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【とらんす!1章・フシギなヘンカ】
『とらんす! 1-1・異世界にきたら、ちっちゃくなっちゃって!?』
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T1-1
アイネがいた異世界、其処は私達のいる世界と大差ないと以前言っていた。電力なんかの代わりに魔法が発展した様な世界らしい。
逆に今回私が来た異世界は、それこそイメージ通りの世界らしい。妖精がいてエルフがいて魔物がいて、剣と魔法があって、街並みは何処を見渡してもレンガ造り。そんな世界に私が来た理由は一つ、鈴菜先輩を探す為。
スノウもとい鈴菜先輩との一件。私とアイネは鈴菜先輩を追い詰めたけれども寸前で彼女を逃がしてしまい、その際に私は呪いをかけられてしまった。
アイネとの契約は解けてめでたく元の身体に戻れたと思っていたら、今度は鈴菜先輩の呪いのせいでまたおかしな身体に変わってしまった。しかも今まで違って下半身には、絶えず男性器が生えてしまっている状態で。
それを何とかするために呪いをかけた張本人である鈴菜先輩を追ってきたのだけれども。
道行く人々がみんな私の方を見ているのが分かって。私はそれを自然と見上げる形になっていて。
その理由は簡単だ。私は自分の手を見て、そして石畳に出来た水たまりを覗き込む。
「えぇぇ……」
そこにはアイネとさほど変わらない幼い姿の少女が写り込んでいた。
【フタリなクエスト とらんす!】
作者・さたたまさけけ
信じられないけれど、その水たまりに映っている幼い少女が私らしい。身長は多分130cmかそこらで、街並みはかなり大きく見える。手元を見ても幼い子供らしい手をしている。
幼女になってしまった。
何故? と思っても理由は分からない。周りを見渡してもアイネの姿はなくて誰も答えてくれそうにない。異世界に来る際に魔法が変な効果を発揮してしまったのかもしれない。
「うーん……でも、本当に来たんだ異世界」
そう、異世界。
鈴菜先輩が逃げ込んだであろう別の世界に当たりをつけて、アイネは魔法でその世界に行くと言った。
私はそれに付いていくと言って、そうしてアイネの魔法で異世界まで飛んできた。
そこまでは良かったのだけれども。
「アイネはいないし、身体はちっちゃくなってるし……」
周りを見渡してみても見知らぬ光景、というか世界になっていて。
石畳にレンガ造りの建物。まるでゲームの西洋ファンタジーを思わせる中世風の服装。そして様々な髪色をした女性達が私の方に視線をやりながら何人も通り過ぎていって。
「んん?」
そこで私は気が付いた。先程から女性の姿しか見えない。というよりも全員が同じ年齢くらいの若い女性の姿ばかりだ。
「たまたまかな……」
とにかくアイネを探して合流しないと。そもそもアイネは私の姿を見て私だって気が付いてくれるだろうか。あまりにも幼く変わっていて、見ただけでは分からないかもしれない。
「ねぇ?」
そう声をかけられて私は振り返る。其処に立っていたのはアイネではなくて、見知らぬ女性だった。見た目的に歳は二十歳前後くらいで、癖毛混じりでボブカットの様になっているピンク色の髪が印象的だ。背が女性にしては高めで手足がスラっと長く細い。
「何か困ってる? もしかして迷子かな?」
彼女にそう聞かれて私はつい頷いた。どうやら言葉は通じるみたいだ。
私の反応を見て彼女は少し微笑んで。
「私はノンノ、家が直ぐ近くにあるからおいでよ。私のお母さんはこの辺じゃ顔が広いんだ。もし誰かを捜しているなら力になれると思うよ?」
なんて親切な申し出だろう、と私は思った。右も左も何もかも分からず途方に暮れていた所に差し伸べられた救いの手だ。
私はノンノに向けて頷いて言う。
「ありがとう、連れとはぐれてしまってとても困っていて……」
「気にしないで、こっちだよ」
ノンノが私の手を引いた。その表情が大層楽しそうで私は親切な人に出会えたなぁと嘆息する。
彼女に手を引かれてファンタジーの様な街並みを歩く。市場の様な場所を抜けていくと見た事のない派手な色の果物が山の様にカゴに並んでいて、傍にはオウムの様な毛色をした鳥が並ぶ。
