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監視
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ターニャは長いワンピースの裾を持ち上げ、いそいそと部屋の隅に移動した。そして植物の装飾が施されたキャビネットの上に置いてある鳥型の不可解な機械を手にした。ターニャは満面の笑みでベッドサイドまで戻ってくる。
カルミアは首を傾げた。こんな物、昨日まであったっけ?
「カルミア様!この機械があればギルバート様に簡単に連絡が取れますよ」
「...それは?」
「最近イディア商工の機械部門で発売された、最新型の通話機器です。これ凄いんですよ。二羽一組で売られているんですけど、鳥の頭についているこの小さなボタンを押せば、嘴から相手の声が聞こえてくる法術みたいな機械なんです。今朝、狩猟に出かける前に、カルミア様のお部屋にギルバート様が訪れて、この機械を置いて行かれました。寂しくなったら何時でも連絡して、とおっしゃっていました。カルミア様愛されていますね!」
カルミアは機械をまじまじと見る。前世の世界で言う所の、電話という奴だろうか。最近、アーダルベルト王国は著しく技術が発展していると聞いた。その内、高層の建物が並び、街中に仕組みの分からない機械が溢れるようになるかも知れない。長谷川樹が暮らしていた日本みたいに。
カルミアはターニャから鳥型の機械を受け取った。目の部分に宝石が組み込まれているのか、虹色の輝きを放っている。
「ちなみに鳥の目に石が組み込まれているんですけど、これはただの石ではなくて、法石なんです。そこから相手の様子を写して、向こうの機械で見れるようになっています。通話機能だけでなく監視機能までついているって凄いですよね!高価な商品を取り扱う貴族向けのお店が、盗難防止に次々購入されていて...」
ターニャの言葉が遮らるように、後ろで大きな音が響く。ターニャは油の切れた機械のように、ぎこちなく後ろを向いた。壁目掛けて投げられた鳥の機械が無残に床に転がっている。ちなみに機械を投げたのは、カルミアだった。カルミアは真っ赤な顔をしながら、肩で息をしている。
機械は思いの他強度があるらしく、傷一つついていない。
「足枷では足りないのかよ!!どこまでギルは僕を縛り上げたら気が済むんだよ!」
「...あの、カルミア様。お怒りのところ大変申し上げにくいのですが、あの機械は表面が鉄鋼で覆われているので、あれくらいの衝撃では壊れないようになっているんです」
ターニャの言葉にカルミアはうな垂れた。
昨晩、ギルバートに自由を乞わなければ良かった。自由になるどころか、状況がますます酷くなっている。
(足枷に加えて、今度は監視だって?あの機械の先で、ギルは僕の様子を見て、ほくそ笑んでいるんだろうね。ギルは正気の沙汰じゃない。狂ってるよ)
静かに怒りを燃やしているカルミアに、ターニャはおろおろと狼狽えた。
「カルミア様。ターニャ、何かお気に召さない事でもいいましたか?」
「言ってないよ。ターニャは悪くない。それよりもあの機械で、至急、ギルに部屋に来るように伝えて欲しい」
「は、はい!!」
ターニャが慌てた様子で機械を取に行く。
カルミアはそんなターニャの様子をぼんやりと見て、後悔するように瞼を閉じた。
ーー僕が歩みたかった人生は、こんな人生だったのかな。
カルミアは首を傾げた。こんな物、昨日まであったっけ?
「カルミア様!この機械があればギルバート様に簡単に連絡が取れますよ」
「...それは?」
「最近イディア商工の機械部門で発売された、最新型の通話機器です。これ凄いんですよ。二羽一組で売られているんですけど、鳥の頭についているこの小さなボタンを押せば、嘴から相手の声が聞こえてくる法術みたいな機械なんです。今朝、狩猟に出かける前に、カルミア様のお部屋にギルバート様が訪れて、この機械を置いて行かれました。寂しくなったら何時でも連絡して、とおっしゃっていました。カルミア様愛されていますね!」
カルミアは機械をまじまじと見る。前世の世界で言う所の、電話という奴だろうか。最近、アーダルベルト王国は著しく技術が発展していると聞いた。その内、高層の建物が並び、街中に仕組みの分からない機械が溢れるようになるかも知れない。長谷川樹が暮らしていた日本みたいに。
カルミアはターニャから鳥型の機械を受け取った。目の部分に宝石が組み込まれているのか、虹色の輝きを放っている。
「ちなみに鳥の目に石が組み込まれているんですけど、これはただの石ではなくて、法石なんです。そこから相手の様子を写して、向こうの機械で見れるようになっています。通話機能だけでなく監視機能までついているって凄いですよね!高価な商品を取り扱う貴族向けのお店が、盗難防止に次々購入されていて...」
ターニャの言葉が遮らるように、後ろで大きな音が響く。ターニャは油の切れた機械のように、ぎこちなく後ろを向いた。壁目掛けて投げられた鳥の機械が無残に床に転がっている。ちなみに機械を投げたのは、カルミアだった。カルミアは真っ赤な顔をしながら、肩で息をしている。
機械は思いの他強度があるらしく、傷一つついていない。
「足枷では足りないのかよ!!どこまでギルは僕を縛り上げたら気が済むんだよ!」
「...あの、カルミア様。お怒りのところ大変申し上げにくいのですが、あの機械は表面が鉄鋼で覆われているので、あれくらいの衝撃では壊れないようになっているんです」
ターニャの言葉にカルミアはうな垂れた。
昨晩、ギルバートに自由を乞わなければ良かった。自由になるどころか、状況がますます酷くなっている。
(足枷に加えて、今度は監視だって?あの機械の先で、ギルは僕の様子を見て、ほくそ笑んでいるんだろうね。ギルは正気の沙汰じゃない。狂ってるよ)
静かに怒りを燃やしているカルミアに、ターニャはおろおろと狼狽えた。
「カルミア様。ターニャ、何かお気に召さない事でもいいましたか?」
「言ってないよ。ターニャは悪くない。それよりもあの機械で、至急、ギルに部屋に来るように伝えて欲しい」
「は、はい!!」
ターニャが慌てた様子で機械を取に行く。
カルミアはそんなターニャの様子をぼんやりと見て、後悔するように瞼を閉じた。
ーー僕が歩みたかった人生は、こんな人生だったのかな。
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