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第五話 わたし、島を出ます! (15)
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◆◆◆
念のために事前に警戒の要請をしておいて正解だった、そんな思いを響かせながらルイスは胸を撫で下ろした。
その思いと感謝と共に、去っていく戦闘機の部隊を見送っていると、ヴィーが声をかけてきた。
「ルイス、中に潜り込んでいたアレの気配を事前に感じ取れたか?」
ルイスが首を振ると、ヴィーは再び口を開いた。
「やはりか。ならば、アレに対しての認識は同じだと思っていいな?」
ルイスが「ああ」と答えると、ヴィーは再び口を開いた。
「恐ろしく小さいか、それとも恐ろしく擬態が上手いか。どちらにしても、敵は『最強の素質』を備えているはずだ」
ヴィーは言葉を続けた。
「あらかじめ配置しておいたヒルデの精霊は奇襲でほとんどがやられた。しかも、中から乗っ取られるというやり方でだ」
これに対し、ルイスは言葉を付け加えた。
「しかしヒルデの精霊が身代わりになってくれたおかげで、兵士への被害が少なかったとも言える。なんにしても助かった」
そう言ったあと、ルイスはヴィーがまだ知らない情報を提示することにした。
「……アレの残骸を調べて少しわかったことがある」
ヴィーが「なんだ?」と尋ねると、ルイスは答えた。
「……恐らく、アレは両方とも備えている。我々の技術では検知できないほどに小さく、かつ擬態が上手い」
ヴィーが「くわしく説明してくれ」と催促すると、ルイスはゆっくりと答えた。
「……残骸の中にいくつかの特徴的な痕跡があった。それは、別のものに擬態する途中であったと思われるものだ。しかしその痕跡を逆に追っていっても、原点となる精霊は見つからなかった」
理由は一つしか思いつかない。だからヴィーは口を挟むように口を開いた。
「検知できないから見つけようが無い、痕跡を追う手段が無いということか」
ルイスは頷きを返し、説明を再開した。
「そして擬態する対象は一つでは無かった。船で見つかったものは黒カビだが、花粉やキノコの胞子などの擬態もこれまでの調査で見つかっている」
その調査結果に対し、ヴィーは少しうんざりした表情で口を開いた。
「なるほど。つまり、相手は恐ろしく小さいだけでなく、擬態まで超一流ということか。それは間違い無く最強だな」
そう前置きした上で、ヴィーは改めてルイスに尋ねた。
「本当にアイリスを島から出していいんだな?」
ルイスは即答した。
「我々を甘く見ないでくれ。ヒルデよりも強固な警備を用意してあるつもりだ」
念のために事前に警戒の要請をしておいて正解だった、そんな思いを響かせながらルイスは胸を撫で下ろした。
その思いと感謝と共に、去っていく戦闘機の部隊を見送っていると、ヴィーが声をかけてきた。
「ルイス、中に潜り込んでいたアレの気配を事前に感じ取れたか?」
ルイスが首を振ると、ヴィーは再び口を開いた。
「やはりか。ならば、アレに対しての認識は同じだと思っていいな?」
ルイスが「ああ」と答えると、ヴィーは再び口を開いた。
「恐ろしく小さいか、それとも恐ろしく擬態が上手いか。どちらにしても、敵は『最強の素質』を備えているはずだ」
ヴィーは言葉を続けた。
「あらかじめ配置しておいたヒルデの精霊は奇襲でほとんどがやられた。しかも、中から乗っ取られるというやり方でだ」
これに対し、ルイスは言葉を付け加えた。
「しかしヒルデの精霊が身代わりになってくれたおかげで、兵士への被害が少なかったとも言える。なんにしても助かった」
そう言ったあと、ルイスはヴィーがまだ知らない情報を提示することにした。
「……アレの残骸を調べて少しわかったことがある」
ヴィーが「なんだ?」と尋ねると、ルイスは答えた。
「……恐らく、アレは両方とも備えている。我々の技術では検知できないほどに小さく、かつ擬態が上手い」
ヴィーが「くわしく説明してくれ」と催促すると、ルイスはゆっくりと答えた。
「……残骸の中にいくつかの特徴的な痕跡があった。それは、別のものに擬態する途中であったと思われるものだ。しかしその痕跡を逆に追っていっても、原点となる精霊は見つからなかった」
理由は一つしか思いつかない。だからヴィーは口を挟むように口を開いた。
「検知できないから見つけようが無い、痕跡を追う手段が無いということか」
ルイスは頷きを返し、説明を再開した。
「そして擬態する対象は一つでは無かった。船で見つかったものは黒カビだが、花粉やキノコの胞子などの擬態もこれまでの調査で見つかっている」
その調査結果に対し、ヴィーは少しうんざりした表情で口を開いた。
「なるほど。つまり、相手は恐ろしく小さいだけでなく、擬態まで超一流ということか。それは間違い無く最強だな」
そう前置きした上で、ヴィーは改めてルイスに尋ねた。
「本当にアイリスを島から出していいんだな?」
ルイスは即答した。
「我々を甘く見ないでくれ。ヒルデよりも強固な警備を用意してあるつもりだ」
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