ぼくのかみさま

紅月 燐

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服と本屋

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発情期になってから7日間。僕は部屋から出ずに過ごした。リュイ様も時々お仕事をする為にお部屋からは出ることもあったけど急ぎの書類以外には僕と一緒にいてくれた。
7日目を過ぎると朝起きても体が熱いこともなく無事に発情期が終わったことに安堵した。起きるとリュイ様もまだ眠っていて…

「きれいな顔だなぁ…」

その綺麗な寝顔にうっとりしながら見つめる。そろりと手を伸ばし指で頬をツンとしてみる。男性らしく柔らかさはあまりないけれど…なんとなく、触るのが楽しい。そのまま、唇に指を移動させる。いつもこの唇でキスされてるんだなぁっと思うと何だか恥ずかしくなる。でも、触るのは辞められなくてフニ…フニ…っと触る。

「ふふ…」

声を押し殺して触り心地を楽しむ。しばらく楽しんでいると不意に口が開いて指を軽く噛まれる。

「ひゃっ!」
「ふっ…イタズラ好きですねリラ…」

寝起きの凄まじい色気に圧倒されながら指を離す。

「ご、ごめんなさい…」
「いえいえ、とっても可愛かったですよ。」
「あの…いつから起きてたんですか…」
「そうですね…頬を触られたあたりでしたか…擽ったくて笑うのを我慢するのが大変でした。」

そうニコニコしながら僕を抱きしめる。暫くそうしていると扉がトントンっと叩かれる。

「おはようございます。ご当主様、リラ様。お目覚めでございましょうか?」
「ええ、起きていますよ。」

サクさんの声がした。7日すぎたから起こしに来てくれたみたい。
2人で起き上がってリュイ様は僕の部屋を一旦出て着替えに行く。僕も用意してもらった服に着替える。
リュイ様は今日までがお休みってサクさんから知らされる。7日できっちり終わる発情期だけどもしもの為に次の日だけ休みにしてるんだって…。
着替えが終わって朝食を食べに食堂に向かう。席に着くとリュイ様もやって来て2人でご飯を食べ始めた。
パンにオムレツ、ウインナーそれにサラダ、スープなど軽い朝食が用意されてる。今日のスープはコーンスープ。僕のお気に入りだ。夢中で食べていると…

「リラ、今日は街に行ってデビューの時に着る服を決めに行きましょう。それに、夏用の服なども見に行きましょうね。」
「わかりました。」

今日はリュイ様とお出かけできるみたい!とっても嬉しい。
あっ、もし時間があったらあそこに寄れるかな…聞いてみよう。

「あの、リュイ様…」
「どうしました?」
「本屋さんに寄ってもいいですか?」
「本屋?えぇ、もちろん。いいですよ。」

良かった!お屋敷にある本もある程度読んじゃったしいい本がないか見に行こうかなって思っていたから。
朝食を食べ終わって出かける準備をする。とはいっても特別何かをするわけじゃないけど…馬車での移動だし帽子もいいかなぁ~ってことでちょっとお出かけ用の服に替えて準備は終わった。
玄関で待っているとリュイ様も来て…

「リラ、お待たせしました。」
「大丈夫です。」

今日はルイザさんが付いてきてくれるみたい。リュイ様とルイザさんと馬車に乗る。
街に向かう。服を見に行くのはマダム・エデンのお店だ。リュイ様がみつけてきた巷で噂になりつつある服屋さん。僕の服はマダム・エデンのお店でオーダーメイドで作ってもらうことが多い。お店に着くとマダム・エデンが出迎えてくれた。

「いらっしゃいませ。お待ちしておりましたわ~!」

相変わらず、とっても元気…。朗らかで陽気な人なのだ。お店に入るといろんなデザイン画やパンフレットを見せてくれる。オススメはとか、この色が流行色で…とか…うーん…何度来ても僕にはさっぱり…
でも、デビューの時に使う服だから主な色は白なんだって。形は…うん。リュイ様にお任せしてしまった…。でも、差し色はリュイ様の瞳の色を使わせてもらったよ!マダムも『とっっっっても素敵ですわ~!』って言ってた。 
その後は、夏服を何着か見せてもらう。既製品を元に僕好みの色にしてもらったり、こんな感じで動きやすく…っと要望を出してみたりして、リュイ様もこんな感じのをってデザイン画を元に何着か…気づけば20着くらいになってたけど…ちょっと僕がひいてると…

「…少し少ない気もしますが…まあ、足りなければ買い足しましょう。」

って…流石…リュイ様…。
お店で少しだけお茶を飲んでからお店を出る。さて!次は楽しみにしていた本屋さんの行くことにした。
ちょっと路地の入り組んだところにある知る人ぞ知る本屋さんがあるってルイザさんに聞いたから案内してもらう。途中で馬車を降りて歩いていく。迷子にならないようにリュイ様に手をぎゅって握ってもらう。ちょっと嬉しくて恥ずかしい。

しばらく歩くと、大通りから1本外れて、入り組んだ道の先に怪しげなお店があった。僕一人じゃ絶対来れない…迷子になる。

「ここでございますわ。」
「うわぁ…」

すごく怪しげな雰囲気にまじまじと外見を見てしまう。蔦に覆われた壁、何だか古そうな感じ。でも嫌いじゃないなぁっと思いつつ…
ルイザさんが扉を開ける。

「いらっしゃい」

そんなしわがれた声が聞こえた。中に入ると思ったより広くてキョロキョロしてしまう。でも、声がした方にも目を向けると白髪で眼鏡をかけたちょっと怖そうなお爺さんが…

「おや?ルイザじゃないか。何しに来たんだ?」
「おやじ様。今日は私の使える方々の案内に参りましたのよ。」
「ほう~?」

お爺さんはまじまじと僕たちを見る。

「変わった方々だね…本に興味があるのはそこの坊ちゃんかい?」

急にそう言われて固まっていると。

「初めまして。私はリュイ・リンデールと申します。この子はリラ。このルイザの案内で来ました。」
「は、はじめまして…」

リュイ様の声にやっと僕も挨拶する。

「あぁ、リンデール侯爵家の。なるほど。まあ、ゆっくり見ておいきなさい。いいのが見つかるといいね。」

そう言ってお爺さんは持っていた本に目をやり始めた。

「申し訳ございません。店主のおやじ様ですわ。いつもあんな感じなので気にしなくても大丈夫ですわ。」

そう言われて僕はとりあえず頷く。見て回っておいでってリュイ様に背中を押されて本屋さんの中をじっくり見始めた…。



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