それを買う為にやり取りしている硬貨も見た事ないものだった。
人々の着ている絹や木綿らしき服も色遣いや装飾が独特でやはり異世界に来たのだと感じさせる。
そんな中、市場の端っこに木組みの檻があるのが気になった。
大きさとして大型犬くらい入りそうな大きな物。中にもそれくらいの大きさの物が入っていたけれど、白い布が巻かれている様でそれがなんであるかは分からなかった。ただ中で動いているのが分かる。
「どうしたの?」
私が足を止めて眺めてしまっていたので、ノンノが私に問いかける。
「あれは?」
私が尋ねたのが木組みの檻の事であると気が付いた後、彼女は少し答えに迷った素振りで。
「家で飼う為のやつだね」
「……? 犬とか?」
「そのうち分かるよ、それより直ぐ家だから行こっか」
返事をはぐらかされた様な気もしたけれど、彼女の力強く手を引かれて私はそのまま付いていった。彼女は先程よりも足早で私の小さな体で付いていくのは大変で。
少し歩くとノンノの家に着いた。木製の二階建ての家で中に招き入れられる。奥に進む様に言われて寝室まで連れていかれる。
「ベッドに座ってて? 今お茶を持ってくるから」
そう言われて待っていると、ティーカップは運ばれてきた。陶器があるようだし、私達の時代と照らし合わせるといつ頃くらいの文明レベルなのだろうか。そんな事を考えながら私は口を付けた。
「っ?」
舌の先にピリリと走る刺激があって驚きから勢いよく口の中のお茶を呑み込んでしまう。それと同時に手の先が震えて私はティーカップを床に落とした。
なんだか妙な、全身の動きが鈍るような、痺れるような。
ノンノがそんな私の前に立って。そしてその表情に満面の笑みを浮かべる。
「こんな所で手にはいるなんて運が良かったよね」
「な……に……言って」
痺れてしまったような感覚で身体が上手く動かない。指先まで重たくて、触れているシーツの感触すらよく分からない。
突然ノンノに肩を突き飛ばされてベッドの上に倒される。上手く身体が動かなくて私は必死にもがこうとする。彼女がその舌で彼女の唇を舐めるとこういった。
「お姉さんとイイ事しよっか、ね?」
アイネがいた異世界、其処は私達のいる世界と大差ないと以前言っていた。電力なんかの代わりに魔法が発展した様な世界らしい。
逆に今回私が来た異世界は、それこそイメージ通りの世界らしい。妖精がいてエルフがいて魔物がいて、剣と魔法があって、街並みは何処を見渡してもレンガ造り。そんな世界に私が来た理由は一つ、鈴菜先輩を探す為。
スノウもとい鈴菜先輩との一件。私とアイネは鈴菜先輩を追い詰めたけれども寸前で彼女を逃がしてしまい、その際に私は呪いをかけられてしまった。
アイネとの契約は解けてめでたく元の身体に戻れたと思っていたら、今度は鈴菜先輩の呪いのせいでまたおかしな身体に変わってしまった。しかも今まで違って下半身には、絶えず男性器が生えてしまっている状態で。
それを何とかするために呪いをかけた張本人である鈴菜先輩を追ってきたのだけれども。
道行く人々がみんな私の方を見ているのが分かって。私はそれを自然と見上げる形になっていて。
その理由は簡単だ。私は自分の手を見て、そして石畳に出来た水たまりを覗き込む。
「えぇぇ……」
そこにはアイネとさほど変わらない幼い姿の少女が写り込んでいた。
【フタリなクエスト とらんす!】
作者・さたたまさけけ
信じられないけれど、その水たまりに映っている幼い少女が私らしい。身長は多分130cmかそこらで、街並みはかなり大きく見える。手元を見ても幼い子供らしい手をしている。
幼女になってしまった。
何故? と思っても理由は分からない。周りを見渡してもアイネの姿はなくて誰も答えてくれそうにない。異世界に来る際に魔法が変な効果を発揮してしまったのかもしれない。
「うーん……でも、本当に来たんだ異世界」
そう、異世界。
鈴菜先輩が逃げ込んだであろう別の世界に当たりをつけて、アイネは魔法でその世界に行くと言った。
私はそれに付いていくと言って、そうしてアイネの魔法で異世界まで飛んできた。
そこまでは良かったのだけれども。
