4 / 4
3話
しおりを挟むドアを開ければ見た目よりも広い部屋が広がっている。空間の魔法を使って広くしているのだ。おかげでイメージすれば模様替えも可能でとても、楽なのだ!
「さてさて……2人の部屋を作らないといけないね……ん~2人は一緒の部屋がいい?それとも、別々?」
そう言いながら振り向くとポカーンっとした顔をしている2人。
「何してるの?早く入りなさいな」
2人の近くに行き背中を押して家に入れた。
「まあ、部屋は後からでもいいか……2人とも!お風呂を入れるから体を洗ってきなさい!」
水と火の魔法を使いお風呂を用意し2人に用具の説明を軽く説明してから私は2人の服を適当に見繕い脱衣所に置きそれから、食事の用意をしはじめた。
ちなみに、2人は不思議そうな顔をしながらもお風呂に入っていった。
「2人とも碌にご飯をもらえていなかったみたいだからお腹に優しいメニューがいいわよね?」
昔、東の魔女に教えて貰った『おじや』なるものを作ってみる。
めったに作らないけど出汁をとってつくりはじめる。とてもいい匂いがする。卵、ネギ、ほかにもキノコなどを入れて完成した。
様子を見ながら2人を待っているとリビングの扉が開いた。
「あがったのね?こっちにいらっしゃい!」
扉の前で固まっている2人を呼び椅子に座らせた。
2人の前におじやを用意し……
「さぁ!ご飯よ!いっぱい食べなさいね!」
2人にそう告げた。
2人は顔を見合わせゆっくりとスプーンに手を伸ばしゆっくりと食べ始めた。
「「おいしい………」」
そこからは無我夢中で食べていた。
私は2人のそんな様子を眺めていてふっと気づいた………
『あれ?名前知らないな……』
っと………
「そういえば、2人の名前を聞いてなかったわね?教えて貰える?」
そう聞くと私から見て右にいる目の下に泣きぼくろがある子が
「名前はありません……」
「えっ、名前ないの?」
「「はい」」
人間なのに名前が無いだなんて………
「ぼくたちは"いみご"だから…」
「干ばつもおれたちのせいだって」
なるほど……流石は人間というところかしら……自分がよければ全てよしってやつですもんね……でも、名前がないと不便だわね……
「じゃあ、私が名前をつけてあげるわ!」
「「いいんですか!?」」
「ないと不便だしね!何がいいかしらね~」
そして、しばらく悩んだ結果……
「右にいる泣きボクロがある君がブラン。
そして、左がヴァイスね!」
「ぼくが……ブラン」
「おれがヴァイス」
「どう?両方白って意味があるのよ~?あなた達の髪の色からとったの!雪みたいできれいだしね!」
本当に2人の髪は綺麗なのだ……お風呂に入って汚れがなくなったからびっくりするほど!
「「まじょさま、ありがとうございます!」」
「ふふ…喜んでもらえて嬉しいわ~!」
2人は嬉しそうに笑っていた。とっても可愛い!
「さっ!ご飯冷めちゃうわ!食べなさい!」
そう言うと、2人はまた夢中でご飯を食べ始めた。
作ったおじやは全てなくなり2人にソファーで待っているように声をかけ私は片付けをして2人が待つソファーに向かった。
ソファーにつくと座ったまま2人は眠っていた。
『まあ、あんな状態で森にいて家に向かうのに歩いて、ご飯もいっぱい食べれば眠くなるわよね~』
まだ、2人の部屋は作っていなかったため1人ずつ私の部屋に運び寝かせた。
穏やかな寝顔でついつい眺めてしまいたくなる……でも!2人に着てもらう用の服を用意しなくてはいけないので渋々その場を離れ服を作るために生地を選び作り始めた。
2
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セリフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セリフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セリフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセリフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセリフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セリフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる