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第五話 ふたりで迎える新年(2)
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冬休みが終わり、新学期が始まると同時にわたしは先輩の告白をお断りした。
理由は彼と同じく「他に好きな人がいるから」にした。
考えるのがめんどくさかったからじゃない。それくらいしか理由が無かったからだ。先輩に悪いところは無い。彼がいなければ先輩と付き合っていたかもしれないからだ。
学校内ではこれまで通りに振舞うことになった。
嫉妬を避けるためだ。
同じ部活内に告白を断られた理由の男がいる、そんなのどう考えても良いことにはならない。
だから付き合っていることは秘密にすることにした。
でもバレるのは時間の問題だと、彼に言われた。
既に感づかれてはいるとも言われた。
朝一緒に登校しているのは既に知られているし、今後デートの現場を見られる可能性もあるからだ。
それは確かにその通りだと思った。
だからか、彼はあまり部活に来なくなった。
しかしその理由は嫉妬による害を避けるためだけでは無かった。
単純にわたしと付き合うようになったからだ。彼はわたし目当てで部活に入ったのだ。
その言葉は嬉しかったが、そんな不純な動機で部活に入るのもなんだかなあ、と思った。思っただけで口には出さなかったけども。
そして部活に来なくなった理由はそれだけでは無かった。彼は一つ隠していた。
彼はそのためにバイトの時間を増やしていたのだ。
そうして一学年は終わりを迎え、春休みになった。
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