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1章 幸せの花園
30 夢うつつとパンと (1)
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▫︎◇▫︎
ふわりふわりと揺れる意識の奥底に捉えるお包みに手を伸ばしたノアは、般若の如く顔を真っ赤に赤らめて泣き叫ぶ水色の髪の赤子が、ノアに椛みたいに小さなお手々を伸ばしていることに気がついた。
ノアはそんな赤子を捕まえようと、その腕に抱こうと手を伸ばす。しかしながら、赤子はノアが手を伸ばす分だけ離れて行く。
何度も何度も走っては手を伸ばし、手を伸ばしは走ることを繰り返した。
けれど、赤子は一向にノアの腕の中に収まってはくれない。
それどころか指の先に触れることすらも叶わない。
———待ってっ!!
何度も何度も希うのに、必死になって追いかけるのに、距離はだんだんと、着実に開いてしまう。
「フクっ!!」
ばさっという派手な音が鳴り響き、シーツがこぼれ落ちた。
「あ、れ………?」
夢で見た嫌な光景が頭の中をぐるぐるぐるぐると駆け回り、駆け巡り、ノアの不安を掻き立てる。
「あらぁ?おはよぉ。ノアぁ」
「あ………、おはようございます、魔女さま」
ふわふわチリチリの白銀の癖っ毛を寝起きのままで放っている魔女に苦笑したノアは、魔女が手に持っているジャム瓶とパン、そしてお水に目を輝かせた。
「食べれるぅ?って聞こうかと思ったけどぉ、愚問みたいだねぇ」
「美味しくいただかせていただきます」
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
ふわりふわりと揺れる意識の奥底に捉えるお包みに手を伸ばしたノアは、般若の如く顔を真っ赤に赤らめて泣き叫ぶ水色の髪の赤子が、ノアに椛みたいに小さなお手々を伸ばしていることに気がついた。
ノアはそんな赤子を捕まえようと、その腕に抱こうと手を伸ばす。しかしながら、赤子はノアが手を伸ばす分だけ離れて行く。
何度も何度も走っては手を伸ばし、手を伸ばしは走ることを繰り返した。
けれど、赤子は一向にノアの腕の中に収まってはくれない。
それどころか指の先に触れることすらも叶わない。
———待ってっ!!
何度も何度も希うのに、必死になって追いかけるのに、距離はだんだんと、着実に開いてしまう。
「フクっ!!」
ばさっという派手な音が鳴り響き、シーツがこぼれ落ちた。
「あ、れ………?」
夢で見た嫌な光景が頭の中をぐるぐるぐるぐると駆け回り、駆け巡り、ノアの不安を掻き立てる。
「あらぁ?おはよぉ。ノアぁ」
「あ………、おはようございます、魔女さま」
ふわふわチリチリの白銀の癖っ毛を寝起きのままで放っている魔女に苦笑したノアは、魔女が手に持っているジャム瓶とパン、そしてお水に目を輝かせた。
「食べれるぅ?って聞こうかと思ったけどぉ、愚問みたいだねぇ」
「美味しくいただかせていただきます」
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