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59 決めたこと
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彼の挑発的な言葉に、アザリアがほっぺたを大きく膨らませた。
「随分と余裕があるようで」
「そうだな」
彼に顎で示されていくつかの髪飾りや髪紐、ピンが入っている箱を取り出したアザリアは、不思議な心地で彼に髪を触られていた。
アザリアは暗殺者という、人に恨まれ、怨まれ、憎まれ、疎まれる職業柄、人に首元を大きく晒すことを良しとしない。
首元を触られることはもちろんのこと、後ろに立たれることですらも、普段であれば不愉快な気分になってしまい、後ろに立っている人間を躊躇いなく殺したくなってしまうほどだ。
それなのに、今、アザリアはアルフォードが後ろに立つことを無意識のうちによしとしてしまった。
それどころか、絶賛現在進行形で彼に髪をいじられることを良しとしてしまっている。
暗殺者として、今の状況は非常に、そう、非常によろしくない。
暗殺対象に向けて気を抜いていることはもちろんのこと、気を抜き、情を持ち始めている。
ありとあらゆることが、よくない方向へと足を突っ込み始めている現状に、アザリアは何よりも歯痒さと悔しさを抱いていた。
早く殺さなくちゃいけないのに、圧倒的実力差を前にしては殺すどころか、指導されている有り様で、そんな現状なのに彼の暗殺任務を他の人間に譲ることもできない。
ちっぽけなプライドが邪魔をするせいで、彼の暗殺がどんどんどんどん遅くなっていっている。
(もう、やめなくちゃ。
これ以上危険なところに足を踏み入れる前に、降りなくちゃ。この任務から)
———嫌だ、嫌だ嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ………!!
心の中の幼い自分が地団駄を踏んで、どったんばったん暴れ回る。
(覚悟を決めなさい、アザリア。
あなたは一流の暗殺者。ここで枯れていい人間ではないのよ)
無茶な任務は、犬死にする覚悟がある人間のみが受けてもいい任務だ。
だからこそアザリアは、
信条を捨て、プライドを捨て、今日を以て、この任務から、
———降りることにした———………………。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
「随分と余裕があるようで」
「そうだな」
彼に顎で示されていくつかの髪飾りや髪紐、ピンが入っている箱を取り出したアザリアは、不思議な心地で彼に髪を触られていた。
アザリアは暗殺者という、人に恨まれ、怨まれ、憎まれ、疎まれる職業柄、人に首元を大きく晒すことを良しとしない。
首元を触られることはもちろんのこと、後ろに立たれることですらも、普段であれば不愉快な気分になってしまい、後ろに立っている人間を躊躇いなく殺したくなってしまうほどだ。
それなのに、今、アザリアはアルフォードが後ろに立つことを無意識のうちによしとしてしまった。
それどころか、絶賛現在進行形で彼に髪をいじられることを良しとしてしまっている。
暗殺者として、今の状況は非常に、そう、非常によろしくない。
暗殺対象に向けて気を抜いていることはもちろんのこと、気を抜き、情を持ち始めている。
ありとあらゆることが、よくない方向へと足を突っ込み始めている現状に、アザリアは何よりも歯痒さと悔しさを抱いていた。
早く殺さなくちゃいけないのに、圧倒的実力差を前にしては殺すどころか、指導されている有り様で、そんな現状なのに彼の暗殺任務を他の人間に譲ることもできない。
ちっぽけなプライドが邪魔をするせいで、彼の暗殺がどんどんどんどん遅くなっていっている。
(もう、やめなくちゃ。
これ以上危険なところに足を踏み入れる前に、降りなくちゃ。この任務から)
———嫌だ、嫌だ嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ………!!
心の中の幼い自分が地団駄を踏んで、どったんばったん暴れ回る。
(覚悟を決めなさい、アザリア。
あなたは一流の暗殺者。ここで枯れていい人間ではないのよ)
無茶な任務は、犬死にする覚悟がある人間のみが受けてもいい任務だ。
だからこそアザリアは、
信条を捨て、プライドを捨て、今日を以て、この任務から、
———降りることにした———………………。
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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
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