異世界にツンデレ属性の妹と引きこもり気味系の兄が転生したら?

あぐる

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運命の出会い

記憶がなくとも

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   眠りから目が覚めるともう既にすずのとシャロンとベルフェゴールが話し合っていた。
   ティアはというとただ一人困惑していた。

   「魔法によって記憶を消されたなら魔法で元に戻せることは?」
   「シャロンさん、残念ながら解除不可の魔法なんですよ」
   「そんな・・・」
   「私の魔道具の魔法キャンセルの効果は?」
   「もう試しました」

   ふたりがどんなに知恵を絞ってもこの状況を打破することはできないだろう。
   俺になにかできることはないのか、そんなことを思っている時ふとティアが重く閉じた口が開いた。

   「ベルフェゴール・・・さん」
   「はい!な、なんでしょう」

   いきなりのティアの呼び声に驚きを隠せないベルフェゴール。

   「夢の内容はみんな同じでしょう?」
   「そうですけど」
   「たとえ記憶がなくとも僕とベルフェゴールさんは友達。ならもう一度新しい記憶を作ってこうよ!」
   「いや」
   「いや!?」

   返答が嫌で戸惑うティア

   「ベルフェゴールじゃなくてベルちゃんだよ、ティア」
   「ベルちゃん・・・」

   ふたりは熱く長いハグを交わした。
   これにて一件落着かと思いきや

   「みなさん危ない!」

   ベルフェゴールはハグを交わしていたティアを俺たちの方に押し飛ばし、すぐさま呪文を詠唱した。
   刹那ベルフェゴールのみが石にでもなったのかのように動かなくなった。

   「これはベルフェゴールさんのアンチ魔法障壁です!」
   「敵が潜んでいるってことね、ヒールは任せといて!」
   「俺が前衛でティアは後衛で攻撃の作戦で」

   とっさに判断を下したが、何がどうなっているのか理解が追いついていない。

   「安心して、私が用があるのはベルフェゴールなの」

   木の陰から美しく若い女性が現れた。
   安心してとはいっても容易に警戒心を解けば一瞬でやられるかもしれない。それほどに強すぎる敵であった。

   「シャロン、サーチを頼む」
   「分かりました」

   シャロンのサーチスキルの精度は感心するほど高い。この場面で相手の意図が分からない以上ステータスだけでも把握したい。

   「相手のレベルは約60くらいで人間に擬態している吸血鬼です、恐らく隠密スキルと索敵スキルはもっているかと」

   俺たちのレベルは10いってないくらいだ。相手になるはずがない。かといって・・・

   「ベルフェゴールさんをどうする気だ?」
   「どうするって私の勝手でしょ」
   「だからといってそうやすやすと渡すわけにはいかないな」
   「そうだね」

   空間が歪んだ。昼なのに夜のように一瞬で暗くなった。ここで死ぬわけにはいかない。





   「じゃあ、ジャンケンで決めよう!」
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