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 僕は苦笑してから、普段以上に可愛いきなこさんに微笑みかける。

「ほな、買い物行こか」
「はい」

 きなこさんを連れてショッピングセンターの中に入った僕は、集まってくる視線が一層増えたことに苦笑する。

(きなこさん可愛ええさかいな………、)

 じっと見つめていたら、気がついたのか僕の方を振り返ってニコッと笑ってくれた。
 彼女は天使か女神か何かか?

 バレンタイン専門エリアに入った僕たちは、まずコーナー全てをゆっくりと歩いて見てまわった。
 どれもこれもよくできている。
 きなこさんも、宝石みたいに綺麗なチョコレートたちが、ショーケースの中に所狭しと並んでいる光景を見るのが楽しいらしく、身体をあっちにフラフラこっちにフラフラ危なっかしく動いている。

(あぁー、写真撮ってまいたい………)

 そうこう言っているうちにあっという間に売り場へと辿り着いてしまった。

「カカオくん、カカオくん的にはどの包装紙が好きですか?」
「言うのはええけど、僕は先にきなこさんの意見が聞きたいな」

 僕に言葉をきなこさんは、気合いを入れてマカロンを入れる袋を探し始める。
 ビニール袋、紙袋、箱、どれもこれも女の子が好きそうな可愛らしいデザイン。それなのにとても心が惹かれるのだから不思議なものだ。

「わたしは、これが好きです」

 きなこさんが手に持った袋に、僕はうんうんんと頷く。

「僕もそれ気になっとったんよね。やっぱり、素敵なものはみんな一緒なんやねぇ」

 明らかに安堵した表情を見せたきなこさんは、恋する女の子そのもので、僕はぼーっと見惚れてしまった。

「カカオくん、長らくお付き合いいただきありがとうございます。一緒にカフェに行ってから帰りませんか?」

 こうして、僕ときなこさんのお買い物は食べ物屋さんへの寄り道がおわっったのちに帰宅することになったのだった———。

 ちなみに、ショッピングセンターに入っているテナントの食べ物も食べたことがなかったきなこさんは、いちいち可愛い反応を見せながら、ココアラテやパン、お菓子等々、ありとあらゆるものに顔を輝かせ、きらきらと輝いていたらしい………。

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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
次の更新は明日の5時です!!

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