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1章 幸せの花園

16 ノアの属性 (2)

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「へぇ~、ノアすごいねぇ」
「今のって………、」
「ノアの属性は“光”と“闇”。この世で最も珍しくぅ、尊くぅ、そして何よりも扱いが難しいとされる属性だねぇ」

 こくんと唾を飲み込んだノアは、先程まで本に触れていた手を見下ろし、ぎゅっと握り込んだ。

「光と闇………、」

 きゅっと軽い音を肌が立てるのをどこか遠くのことのように聴きながら、ノアは魔女の黄金の瞳に視線を向ける。

「ノアの場合はぁ、“光”が攻撃型でぇ、“闇”が防御型みたいだからぁ、戦いにおいてはとぉっても相性が良いと思うよぉ。まぁ、生活魔法は全く使えないかもしれないけれどねぇ」

 からからと笑う魔女に、ノアは若干苦笑する。
 ノアだって選びたくて戦闘に特化した魔法属性を選んだわけではない。それどころか、今の生活を続けるのであれば生活魔法こそが欲しかった。

「まぁまぁ、そこら辺はおいといてぇ、魔法は問題なく教えられるから安心しておいてねぇ。わたしぃ、これでもすごーい魔法使いだからぁ、全部の魔法属性に適応しているんだぁ。だからぁ、ノアの魔法を教えることぐらいならば造作もないわぁ」

 艶やかに微笑んだ魔女に視線を奪われたノアは、かろうじて小さく頷く。

「お前を、立派な魔法使いにしてあげるぅ」

 ノアはもう、———戻れない。

 それでも構わない。
 魔法の力を手に入れることによって王位を取り戻す一助になるのならば、ノアは喜んで自らの手を汚す。

 《世界の悪》と呼ばれ畏怖される《魔女》や《魔法》を利用してでも、自らの全てを捨てででも手にしなくてはならないものがある。

 ———安心してください、先生。僕が、必ず………あなたの願いを叶えてみせます。

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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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