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しおりを挟む「メアリー、よく頑張ってくれた。」
バイシ国王フレデリック・バイシは王妃メアリーの出産に立ち会っていた。
「元気な王子様でございます。」
助産婦が取り上げた赤ん坊は元気な泣き声をあげている。
この私の元に生まれてきてくれたこの子の将来を明るいものとするためにも、私は一層頑張らねばならない。
フレデリックはそう心に誓った。
「オギャーオギャー」
っておい、俺は何で赤ちゃんみたいに泣きじゃくってるんだ…?
辺りを見回し、自分の手を動かそうとしたが上手く動かない。
状況が飲み込めずにいると不意に抱きかかえられ、金髪美人さんに渡されると金髪美人さんは胸を露わにした。
(うおぉ、おっぱい!!)
不自由な手を必死に動かすと金髪美人さんは俺の口元に乳首を吸わせるように押し当てた。
(ここは天国か?金髪美人さんが自らおっぱいを吸わせてくれる人生なんて最高じゃねーか!)
と、人生初おっぱいを吸うと口の中にかすかな甘みが広がった。
(うん?おっぱいって甘い…のか?………ってこれは母乳か!?この美人さんは俺の母親なのか!?)
頭が混乱したが、考えても分からないものは分からない。
んなことよりも目の前のおっぱいだ!
「この子ったら相当お腹が減っていたのかしらね。」
必死におっぱいに吸い付く姿がお腹が減っていたと解釈されたらしい。
ということはやはり俺は赤ん坊なのだと理解した。
「この子の名はやはりローレンスと名付けよう。メアリー異存ないか?」
「もちろんですわ。」
「よし、お前はバイシ国第一王子ローレンスだ。」
フレデリックはローレンスを抱きかかえるとその優しい眼差しでローレンスを見つめた。
それにしても俺が王子様かよ。
両親よ…スマン、先に謝っておく。せっかく王子なんて親ガチャ大当たり引かせてもらったのによ…こんな俺にはこの国を潰す自信しかない。
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