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求婚 ②
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サイモンと宮殿に呼び出された時、ルーカス様は僕に『妃になれ』と強制されていたけれど、今は答えを僕に委ねてくださっている。
「番になっていなかったとはいえ、僕は一度結婚したことのあるオメガです。帝国の第二王子様という高貴なお方が、一度結婚したオメガを妃にするのは、おかしな話です」
「だがレオはずっとそばにいてくれると言ったではないか」
「それは参謀としてです。妃ではありません」
「俺はレオには妃としても、参謀としてもそばにいて欲しい」
「それはまたわがままですね」
「王族の特権だと思ってくれ」
「ずるい特権ですね」
「王族だからな……。なぁレオ、俺の妃になってくれ」
今日のルーカス様はやけに食い下がる。
「僕、まだサイモンのことを愛しています」
「!」
「サイモン以外を愛することもないでしょう。僕を妃にすれば愛のない生活になります。それでも僕を妃にしたいですか?」
ルーカス様は苦しげな表情をしてから、
「それでもレオがいい」
と答えた。
「レオの愛がサイモンに向いていたとしても、俺を見てくれていないとしても、俺はレオが隣りにいてほしい。お願いだレオ。うんと頷いてくれ」
あのいつも凛々しく気高いルーカス様が今にも泣きそうになっている。
でも僕は首を横にふる。
「ではこれが命令だとしても?命令に背けばカトラレル家とサイモンとオリバー家を潰すといってもか?」
どうしてルーカス様が、そこまで僕に固執するのかわからない。意地になっているのかもしれない。僕を脅してまで妃にしたい気持ちがわからない。
ただわかることは、今、ルーカス様の心はずっと泣いている。
ルーカス様は王族。妃が何人いてもかまわない。
もしルーカス様が心から愛する人と出逢った時、僕は妃の座から退きルーカス様とお妃様を支えよう。
「ルーカス様。どうしてそんな悲しいことを言われるんですか?自分で自分を苦しめるのですか?」
「俺はレオといられるなら、全て捨ててもいい」
「一つだけお願いがあります」
「なんだ」
「ルーカス様が心から愛する人と出逢われた時、僕を妃の座からおろしてください。それが僕からのお願いです」
ルーカス様は口角を下げ、唇を噛んだ後
「わかった。約束する……」
そう言い、僕の膝の上で静かに目を閉じられた。
「番になっていなかったとはいえ、僕は一度結婚したことのあるオメガです。帝国の第二王子様という高貴なお方が、一度結婚したオメガを妃にするのは、おかしな話です」
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「俺はレオには妃としても、参謀としてもそばにいて欲しい」
「それはまたわがままですね」
「王族の特権だと思ってくれ」
「ずるい特権ですね」
「王族だからな……。なぁレオ、俺の妃になってくれ」
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「サイモン以外を愛することもないでしょう。僕を妃にすれば愛のない生活になります。それでも僕を妃にしたいですか?」
ルーカス様は苦しげな表情をしてから、
「それでもレオがいい」
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「レオの愛がサイモンに向いていたとしても、俺を見てくれていないとしても、俺はレオが隣りにいてほしい。お願いだレオ。うんと頷いてくれ」
あのいつも凛々しく気高いルーカス様が今にも泣きそうになっている。
でも僕は首を横にふる。
「ではこれが命令だとしても?命令に背けばカトラレル家とサイモンとオリバー家を潰すといってもか?」
どうしてルーカス様が、そこまで僕に固執するのかわからない。意地になっているのかもしれない。僕を脅してまで妃にしたい気持ちがわからない。
ただわかることは、今、ルーカス様の心はずっと泣いている。
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もしルーカス様が心から愛する人と出逢った時、僕は妃の座から退きルーカス様とお妃様を支えよう。
「ルーカス様。どうしてそんな悲しいことを言われるんですか?自分で自分を苦しめるのですか?」
「俺はレオといられるなら、全て捨ててもいい」
「一つだけお願いがあります」
「なんだ」
「ルーカス様が心から愛する人と出逢われた時、僕を妃の座からおろしてください。それが僕からのお願いです」
ルーカス様は口角を下げ、唇を噛んだ後
「わかった。約束する……」
そう言い、僕の膝の上で静かに目を閉じられた。
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