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中等部編
第七話 警察沙汰で青春大ピンチ危機一髪! (7)
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「クソ! あいつ逃げやがった!」
突然そう叫んだヴィーさんに対し、わたしは尋ねた。
「え? どうしたんです? まさかプランBに何か問題が?」
ヴィーさんの心は読めなかったけど、それくらいは予想がついた。
そしてヴィーさんはわたしの質問には答えず、別の提案を出した。
「仕方ない! プランCで行くぞ!」
「プランC?! なんですそれは?」
ヴィーさんは一呼吸置いてから答えた。
「気合だ!」
それってつまり、ノープランってことじゃないですか! はわわわ! 気合でなんとかなる状況とは思えないんですけど!
仕方が無い。いざとなったらヴィーさんを警察に突き出して、その隙に逃げよう。背中から不意打ちすれば転ばせることくらいはできるはず! これをプランDとする!
わたしがそう決意した直後、ヴィーさんは再び声を上げた。
「このままだと挟み撃ちにされる! 地上に戻るぞ!」
そう言うと同時に、ヴィーさんは近くにあるハシゴに飛びつき、飛ぶような速さで登っていった。
急いでわたしとクラリスも続く。
マンホールから飛び出すと、そこは路地では無く大通りであった。
そしてヴィーさんはすぐに近くにとめてあった無人の車に駆け寄っていった。
え? まさか?
そのまさかだった。ヴィーさんは車の運転席の窓ガラスを拳でたたき割った。
車を盗む気だ! 犯罪が重ねられていく!
「先生?!」
クラリスちゃんが思わず声を上げる。この状況でヴィーさんのことをまだ先生と呼べるのはすごいよ。さん付けすら必要無い気がしてきた。
そしてクラリスのその呼び声に対し、ヴィーさんは答えた。
「ちょっと借りるだけだ!」
それを世の中では窃盗と言うんです!
ヴィーさんは早く乗れという感じの雰囲気を出していたが、さすがにわたしもクラリスも乗る気にはなれなかった。
そしてわたし達が迷っていると、それは突然上からやってきた。
「「「!!?」」」
ガシャーン! 三階建ての家屋の屋根から、それは車の上に飛び降りてきた。
パワーアーマーだ! うわー……車がメチャメチャだよお。軍警察もけっこうムチャクチャするなあ。
……ん? あれ? わたしの右目の精霊はこのパワーアーマーが所属不明だと言ってる。表示に「?」がついてる。そういえば飛び降りてくる直前まで警告が無かった。
たしかに見た目は軍警察っぽくない。というか、なんか安っぽくてボロッちい。
まず搭乗者を守るための装甲版がほとんど無い。パイプのフレームばっかりで、中に入ってる人が丸見えだ。
パワーアーマーを操縦しているのは男の人で、けっこう年をとっているように見える。白髪が目立つ。なんかお医者さんっぽい白衣を着ている。
そして、乗っているのはそのオジサンだけじゃ無かった。
小学生くらいに見えるちっこい女の子が一緒に乗ってる。
オジサンのお腹のところにカゴがとりつけられており、女の子はその中に入っている。うわかわいい。
……なんだこれ。というか、この人達はわたし達に何の用なんだ?
その疑問に答えるように白衣のオジサンは声を上げた。
「ついに見つけたぞ! さあ、私と一緒に来てもらおうか!」
え? わたし達を捕まえに来たってこと? ってことは、警察の関係者?
ならば、チャンスなのでは?
幸いなことに、位置関係もイイ!
迷ってる暇は無い! いまだ! プランD、決行します!
助走をつけてドロップキーック! どりゃああああ!
完璧な踏み込み! 完璧なフォーム! 斜め上に舞い上がる美しい軌道! これは決まった! ヴィーさんを吹っ飛ばして前にいるオジサン達にぶちこむ未来が見える!
と思ったのだけど、
「おっと」
ヴィーさんは振り返りもせずに、スっと身をそらしてわたしのドロップキックをよけた。
ちょっと、よけるなんて聞いてない! ドロップキックは急に止まれなーい! だから前のオジサン、よけてー!
わたしのその願いは届かず、
「おっぶはっ?!!」
わたしのドロップキックはオジサンに炸裂した。
ちっちゃい女の子はカゴの中に隠れるように身をかがめて回避してました。かわいい。
さすがに重いので倒れることは無かったけど、オジサンが顔面を両手で覆って悶絶している。
直後、ヴィーさんが声を上げた。
「ナイスだ! 今のうちに逃げるぞ!」
ちょっと、その言い方は大きな誤解を生むのでやめてください! わたしは善良な一般市民なんです!
なのにわたしの足は勝手に走り始めてる。なんでー? 不思議だなあ。
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