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プロローグ
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恭しい仕草で、1人の見た目麗しい青年が1人の妖艶な女性の前に跪き、その真っ白なほっそりとした手の甲に口付けを落とす。
「魔女さま」
血に塗られた瓦礫の上、漆黒のふわふわとした髪に墨で塗りつぶされたような眼球と黄金と若葉の混ざり合ったの瞳を持つ青年は、熱に浮かされたような声を上げる。
そして、この世の何よりも幸せなモノを手に入れたかのように、否、この世の全てと言っても過言ではないほどに大事なモノを手に入れてふわりと微笑む。
「ノア、わたしの可愛い可愛い坊や。お前を、お前だけを愛しているわ」
白銀のふわふわチリチリの髪に黄金の釣り上がった瞳、瞳の周囲を飾る植物を描いた独特な漆黒のメイク。
美の女神ですらも嫉妬してしまいそうなぐらいの美しさを誇る女性、魔女はその美しい顔に全てを受け入れるかのような寛容な笑みを浮かべ、青年ノアの頬を爪の尖った指で傷つけぬように丁寧に撫でる。
「「穢れた世界に祝福を」」
2人のつぶやきによって生まれた花弁が空を舞い、血に濡れた戦場を浄化する。
美しき景色、完璧な幸せ、魔女とノアは長い長い旅の末に、望むモノを手に入れた。
~これは永遠を生きる世界最期の魔女と元王子の使い魔が、奪われたモノを取り返す長い長い旅路の軌跡を辿る物語。
世界に革命を与えた2人の伝説を綴った物語~
『永遠の魔女の旅路』より一部抜粋———、
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