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異世界に行く!?

ツンしかない妹と一緒に買い物

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   「ほら、早く持って!」
   「早く歩いてよ!」

   周りから見れば仲のいいお兄さんと妹さんねぇ、と思うんだけど妹の小声を聞いたらそうは思わないだろう。

   なぜ俺は妹に重い買い物袋を持たされ、先に行く手ぶらな妹に必死に追いかけなくちゃいけない。

   なぜこうなった!?






   事はオンラインゲームのバトルイベントが始まる三分前。今から約1時間ほど前だ。

   「お母さんねぇ、お願いがあるの。すずのとひろとで買い物行ってきてくれない?」
   「母さんなんで俺が?」
   「女の子に1人で荷物持たせる?」
   「お母さんそれなら私は行かなくてよくない?」
   「ひろとが方向音痴なの知ってる?」

   チッ

   妹はあからさまに俺に舌打ちをした。

   「すずの、よろしく頼む」
   「死ね」

   死ねが返事って日本語おかしくない?でもやや引きこもりな兄を嫌うのは当然だ。

   「2人とも早く行ってきな」

   俺たちは母さんに押されるような形で外に出た。






   今この状況におかれてるのは母さんのせいだと言っても過言ではない。
   ほら、妹だって早く帰りたいから歩行者の青信号が点滅していたって渡ってるし。
   トラックが猛スピードでこっちに向かってるのも気づいてないだろう。

   ん?トラック?



   「すずのー!!」
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