【完結】たとえ彼の身代わりだとしても貴方が僕を見てくれるのならば… 〜初恋のαは双子の弟の婚約者でした〜

葉月

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恐れていたこと ②

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「ルーカス様から聞いた。でもその前から気づいていた。|レオ〈・・〉俺が何も気づかなかったと思うのか?レオがミカの振りをしていること、気づいてなかったと思うのか?」
 冷たい声色に視線を投げつけられて、体が凍ったように血の気が引き冷たくなり動かない。なのに鼓動はとてつもなく速い。

 サイモンは僕がミカの偽者、レオナルドだと気づいてた!?
 いつから?いつから気づいてた?
 今までのことを振り返っても、サイモンは僕のことを疑う素振りはなかったのに……。
 サイモンは僕が嘘をついていると気づきながら、僕をミカとして接してくれていたってこと?
 なんのために?
 僕が必死になって嘘をついていたから?

「遠くに行くってどういう事だ?番になりたいと言ってくれたのは嘘だったのか!?本当は俺と番になんて、なりたくなかったのか!?」
 いつも冷静なサイモンが大きな声を出し、恐怖で体がビクッと震える。

「嘘じゃ……ない……」

 嘘じゃない。
 本当にサイモンと番になりたい。
 けれど、あんな嘘をついてしまっていて、信用してもらえるはずがない。

「じゃあどういうことなのか、聞かせてもらおう。どうして俺と結婚したのか?」
 サイモンの鋭い視線が針となって、全身に突き刺さるようだ。

 答えなければ。僕がしてきた全てを、話さなくては。
 全身がガタガタと震えているけれど、手足に力を入れてなんとか立ったままでいられた。

 いつか言わないといけないと思っていた真実。
 でもサイモンとの日々が幸せすぎて、本当のことを言えば全て失うと思うと言えなかった。

 サイモンは僕にずっと嘘をつかれ、怒りしかないと思う。
 何もかもが壊れてしまった。
 サイモンを深く傷つけてしまったのは、僕だ。

「僕がカトラレル家と、もうすぐ生まれてくる僕の妹か弟を守らなければならなかった」
「オリバー家とカトラレル家との約束のことを言っているのなら、レオが『生き残ったのはミカで、死んだのはレオだ』と言い切った時、俺は結婚しなくても家同士の約束は守ると言ったはずだ。あの時、俺に本当のことが言えたんじゃないか?」
「……」

 サイモンの言う通り、あの時、サイモンは家同士の約束を守ってくれると言った。
 でも僕はそこでサイモンとの繋がりがなくなるのが、怖かった。
 だから自分のことをミカだと言い張った。
 たとえ自分が死んだことになっていても、サイモンのそばにいられるなら、それで構わないと思った。

「結婚式の夜、俺と番になれないと言ったのは?」
「サイモンの本当の婚約者はミカだったから」

 あの時、本当にサイモンと番になりたかった。
 けれど、僕はレオナルド。
 ミカじゃない。
 もしそのことにサイモンが気づいた時、サイモンはどう思うだろう?
 ミカはどう思うだろう?
 本当はサイモンの隣りにいるのはミカだったから……。
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