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1章 幸せの花園
29 2度目の発熱 (1)
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「はぁー、はぁー、」
「あちゃー、お熱だねぇ」
ぽかぽかする身体はやがて熱々となってしまい、ノアはまた風邪を引いた。
「んー、ノアお口あーん」
あーっと口を開けたノアは、喉の痛さに顔を顰める。
「溶連菌かなぁ?喉まぁーっしろ」
病気への知識がものすごく進んでいる魔女の言っていることは、平凡な知識、否、国家では最高峰の病気の知識を持っているノアにすらも分からない。
———本当に、魔女さまは恐ろしいお方だ………、
うつらうつらとするノアの口が開けられ、ぐいーっと苦い薬を突っ込まれた。
「!?」
「ほらほら飲み込むぅー」
ごっくんと辛うじて飲み込むが、あまりにも、あまりにも苦すぎる。
「げほっ、げほっ、」
飲み終わって僅かな時間が経ってなお口の中に広がり続ける不味さに、ノアは顔を顰めた。
———………良薬口に苦しとは言っても、これはあまりにもひどすぎる………………、
ノアの恨めしい顔に気がついた魔女はからからと笑い続けている。
相変わらず酷いお人だ。
「フクはわたしが預かっておくよぉ~。何か注意点はあるかしらぁ?」
「み゛るぐのつぐりがたは………、」
ガラガラとした声にくすくすと笑った魔女は、自らの口元に人差し指を当ててしーっというジェスチャーをする。
「くちびるの動き読んであげるからぁ、お口チャックぅー」
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