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1章 幸せの花園
44 魔女の呪い (2)
しおりを挟む「………では、僕の考察をお聞きいただくことはできますか?」
「えぇ。構わないわよぉ。でもねぇ、ノアぁ。よぉ~く覚えておきなさい。《魔女の呪い》はねぇ大っぴらにお口にしてはいけない言葉なのぉ」
「———」
「《魔女の呪い》は何を代償にしているかぁ、本人以外知らないというのが通説でぇ、場合によってはぁ、話すことによって死んじゃう魔女もいるわぁ。それにぃ、《魔女の呪い》は魔女にとっての“唯一”の弱点なのよぉ」
ぎりっと音が鳴るぐらいに強く握り込んだ手のひらから赤い雫が溢れる。
「僕の叔父は何を手放したのでしょうか」
「ふふっ、ノアは彼が魔女になった前提で話すのねぇ」
「おかしいじゃないですか。魔力が少ないのにも関わらず、上位の魔法を放ち続けられるなんて。それに、彼は魔女を排除している。まるで、———魔女の存在が表に露見することを恐れているかのように」
口にした瞬間、ずっと胸の奥深くに抱いていた違和感の正体に気がついた気がした。
喉がゴクリという音を立て、首筋に冷や汗が伝う。
「魔女さまはご存知なのではないですか?彼が、何をしでかしたのか」
魔女は妖艶な笑みを意味深げに浮かべたが、やがてふっと肩の力を一気に抜いた。
「?」
魔女様に奇行に首を傾げる。
「彼は魔女であるという意見には賛成よぉ。でもねぇ、本当に分からないのよぉ。わたしはあなたたちの言う現国王?に合ったこともないしぃ、彼に興味もない。強いて言うならぁ、ノアの叔父ぃってことぐらいなんだよねぇ」
魔女は基本、嘘はつかない。
長いこと魔女と一緒に過ごしてきたノアは、そのことをよく、痛いほどによく知っている。
「………魔女さま、僕は叔父を殺せますか?」
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