375 / 586
第六章 アランの力は遂に一つの頂点に
第四十五話 伝説との邂逅(15)
しおりを挟む
待て、というリックの意識を振り切るかのような速度で双方の距離が開き、アランの瞳の中にある女の影がその大きさを増す。
右の壁伝いにこっちへ突っ込んで来る、アランがそんな警告を共感したのとほぼ同時に、声が響いた。
「アラン!」
私の傍から離れるな、という父の思いがアランの心に響く。
これに、アランは「父を守らなければ」という思いを込めて、
「はい!」
言葉を返した。
その返事に呼応するかのように、大蛇の口が女に向けられる。
されど当たらない。女の進路を塞ぐように放射しているにもかかわらず。援護の光弾が降り注いでいるにもかかわらず。
壁沿いに立ち並んでいる柱を盾に、時に足場として回避されている。
そして、女の影がある柱の裏に回った瞬間、
(何か仕掛けて来る!)
アランは感じ取った。
女がある準備を始めたことを。
それが何なのか、その正体も見切ったアランは、その情報が全員に共有されるよりも早く、誰よりも先に動き始めた。
柱の影から女の姿が覗く。
女は既に初動に入っていた。
刹那遅れてアランがそれを真似るように、追いかけるように動き始める。
二人の光る手が刃に押し当てられる。
女は左手を、アランは右手を。
まるで舐めるように、その手で刃を撫でていく。
腕の部分だけを見れば、鏡合わせのように二人の動きは重なっていた。
されど、その光る手に込められていた思いは違っていた。
アランの手には不安の色が混じっていた。
出来るのか? 上手くやれるのか? そんな思いが光る手から響いた。
直後、それを感じ取ったクラウスが声を上げた。
「アラン様!」
これは私の得意分野、私が補助します、そんな思いが込められたクラウスの声がアランの耳に届いた。
そしてクラウスは二人と同じように、刃を手に押し当てた。
アランとクラウス、二人の意識が強く結び付く。
これを真似して下さい、これを手本とすれば、そんな二人の思いが交錯する。
しかし直後、二人の意識は同じ言葉で染まった。
((間に合うか?!))
際どい、そんな言葉がアランの心に浮かんだ瞬間、女は動いた。
柱を蹴り、その勢いを乗せた刃が振り下ろされる。
そして放たれたのは台本が提示した通りの嵐。
立ち塞がる大蛇をまるで綿を裂くが如く切り刻んでいく。
クラウスが相殺狙いで放った三日月もだ。
全てを飲み込み、引き裂いていく。
その迫り来る嵐を前に、
「応ッ!」
いざ、そんな思いを発しながら、アランは父の前に出た。
「雄雄雄ッ!」
アランの気勢が剣閃となって嵐を迎え撃つ。
ただの一撃も父には入れさせない、そんな思いがほとばしり、それは実際に実現したのだが、
「っ!」
直後、クラウスは歯を噛み締めた。
上手い、と思ってしまったからだ。
その嵐から発せられていた波は「恐怖」の感覚であった。
戦意を奪う、などという生易しいものでは無い。体をすくませてしまうほどの精神汚染を含んだ嵐。
だが、それだけでは無かったのだ。
「不安」も含まれていたのだ。
アランの経験の浅さから生じる不安を煽り、さらなる恐怖を生む攻撃だったのだ。
そしてアランはその不安を相殺することが出来なかった。表の恐怖を打ち消すだけでは駄目だったのだ。
「「……っっ!」」
アランとカルロ、二人の体が硬直する。
「将軍!」「兄様!」
手を出せない距離にいるクラウスとアンナが叫ぶ。
動いてください、そんな願いを込めて。
すると次の瞬間、
「「!?」」
願いが届いたかのように、女とアランの顔が驚きに染まった。
そして二人の心は同時に叫んだ。
((まただ!))
魂がアランを、誰かが俺を、
(回復させた!)(奮い立たせてくれた!)
アランの体に力が戻り始める。
その感覚の中で、アランは既視感を覚えた。
(これは――)
すぐに気付いた。あの時感じたのと同じ喪失感であると。
そして、共感しているクラウスもまた、その既視感に対して声を上げた。
(今のは――)
アランから情報を受け取っているがゆえに、クラウスも魂の存在を認識していたが、クラウスが抱いていた思いはアランとは少し違っていた。
(今の感覚――知っているような――誰かに似ているような――)
答えの出ない問いに対し、二人の既視感が薄れていく。
そして対照的に、アランの体に活力が、勇気がみなぎる。
アランはその力を振り絞って刀の切っ先を前へ、崩れた構えを戻し始めた。
(だが、もう遅い!)
