅ぐと、とても濃厚なバラの匂いがする。
「わぁ、すっごくいい香りがする」
今度は大きく息を吸い込み、香りを嗅ぐと吸った空気が全部薔薇になった気がした。
「お目が高いね」
中で本を読んでいた50代ぐらいの女の人が、本から目を上げ僕を見た。
「その薔薇の製油、気に入ったかい?」
僕が手にしていた小瓶を指差す。
「それは特別な製油で、一滴の中に薔薇の花が50本も入っているんだ」
「50本も?」
50本といえば、両手で抱えてもたないと持てない量。
「しかも厳選された薔薇で、収穫時期も20~40日ぐらいしかなくて、巷では幻の小瓶と言われているんだよ」
どうりで特別な香りがするんだ。
そんな幻の製油に出会ったんだ。自分のお金で買えないだろうか?
値札についている数字を数える。
0が1、2、3、4、5、6……。
中指ほどの小瓶なのに、僕の所持金を遥かにこえる金額。
厳選されている製油。高額になっても仕方ないか……。
諦めようとした時、
「これが欲しい?」
後で僕と店主の女の人とのやり取りを聞いていたサイモンが、話しかけてきた。
「ううん」
所持金が足りないなら、欲しくたって買えない。
「買ってあげようか?」
「ううん、大丈夫。サイモン、他の商品も見ていい?」
「それはもちろんいいけど、本当にいいの?」
念押しするサイモンに対して大きく頷くと、サイモンは「好きなだけ見るといいよ」と頭をなでてくれた。
やっぱり目を引くのはあの特別な小瓶だけれど、僕の所持金で買えるものを探そう。
他の商品をよくよく見ると、蝋燭の中に花びらが一緒に練り込まれている物や、もっと大きな瓶が置いてある。
「この瓶の中には何が入っているの?」
「それは花の香りがするマッサージオイルだよ。香りに癒されながら肌がスベスベになるって、最高じゃないかい?ほら手を出してごらん」
言われるがまま手を出すと、瓶からとろりと薔薇の香りがするオイルを出し、手の甲にのせマッサージしてくれる。
オイルを塗られたところはほのかに暖かくなり、いい香りも広がる。
「触ってごらん」
さっきマッサージしてもらったところに触れると、肌が吸い付くように滑らかだ。
「サイモン、これ凄いよ!こんなにスベスベする。ほら」
そっとサイモンが触ると、よほど気持ちよかったのか、何度も手の甲を摩る。
サイモンの顔つきも、大人なキスをする前みたいになっていって、なんだかとてもぞくぞく気持ちいい。
ずっと触られてたら、変な気持ちになってしまいそう。
外でしかも店主さんの前で、そんな気持ちになるなんて!
サッと手を引くと、サイモンもハッと我に返ったような顔をした。
「ね、効果抜群。これ、ラベンダーの香りあっておすすめだよ。今2本買ってくれたら値引きするよ」
提示された金額を見ると、僕の所持金でも買える金額。
「じゃあ、2本ください」
「お買い上げありがとね」
僕からお金を受け取り、袋にいれた商品を手渡してくれた時、
「はい、これはおまけ。この飴は旦那と2人っきりの時に、食べるんだよ」
と一粒ずつ白い紙で梱包された飴が袋の中に数個入った物を、サイモンには気付かれないように渡してくれた。
「ありがとう」
僕もサイモンに気づかれないように小声でお礼を言うと、店を後にした。
なんだろう?
店に並べられた商品を見ると、そこには深い青色にキラキラと光るガラスが埋め込まれた小瓶に入っている香油が並んでいる。
一瓶手に取り香りを嗅ぐと、とても濃厚なバラの匂いがする。
「わぁ、すっごくいい香りがする」
今度は大きく息を吸い込み、香りを嗅ぐと吸った空気が全部薔薇になった気がした。
「お目が高いね」
中で本を読んでいた50代ぐらいの女の人が、本から目を上げ僕を見た。
「その薔薇の製油、気に入ったかい?」
僕が手にしていた小瓶を指差す。
「それは特別な製油で、一滴の中に薔薇の花が50本も入っているんだ」
「50本も?」
50本といえば、両手で抱えてもたないと持てない量。
「しかも厳選された薔薇で、収穫時期も20~40日ぐらいしかなくて、巷では幻の小瓶と言われているんだよ」
どうりで特別な香りがするんだ。
そんな幻の製油に出会ったんだ。自分のお金で買えないだろうか?
値札についている数字を数える。
0が1、2、3、4、5、6……。
中指ほどの小瓶なのに、僕の所持金を遥かにこえる金額。
厳選されている製油。高額になっても仕方ないか……。
諦めようとした時、
「これが欲しい?」
後で僕と店主の女の人とのやり取りを聞いていたサイモンが、話しかけてきた。
「ううん」
所持金が足りないなら、欲しくたって買えない。
「買ってあげようか?」
「ううん、大丈夫。サイモン、他の商品も見ていい?」
「それはもちろんいいけど、本当にいいの?」
念押しするサイモンに対して大きく頷くと、サイモンは「好きなだけ見るといいよ」と頭をなでてくれた。
やっぱり目を引くのはあの特別な小瓶だけれど、僕の所持金で買えるものを探そう。
他の商品をよくよく見ると、蝋燭の中に花びらが一緒に練り込まれている物や、もっと大きな瓶が置いてある。
「この瓶の中には何が入っているの?」
「それは花の香りがするマッサージオイルだよ。香りに癒されながら肌がスベスベになるって、最高じゃないかい?ほら手を出してごらん」
言われるがまま手を出すと、瓶からとろりと薔薇の香りがするオイルを出し、手の甲にのせマッサージしてくれる。
オイルを塗られたところはほのかに暖かくなり、いい香りも広がる。
「触ってごらん」
さっきマッサージしてもらったところに触れると、肌が吸い付くように滑らかだ。
「サイモン、これ凄いよ!こんなにスベスベする。ほら」
そっとサイモンが触ると、よほど気持ちよかったのか、何度も手の甲を摩る。
サイモンの顔つきも、大人なキスをする前みたいになっていって、なんだかとてもぞくぞく気持ちいい。
ずっと触られてたら、変な気持ちになってしまいそう。
外でしかも店主さんの前で、そんな気持ちになるなんて!
サッと手を引くと、サイモンもハッと我に返ったような顔をした。
「ね、効果抜群。これ、ラベンダーの香りあっておすすめだよ。今2本買ってくれたら値引きするよ」
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「じゃあ、2本ください」
「お買い上げありがとね」
僕からお金を受け取り、袋にいれた商品を手渡してくれた時、
「はい、これはおまけ。この飴は旦那と2人っきりの時に、食べるんだよ」
と一粒ずつ白い紙で梱包された飴が袋の中に数個入った物を、サイモンには気付かれないように渡してくれた。
「ありがとう」
僕もサイモンに気づかれないように小声でお礼を言うと、店を後にした。
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