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2話
しおりを挟む家に行くために私が前を歩いて2人は後ろをついてきていた。
ただ、見た通り2人はガリガリに痩せていて歩くスピードも遅い。体力もないようだった。
「はぁ………このままじゃ、いつ家につけるかわからないわ……」
ため息をつくと2人はビクッと反応した。
「ごめんなさい………」
「もっとはやく……あるきます……」
2人は焦ったような顔をしてそういった。
別に怒ったわけでもないしそんなことで捨てるわけがないのに………
「違うわよ……少し休憩しましょう?この近くに湖があるからそこまで頑張れるかしら?」
2人はきょとんっとした顔をしたがすぐに頷いてまた、私の後ろをトコトコとついてきた。
しばらくして、目的の湖についた。ここには、たくさんの妖精がいていつも楽しそうに踊っている。
『今日も元気ね~』
妖精は幼児をもっと小さくしたような感じだ。とても、可愛い存在だけど純粋であるがために残酷な一面も持っている。
「「ふわぁ~!!」」
2人が赤目をキラキラさせて妖精を見つめていた。
『えっ…………妖精が見えてる!?』
妖精はめったに人間には見えない。見えても丸い光が飛んでいるように見えるだけだ……けど、2人は確実に妖精の姿が見えているようだった。
「2人は妖精が見えるの?」
そう聞くと……
「「みえます」」
そう答えたのだった。たぶん、この2人には魔術の才能がある。会った時から魔力は感じていたけれどもしかしたら、思っていたよりも多いのかもしれない。
「そう………とりあえず、休憩するわよ?ほら、ここに座りなさい。」
私は空間魔法の収納を開けシートをひいた。
そして、2人をシートの上へ座らせて飲み物を用意した。
「ほら、これを飲みなさい……レモネードよ。」
2人に飲み物を渡すと恐る恐る口をつけた。
「「!?!?」」
2人はびっくりした顔になり一気に飲み干した。
「まじょさま、これ!おいしいです!!」
「おいしいです!!」
2人が妖精を見ていた時のようにきらきらした目でみてくる。
「おかわりもあるわよ………貸しなさい。あと、一気に飲んだらむせるから次はゆっくり飲みなさい!」
そのキラキラした目に負け2人におかわりのレモネードをいれてあげた。
とても、久しぶりの人との交流。痩せていても赤い目がきらきらしているのはとても綺麗で…………
『母性に目覚めた………というのかしら?』
何でもしてあげてしまいたくなるのだ。
まあ、とにかく、2人が飲み物を飲んでいるうちにどう家に帰るのかを考えることにした。
『ん~このまま歩いて帰るのは無理そうなのよね………2人とも裸足だし……これ以上奥に入ったら怪我が増えるだけ………やっぱり抱っこして帰ることにしましょうか………』
2人は4~5歳くらいで痩せているためたぶん、私でも2人を抱っこして歩くことが出来るような気がするのだ。
『うん。そうしましょう!』
帰る方法を決め改めて2人を見ると飲み終わったのかじっとこちらを見ていた。
「まだ、おかわりはいる?」
そう聞くと首を横に振ったのでコップを預かり収納に入れる。そして、シートも片付けてしまう。
「さて、これからまた、私の家に向かって行くのだけれど………今の貴方たちではいつになっても家につかないと思うの」
そう言うと2人は泣きそうな顔で私を見た。
「そんなに、泣きそうな顔をしないでちょうだい。別に置いていくなんて言ってないでしょ?」
そう言って2人の頭を撫でた。
それから、問答無用で2人を抱き上げた。予想通り私でも2人同時に抱っこできるくらい軽い。
「だから、こうして帰るわよ?」
2人は抱き上げた時慌てて私にしがみついた。
それからは、無言で歩きようやく家に着いた。
「さあ、ここが今から貴方たちの家よ!」
私は玄関で2人をおろしドアを開けた。
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