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1章 幸せの花園
6 大掃除 (3)
しおりを挟む次に、ノアは布の類を荒屋の外に出す。
飛ばないように荒屋の本を全て出すついでに布の上に重ねていったノアは、まだ半分も片付けていないのにも関わらず、黄昏に染まった夕空に黒い鳥が羽ばたいていることに驚いた。
———これは夜通しになりそうだな。
荒屋の外に興味深そうな顔をしてできた魔女がにこにこと笑ったまま、荒屋近くの切り株に座ってノアのやる事を眺めていることに気がついたノアは、ジト目を魔女に向けたのち、作業を再開した。
いつの間にか置いてあった脚立や踏み台を利用して、本棚に入っている本や調薬の道具や材料、そして不穏な空気をぷんぷんとあげている変なものも含めてノアは荒屋の中にあったもの全てを外に出した。
土人形が片手をあげて笑っている置き物の近くに座り込んだノアは、その緊張感のない且つ気楽そうな見た目にイラッとした。
身体中が重たい。
一昨日からずっとノンストップで動き続けて、気を張り続けているからか、ノアの身体はぽかぽかしているし、何よりもくたくただ。指の先さえも動かしたくない。
くらっとした意識に身を任せたノアは、次の瞬間雑草が繁茂している荒屋の前で、意識を失ってしまった。
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