既に目の前。次の一撃で終わらせる、女のそんな言葉がアランの心に響く。
「っ!」
その言葉に対し、アランは歯を噛み締めることしか出来なかった。
構えは戻るが、刀に魔力を込めるのが間に合わないからだ。ただの素の鋼で受けることになる。そしてそれは明らかに不可能だ。
ならば、玉砕覚悟で――そう思ったアランが踏み込もうとした瞬間、
「「!」」
台本が開き、アランと女の心に再び驚きの色が滲んだ。
台本は示していた。アランよりも早くそれを実行する者がいることを。
そしてそれはリックのそれと同じ、いや、それよりも速く、思考の小さい反射行動だった。ゆえに、台本は寸前まで提示出来なかった。
その者はアランの横を通り過ぎ、庇うように前に立った。
謎の魂が回復させたのはアランだけでは無かったのだ。
そしてその者がアランよりも早く動けたのは、庇われたおかげで精神汚染の影響が浅かったからだ。
「父上ぇーーっ!」
アランの叫びが部屋に響き渡ったのと、閃光が溢れたのは同時だった。
カルロはアランがやろうとしていたことを代わりにやったのだ。
ただし使ったのは己の左拳。
振り下ろされる女の刃に向かって、防御魔法を展開しながら叩き込んだのだ。
盾が砕ける音が耳に届き、濁流に切り飛ばされたカルロの左腕が、アランの左側を通り過ぎる。
そして次の瞬間、正面から響いた音をアランは聞き逃さなかった。
濁流の音に混じっていたのに、その鈍い音はなぜか鮮明に聞こえた。
その音の正体を台本が示したと同時に、アランは口を開いた。
「あ……」
そんな、何かの間違いだ、誰かそう言ってくれ、アランの心にそんな思いが次々と浮かんだが、どれも言葉にはならなかった。
音の正体はカルロの心臓が潰された音。
女の左手が、カルロの胸に深々とねじ込まれていた。
(殺った(とった)!)
否定したくとも出来ぬ女の確信が場に響き渡る。
その心の声がアランに、そして場にいる全員に伝わっていくのを感じながら、女は左手を抜こうとした。
が、
「!」
直後、女の左手首はカルロの右手に掴まれた。
「ごほっ!」
カルロの口から鮮血が吹き出し、二人の意識が交錯する。
しかしそれは一瞬。
カルロの意識はすぐにアランの方に向いた。
そしてカルロは真っ赤な口内を見せ付けるかのように大きく口を開き、声を上げた。
その声は血の泡が弾ける音が混じっていたが、部屋にいる全ての者の心に響いた。
「知らぬうちに、戦いの舞台は大きく変わっていたのだな、アラン!」
カルロは言葉を続けた。
「ならば、時代遅れの魔法使いはただ去るのみ!」
その声を聞きながら、女はもがいていた。
(抜けない……?!)
掴まれている手首の骨が握り潰されそうなほどの握力。
その力の源泉を、女とアランは直後に感じ取った。
「「!」」
カルロの中で大量の星々が煌き、天の川のように体内を駆け巡る。
しかしそれは普通の川では無かった。
その答えをアランの台本が提示しようとした瞬間、カルロは再び叫んだ。
「ただし!」
気付けば、カルロの意識はアランから女の方に戻っていた。
「お前にも一緒に舞台を降りてもらうぞ!」
その言葉が全員の心に響いたと同時に、女の手首を掴むカルロの右手から炎が噴出した。
「う、あああっ!」
至近距離での直撃に女が悶える(もだえる)。
しかしそれはカルロも同じ。
「父上ッ!」
己の炎に包まれた父の姿を前に、アランが思わず声を上げる。
その呼び声には、カルロが何をしようとしているのか、台本が示した内容が含まれていた。
カルロの中を駆け巡る天の川、それは光魔法の煌きだけでは無かった。
星の輝きには赤みが、火の粉が含まれていた。
そしてアランの叫びにはある感情も含まれていた。
あなたがいなくなったら炎の一族は――そんな不安のようなものが混じっていた。
ゆえに、カルロは再び口を開いた。
「アラン!」
カルロはアランの不安に対して答えた。
お前は今の自分を過小評価し過ぎていると。
我を庇って命を張るなど、愚かな行為だと。
今のお前は自分が思っているよりも遥かに重要で、凄まじい存在だと。
だから――
カルロは全員の耳に入るように、その続きを叫んだ。
「『後は全てお前に任せたぞ!』」
直後、カルロの体は火柱に包まれた。
右の壁伝いにこっちへ突っ込んで来る、アランがそんな警告を共感したのとほぼ同時に、声が響いた。
「アラン!」
私の傍から離れるな、という父の思いがアランの心に響く。
これに、アランは「父を守らなければ」という思いを込めて、
「はい!」
言葉を返した。
その返事に呼応するかのように、大蛇の口が女に向けられる。
されど当たらない。女の進路を塞ぐように放射しているにもかかわらず。援護の光弾が降り注いでいるにもかかわらず。
壁沿いに立ち並んでいる柱を盾に、時に足場として回避されている。
そして、女の影がある柱の裏に回った瞬間、
(何か仕掛けて来る!)
