ぼくのかみさま

紅月 燐

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はじめての

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翌週、ザック先生の授業で影を動かしてみた。ザック先生も興味津々で観察したり、触ったりしていた。そして、やっぱり外ではあまり使わないようにって。見たことない魔法だから警戒されたり、いろんな人に恐怖を与えてしまうかもしれないからって。自分の身を守るためなら大丈夫とは言われたけど……気をつけよう。でも、使えるものは練習した方がいいから練習はしましょうねって。これからの授業で使い方を一緒に考えていくことになった。

あとは授業の他にも紅茶の入れる練習も始めた。ルイザさんだったり、サクさんだったり……やっぱり最初は上手くいかなくって渋くなっちゃったり、薄かったり……時々入れすぎてお腹がタプタプになっちゃう事もあった。
上手く入れれたら、リュイさまに入れてあげたいんだけど……なかなか上手くいかないなぁ……

「リラ様。上手に入れれようになってきましたから次はこの紅茶はどうですか?」

紅茶によっては蒸らす時間が変わったりするから1つ入れれるようになったら次って……いろんな紅茶を入れる練習してる。

「やってみます。」

初めての紅茶だ……いい匂い……
今日はサクさんに教えて貰いながら入れてる。ひとつひとつ説明してもらいながら入れる。難しいけど楽しい。

「リラ様?入れれるようになったら紅茶をご当主様に出されてみては?今日はお屋敷でお仕事をされていますし……もうすぐ、お茶の時間ですよ?」
「えっ……えっと……大丈夫ですかね……」
「えぇ!大丈夫です!」

たくさん練習した中のダージリンを用意してもらう。もう少ししたらお茶の時間。お庭で一緒にお茶をしましょうって約束したからガボゼで待ち合わせしてる。早めに行って紅茶を入れる準備をする。

「えっ、茶葉は……」

ポットに茶葉を入れて、お湯を注ぐ。蒸らして、カップに注ぐ……。出来上がった頃にリュイさまがやってきた。

「リラ、お待たせしました。」
「大丈夫です。」

リュイさまに紅茶を出す。

「ありがとう。リラが出してくれるとは珍しいですね?」

そのまま、紅茶を口にする。

「おや?いつもとは違う風味がしますね?」
「美味しい……ですか?」
「えぇ、美味しですよ。」

そう、にっこりして答えてくれた。そしたら……

「今日の紅茶はリラ様がお入れしたんですよ。」

サクさんがリュイさまに告げる。

「リラが?」
「……はい。」

何だかどきどきする。

「凄いですね!とっても上手に入れれていますよ!」

沢山褒めて頭を撫でてくれる。嬉しくて……

「ふふ……」

ついついぼくも笑ってしまう。胸がぽかぽかする。これからも、たくさん練習していろんなお茶を入れれるようになりたいなぁ~
穏やかにお茶の時間は続いていった。

それから、時が少したって、火の2月……外もだんだん暑くなってきた……ぼくは寒いのより暑い方が得意だけどそれでも、暑すぎるのはちょっとつらい……

「あつい……」
「大丈夫でございますか?氷を持ってきて風通りをもっと良くいたしますわね?」
「はい……」

氷を持ってきてもらって、風の魔法で風通りを良くしてもらう。ちょっと涼しくなって少し楽になる。あれから、字の練習も順調できれいに書けるようになった。歴史や数学の勉強も順調。ザック先生も覚えが早いですねって褒めてくれる。でも、少し苦手なのはダンス……体力がすぐ尽きちゃって……なかなか長く踊れない……。体力をつけようと散歩の時間を増やしてるけど……うーん……とりあえず、続けるしかないかなって……。

リュイさまはお仕事が忙しくなってきてお城に行く日も多くなってきた。朝一緒にご飯を食べてからお見送りして、夕方帰ってきた時にはお出迎えする。遅くなっちゃう時は先に寝ちゃうこともあるけど……時々一緒に寝てくれる。

そんな時ぼくの体に変化が……

「……??」

なんだか……体が熱くって……

「なに……これ……?」

息も苦しいし、体が熱いし……なんだかリュイさまが恋しい……

「リラ様どうなさいましたの??」

ぼくの変化に気づいてルイザさんが近くに来る。

「こ、これは!サク!急いで窓と扉を閉めてくださいませ!アルファの人がこの部屋に近づかないように連絡を!」
「わ、わかった!」

はぁ……はぁ……と短い息を吐く。体の熱いのをどうにかしたくて体を丸める。

「リラ様……苦しいですわね……大丈夫ですわ……ご当主様を呼んでまいりますからね……」

ルイザさんがぼくの背中を撫でてくれる。リュイさま……リュイさまにあいたい……

意識がぼーっとする。ルイザさんがぼくのそばを離れたのを感じる。

「サク。ご当主様にご連絡を。リラ様が発情期に入られましたと。」
「わかった。すぐに連絡してきます。」

ルイザさんが何かを持ってくる。毛布のようなもの……リュイさまの匂いがする。
それをぎゅっと握って丸くなる。それがあると少し落ち着く。
リュイさまにはやくあいたい……


どのくらいじかんがたったんだろう。体が熱くてむずむずして……どうしたらいいかわからない。涙もでてきた……どうしよう。つらいよ……リュイさま……

「リラ……?」

リュイさまの声が聞こえた。体を起こして、扉を見る。リュイさまがいるのを見つけて……

「リュイさま!」

すぐに駆け寄って抱きつく。

「リュイさま……リュイさま……」
「リラ……もう大丈夫ですからね……?」

頭をよしよしと撫でてくれる。

「からだ……あつくて……くるしくて……」
「初めての発情期ですからね……いい匂いが部屋に充満していますね……薬を飲んでおいて良かったです……」
「はつじょう……き?」
「えぇ、リラの体が少し大人になった証ですよ。」

リュイさまがぼくを抱っこしてベッドに運んでくれる。そっと下ろしてベッドの中でぎゅっとしてくれた。

「発情期がくるのはまだ先だと思っていたのですが……思ったよりも早くきましたね……リーゼ医からリラ用の薬をもらって来ましたから飲みましょうね?」
「おくすり……」

リュイさまがおくすりを飲ませてくれる。お水を飲んでちょっと体が楽になった気がする……

「薬が効いてくるまでこうしていましょうね……」

2人でベッドに寝転んでぎゅっとしてもらう。
いい匂い……やっぱりリュイさまの匂い落ち着くなぁ……そのまま、うとうとしてきた……


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