「アイネはいないし、身体はちっちゃくなってるし……」
周りを見渡してみても見知らぬ光景、というか世界になっていて。
石畳にレンガ造りの建物。まるでゲームの西洋ファンタジーを思わせる中世風の服装。そして様々な髪色をした女性達が私の方に視線をやりながら何人も通り過ぎていって。
「んん?」
そこで私は気が付いた。先程から女性の姿しか見えない。というよりも全員が同じ年齢くらいの若い女性の姿ばかりだ。
「たまたまかな……」
とにかくアイネを探して合流しないと。そもそもアイネは私の姿を見て私だって気が付いてくれるだろうか。あまりにも幼く変わっていて、見ただけでは分からないかもしれない。
「ねぇ?」
そう声をかけられて私は振り返る。其処に立っていたのはアイネではなくて、見知らぬ女性だった。見た目的に歳は二十歳前後くらいで、癖毛混じりでボブカットの様になっているピンク色の髪が印象的だ。背が女性にしては高めで手足がスラっと長く細い。
「何か困ってる? もしかして迷子かな?」
彼女にそう聞かれて私はつい頷いた。どうやら言葉は通じるみたいだ。
私の反応を見て彼女は少し微笑んで。
「私はノンノ、家が直ぐ近くにあるからおいでよ。私のお母さんはこの辺じゃ顔が広いんだ。もし誰かを捜しているなら力になれると思うよ?」
なんて親切な申し出だろう、と私は思った。右も左も何もかも分からず途方に暮れていた所に差し伸べられた救いの手だ。
私はノンノに向けて頷いて言う。
「ありがとう、連れとはぐれてしまってとても困っていて……」
「気にしないで、こっちだよ」
ノンノが私の手を引いた。その表情が大層楽しそうで私は親切な人に出会えたなぁと嘆息する。
彼女に手を引かれてファンタジーの様な街並みを歩く。市場の様な場所を抜けていくと見た事のない派手な色の果物が山の様にカゴに並んでいて、傍にはオウムの様な毛色をした鳥が並ぶ。
それを買う為にやり取りしている硬貨も見た事ないものだった。
人々の着ている絹や木綿らしき服も色遣いや装飾が独特でやはり異世界に来たのだと感じさせる。
そんな中、市場の端っこに木組みの檻があるのが気になった。
大きさとして大型犬くらい入りそうな大きな物。中にもそれくらいの大きさの物が入っていたけれど、白い布が巻かれている様でそれがなんであるかは分からなかった。ただ中で動いているのが分かる。
「どうしたの?」
私が足を止めて眺めてしまっていたので、ノンノが私に問いかける。
「あれは?」
私が尋ねたのが木組みの檻の事であると気が付いた後、彼女は少し答えに迷った素振りで。
「家で飼う為のやつだね」
「……? 犬とか?」
「そのうち分かるよ、それより直ぐ家だから行こっか」
返事をはぐらかされた様な気もしたけれど、彼女の力強く手を引かれて私はそのまま付いていった。彼女は先程よりも足早で私の小さな体で付いていくのは大変で。
少し歩くとノンノの家に着いた。木製の二階建ての家で中に招き入れられる。奥に進む様に言われて寝室まで連れていかれる。
「ベッドに座ってて? 今お茶を持ってくるから」
そう言われて待っていると、ティーカップは運ばれてきた。陶器があるようだし、私達の時代と照らし合わせるといつ頃くらいの文明レベルなのだろうか。そんな事を考えながら私は口を付けた。
「っ?」
舌の先にピリリと走る刺激があって驚きから勢いよく口の中のお茶を呑み込んでしまう。それと同時に手の先が震えて私はティーカップを床に落とした。
なんだか妙な、全身の動きが鈍るような、痺れるような。
ノンノがそんな私の前に立って。そしてその表情に満面の笑みを浮かべる。
「こんな所で手にはいるなんて運が良かったよね」
「な……に……言って」
痺れてしまったような感覚で身体が上手く動かない。指先まで重たくて、触れているシーツの感触すらよく分からない。
突然ノンノに肩を突き飛ばされてベッドの上に倒される。上手く身体が動かなくて私は必死にもがこうとする。彼女がその舌で彼女の唇を舐めるとこういった。
「お姉さんとイイ事しよっか、ね?」
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