アランは感じ取った。
女がある準備を始めたことを。
それが何なのか、その正体も見切ったアランは、その情報が全員に共有されるよりも早く、誰よりも先に動き始めた。
柱の影から女の姿が覗く。
女は既に初動に入っていた。
刹那遅れてアランがそれを真似るように、追いかけるように動き始める。
二人の光る手が刃に押し当てられる。
女は左手を、アランは右手を。
まるで舐めるように、その手で刃を撫でていく。
腕の部分だけを見れば、鏡合わせのように二人の動きは重なっていた。
されど、その光る手に込められていた思いは違っていた。
アランの手には不安の色が混じっていた。
出来るのか? 上手くやれるのか? そんな思いが光る手から響いた。
直後、それを感じ取ったクラウスが声を上げた。
「アラン様!」
これは私の得意分野、私が補助します、そんな思いが込められたクラウスの声がアランの耳に届いた。
そしてクラウスは二人と同じように、刃を手に押し当てた。
アランとクラウス、二人の意識が強く結び付く。
これを真似して下さい、これを手本とすれば、そんな二人の思いが交錯する。
しかし直後、二人の意識は同じ言葉で染まった。
((間に合うか?!))
際どい、そんな言葉がアランの心に浮かんだ瞬間、女は動いた。
柱を蹴り、その勢いを乗せた刃が振り下ろされる。
そして放たれたのは台本が提示した通りの嵐。
立ち塞がる大蛇をまるで綿を裂くが如く切り刻んでいく。
クラウスが相殺狙いで放った三日月もだ。
全てを飲み込み、引き裂いていく。
その迫り来る嵐を前に、
「応ッ!」
いざ、そんな思いを発しながら、アランは父の前に出た。
「雄雄雄ッ!」
アランの気勢が剣閃となって嵐を迎え撃つ。
ただの一撃も父には入れさせない、そんな思いがほとばしり、それは実際に実現したのだが、
「っ!」
直後、クラウスは歯を噛み締めた。
上手い、と思ってしまったからだ。
その嵐から発せられていた波は「恐怖」の感覚であった。
戦意を奪う、などという生易しいものでは無い。体をすくませてしまうほどの精神汚染を含んだ嵐。
だが、それだけでは無かったのだ。
「不安」も含まれていたのだ。
アランの経験の浅さから生じる不安を煽り、さらなる恐怖を生む攻撃だったのだ。
そしてアランはその不安を相殺することが出来なかった。表の恐怖を打ち消すだけでは駄目だったのだ。
「「……っっ!」」
アランとカルロ、二人の体が硬直する。
「将軍!」「兄様!」
手を出せない距離にいるクラウスとアンナが叫ぶ。
動いてください、そんな願いを込めて。
すると次の瞬間、
「「!?」」
願いが届いたかのように、女とアランの顔が驚きに染まった。
そして二人の心は同時に叫んだ。
((まただ!))
魂がアランを、誰かが俺を、
(回復させた!)(奮い立たせてくれた!)
