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1章 幸せの花園
12 完成!! (3)
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「んっ、」
白銀のふわふわした髪を飴色の床に投げ出していた魔女から、鈴を転がすようんな声がぽろりと出てきて、ノアは魔女の方を向く。漆黒の蔦が目元に描かれている奇抜なメイクの奥からゆっくりと現れる蠱惑的な黄金の瞳は、やっぱり全てを魅了する不思議な力を持っているように感じられる。
「………おはようございます、魔女さま」
「おはよぉ、ノアぁ」
「はい。と言っても、まだ夜ですけど………、」
「そっかぁ」
細い瞳孔がギロリと動くのをどこか遠くのことのように眺めながら、ノアは魔女に微笑みかける。
「お掃除終わりました。一応元の配置に近い形でもろもろを片付けましたが、気に入らないところがあったら好きに直してもらって結構です」
「ん~、」
どこか生返事な魔女に僅かに首を傾げたノアであったが、ふぁうっと欠伸をこぼす魔女に次の瞬間のノアはぱちぱちと瞬きを繰り返していた。
「わたしはねぇ、永遠の命と引き換えに人間としての生活を必要としているんだぁ。最低限のご飯とお水、あとは睡眠がいるんだぁ」
「そういう場合もあるのですね」
「あるよぉ。魔女も十人十色だからねぇ」
ふむふむと感心したように頷いたノアの頭を、魔女は撫でる。
「よくがんばったねぇ、ノアぁ。ここまで綺麗なのはここに越してきてから初めてだよぉ~」
カラカラと笑う魔女に、ノアははにかむのだった。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
白銀のふわふわした髪を飴色の床に投げ出していた魔女から、鈴を転がすようんな声がぽろりと出てきて、ノアは魔女の方を向く。漆黒の蔦が目元に描かれている奇抜なメイクの奥からゆっくりと現れる蠱惑的な黄金の瞳は、やっぱり全てを魅了する不思議な力を持っているように感じられる。
「………おはようございます、魔女さま」
「おはよぉ、ノアぁ」
「はい。と言っても、まだ夜ですけど………、」
「そっかぁ」
細い瞳孔がギロリと動くのをどこか遠くのことのように眺めながら、ノアは魔女に微笑みかける。
「お掃除終わりました。一応元の配置に近い形でもろもろを片付けましたが、気に入らないところがあったら好きに直してもらって結構です」
「ん~、」
どこか生返事な魔女に僅かに首を傾げたノアであったが、ふぁうっと欠伸をこぼす魔女に次の瞬間のノアはぱちぱちと瞬きを繰り返していた。
「わたしはねぇ、永遠の命と引き換えに人間としての生活を必要としているんだぁ。最低限のご飯とお水、あとは睡眠がいるんだぁ」
「そういう場合もあるのですね」
「あるよぉ。魔女も十人十色だからねぇ」
ふむふむと感心したように頷いたノアの頭を、魔女は撫でる。
「よくがんばったねぇ、ノアぁ。ここまで綺麗なのはここに越してきてから初めてだよぉ~」
カラカラと笑う魔女に、ノアははにかむのだった。
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