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1章 幸せの花園
15 魔法属性テスト (2)
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少しの間一緒に暮らしてきて分かったことだが、この『永遠の魔女』は基本的に自分本位でありながら、他人をものすごく尊重しようとする毛色があった。
本に載っている魔女といえば、自分本位で唯我独尊が当たり前、挙げ句の果てには、気分屋さんで気まぐれに国1つを滅ぼす恐ろしい生き物だと語られていたゆえに、ものすごく拍子抜けしたのを今でも覚えている。
くすっと笑ったノアは、花が綻ぶように淡く微笑んだ。
「嫌ではありませんし、それどころか嬉しいです。魔女さま、僕に、魔法を教えていただけませんか?」
最近、魔女専用に作られているお家故に、日々の生活への不便を感じ始めたところであった。よって、ノアにとって魔女の提案は願ってもないことであった。
「よかったぁ。じゃあまずはぁ、《属性》を見つけるところから始めよっかぁ」
「ゾクセイ?」
魔法でいくつもの本を宙に浮かばせた魔女は、ぱちんと指を鳴らして、全ての本を一気に開く。
「《属性》はその人の持つ魔法への適性のことだよぉ。今日はぁ、魔法属性の発見をメインに授業を進めていくねぇ」
「はい、先生」
魔女の開いた教本に齧り付くように目を通しながら、ノアは魔女の話に耳を傾ける。
「魔法の基本属性はぁ、『四限素』である“火”、“水”、“風”、“土”とぉ、この世界を作り上げたといわれる神さまに愛されしぃ『創世記』にも出てくる属性、“光”と“闇”が存在しているわぁ。まあ、光と闇はレアすぎてあんまり見かけないけれどねぇ」
魔女が用意してくれた、お世辞にも上質とは言い難いベージュの紙に羽ペンを走らせるノアは、ぱっと真っ直ぐに右手を挙げた。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
本に載っている魔女といえば、自分本位で唯我独尊が当たり前、挙げ句の果てには、気分屋さんで気まぐれに国1つを滅ぼす恐ろしい生き物だと語られていたゆえに、ものすごく拍子抜けしたのを今でも覚えている。
くすっと笑ったノアは、花が綻ぶように淡く微笑んだ。
「嫌ではありませんし、それどころか嬉しいです。魔女さま、僕に、魔法を教えていただけませんか?」
最近、魔女専用に作られているお家故に、日々の生活への不便を感じ始めたところであった。よって、ノアにとって魔女の提案は願ってもないことであった。
「よかったぁ。じゃあまずはぁ、《属性》を見つけるところから始めよっかぁ」
「ゾクセイ?」
魔法でいくつもの本を宙に浮かばせた魔女は、ぱちんと指を鳴らして、全ての本を一気に開く。
「《属性》はその人の持つ魔法への適性のことだよぉ。今日はぁ、魔法属性の発見をメインに授業を進めていくねぇ」
「はい、先生」
魔女の開いた教本に齧り付くように目を通しながら、ノアは魔女の話に耳を傾ける。
「魔法の基本属性はぁ、『四限素』である“火”、“水”、“風”、“土”とぉ、この世界を作り上げたといわれる神さまに愛されしぃ『創世記』にも出てくる属性、“光”と“闇”が存在しているわぁ。まあ、光と闇はレアすぎてあんまり見かけないけれどねぇ」
魔女が用意してくれた、お世辞にも上質とは言い難いベージュの紙に羽ペンを走らせるノアは、ぱっと真っ直ぐに右手を挙げた。
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