アランの体に力が戻り始める。
その感覚の中で、アランは既視感を覚えた。
(これは――)
すぐに気付いた。あの時感じたのと同じ喪失感であると。
そして、共感しているクラウスもまた、その既視感に対して声を上げた。
(今のは――)
アランから情報を受け取っているがゆえに、クラウスも魂の存在を認識していたが、クラウスが抱いていた思いはアランとは少し違っていた。
(今の感覚――知っているような――誰かに似ているような――)
答えの出ない問いに対し、二人の既視感が薄れていく。
そして対照的に、アランの体に活力が、勇気がみなぎる。
アランはその力を振り絞って刀の切っ先を前へ、崩れた構えを戻し始めた。
(だが、もう遅い!)
既に目の前。次の一撃で終わらせる、女のそんな言葉がアランの心に響く。
「っ!」
その言葉に対し、アランは歯を噛み締めることしか出来なかった。
構えは戻るが、刀に魔力を込めるのが間に合わないからだ。ただの素の鋼で受けることになる。そしてそれは明らかに不可能だ。
ならば、玉砕覚悟で――そう思ったアランが踏み込もうとした瞬間、
「「!」」
台本が開き、アランと女の心に再び驚きの色が滲んだ。
台本は示していた。アランよりも早くそれを実行する者がいることを。
そしてそれはリックのそれと同じ、いや、それよりも速く、思考の小さい反射行動だった。ゆえに、台本は寸前まで提示出来なかった。
その者はアランの横を通り過ぎ、庇うように前に立った。
謎の魂が回復させたのはアランだけでは無かったのだ。
そしてその者がアランよりも早く動けたのは、庇われたおかげで精神汚染の影響が浅かったからだ。
「父上ぇーーっ!」
アランの叫びが部屋に響き渡ったのと、閃光が溢れたのは同時だった。
カルロはアランがやろうとしていたことを代わりにやったのだ。
ただし使ったのは己の左拳。
振り下ろされる女の刃に向かって、防御魔法を展開しながら叩き込んだのだ。
盾が砕ける音が耳に届き、濁流に切り飛ばされたカルロの左腕が、アランの左側を通り過ぎる。
そして次の瞬間、正面から響いた音をアランは聞き逃さなかった。
濁流の音に混じっていたのに、その鈍い音はなぜか鮮明に聞こえた。
その音の正体を台本が示したと同時に、アランは口を開いた。
「あ……」
そんな、何かの間違いだ、誰かそう言ってくれ、アランの心にそんな思いが次々と浮かんだが、どれも言葉にはならなかった。
音の正体はカルロの心臓が潰された音。
女の左手が、カルロの胸に深々とねじ込まれていた。
(殺った(とった)!)
否定したくとも出来ぬ女の確信が場に響き渡る。
その心の声がアランに、そして場にいる全員に伝わっていくのを感じながら、女は左手を抜こうとした。
が、
「!」
直後、女の左手首はカルロの右手に掴まれた。
「ごほっ!」
カルロの口から鮮血が吹き出し、二人の意識が交錯する。
しかしそれは一瞬。
カルロの意識はすぐにアランの方に向いた。
そしてカルロは真っ赤な口内を見せ付けるかのように大きく口を開き、声を上げた。
その声は血の泡が弾ける音が混じっていたが、部屋にいる全ての者の心に響いた。
「知らぬうちに、戦いの舞台は大きく変わっていたのだな、アラン!」
カルロは言葉を続けた。
「ならば、時代遅れの魔法使いはただ去るのみ!」
その声を聞きながら、女はもがいていた。
(抜けない……?!)
掴まれている手首の骨が握り潰されそうなほどの握力。
その力の源泉を、女とアランは直後に感じ取った。
「「!」」
カルロの中で大量の星々が煌き、天の川のように体内を駆け巡る。
しかしそれは普通の川では無かった。
その答えをアランの台本が提示しようとした瞬間、カルロは再び叫んだ。
「ただし!」
気付けば、カルロの意識はアランから女の方に戻っていた。
「お前にも一緒に舞台を降りてもらうぞ!」
その言葉が全員の心に響いたと同時に、女の手首を掴むカルロの右手から炎が噴出した。
「う、あああっ!」
至近距離での直撃に女が悶える(もだえる)。
しかしそれはカルロも同じ。
「父上ッ!」
己の炎に包まれた父の姿を前に、アランが思わず声を上げる。
その呼び声には、カルロが何をしようとしているのか、台本が示した内容が含まれていた。
カルロの中を駆け巡る天の川、それは光魔法の煌きだけでは無かった。
星の輝きには赤みが、火の粉が含まれていた。
そしてアランの叫びにはある感情も含まれていた。
あなたがいなくなったら炎の一族は――そんな不安のようなものが混じっていた。
ゆえに、カルロは再び口を開いた。
「アラン!」
カルロはアランの不安に対して答えた。
お前は今の自分を過小評価し過ぎていると。
我を庇って命を張るなど、愚かな行為だと。
今のお前は自分が思っているよりも遥かに重要で、凄まじい存在だと。
だから――
カルロは全員の耳に入るように、その続きを叫んだ。
「『後は全てお前に任せたぞ!』」
直後、カルロの体は火柱に包まれた。
0
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
新約・精霊眼の少女
みつまめ つぼみ
ファンタジー
孤児院で育った14歳の少女ヒルデガルトは、豊穣の神の思惑で『精霊眼』を授けられてしまう。
力を与えられた彼女の人生は、それを転機に運命の歯車が回り始める。
孤児から貴族へ転身し、貴族として強く生きる彼女を『神の試練』が待ち受ける。
可憐で凛々しい少女ヒルデガルトが、自分の運命を乗り越え『可愛いお嫁さん』という夢を叶える為に奮闘する。
頼もしい仲間たちと共に、彼女は国家を救うために動き出す。
これは、運命に導かれながらも自分の道を切り開いていく少女の物語。
----
本作は「精霊眼の少女」を再構成しリライトした作品です。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦
未羊
ファンタジー
気が付くとまん丸と太った少女だった?!
痩せたいのに食事を制限しても運動をしても太っていってしまう。
一体私が何をしたというのよーっ!
驚愕の異世界転生、始まり始まり。
炎光に誘われし少年と竜の蒼天の約束 ヴェアリアスストーリー番外編
きみゆぅ
ファンタジー
かつて世界を滅ぼしかけたセイシュとイシュの争い。
その痕跡は今もなお、荒野の奥深くに眠り続けていた。
少年が掘り起こした“結晶”――それは国を揺るがすほどの力を秘めた禁断の秘宝「火の原石」。
平穏だった村に突如訪れる陰謀と争奪戦。
白竜と少年は未来を掴むのか、それとも再び戦乱の炎を呼び覚ますのか?
本作は、本編と並行して紡がれるもう一つの物語を描く番外編。
それぞれに選ばれし者たちの運命は別々の道を進みながらも、やがて大いなる流れの中で交わり、
世界を再び揺るがす壮大な物語へと収束していく。
【完結】領主の妻になりました
青波鳩子
恋愛
「私が君を愛することは無い」
司祭しかいない小さな教会で、夫になったばかりのクライブにフォスティーヌはそう告げられた。
===============================================
オルティス王の側室を母に持つ第三王子クライブと、バーネット侯爵家フォスティーヌは婚約していた。
挙式を半年後に控えたある日、王宮にて事件が勃発した。
クライブの異母兄である王太子ジェイラスが、国王陛下とクライブの実母である側室を暗殺。
新たに王の座に就いたジェイラスは、異母弟である第二王子マーヴィンを公金横領の疑いで捕縛、第三王子クライブにオールブライト辺境領を治める沙汰を下した。
マーヴィンの婚約者だったブリジットは共犯の疑いがあったが確たる証拠が見つからない。
ブリジットが王都にいてはマーヴィンの子飼いと接触、画策の恐れから、ジェイラスはクライブにオールブライト領でブリジットの隔離監視を命じる。
捜査中に大怪我を負い、生涯歩けなくなったブリジットをクライブは密かに想っていた。
長兄からの「ブリジットの隔離監視」を都合よく解釈したクライブは、オールブライト辺境伯の館のうち豪華な別邸でブリジットを囲った。
新王である長兄の命令に逆らえずフォスティーヌと結婚したクライブは、本邸にフォスティーヌを置き、自分はブリジットと別邸で暮らした。
フォスティーヌに「別邸には近づくことを許可しない」と告げて。
フォスティーヌは「お飾りの領主の妻」としてオールブライトで生きていく。
ブリジットの大きな嘘をクライブが知り、そこからクライブとフォスティーヌの関係性が変わり始める。
========================================
*荒唐無稽の世界観の中、ふんわりと書いていますのでふんわりとお読みください
*約10万字で最終話を含めて全29話です
*他のサイトでも公開します
*10月16日より、1日2話ずつ、7時と19時にアップします
*誤字、脱字、衍字、誤用、素早く脳内変換してお読みいただけるとありがたいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
