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19,無防備
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「な、なぁ、服脱がしてやろうぜ」
「…は?」
ひとりの提案に、他の男子たちは何を考えてんだという軽蔑の目を向ける。
「ばっ…これ、あ、暑そうだし、苦しいだろっ?!」
「そ…そうだな」
彼は顔を真っ赤にして言い訳し、彼らもシオンのぴっちり首元まで締めた上着を見て納得する。
「はー…さすが、鍛えてんな」
「うん…」
そっと手を伸ばし、プツプツと上着のボタンを外してやる。下着のタンクトップの上からでも腹筋が割れ、引き締まった身体であることがわかり、感嘆の吐息が出てしまう。
「…ん」
「?!」
シオンがふいに身じろぎ、彼らは驚いて手を離す。シオンはズルズルと壁を背に横に倒れ、また静かな寝息をたて始めた。
「…ふう、起きたかと思った」
「いや、起きた方がいいだろ」
彼らはホッと安堵し、苦笑いする。
「ん?これダテメガネだ。何でこんなの付けてんだ?」
ひとりがシオンのずり落ちたメガネを手に取り、度が入っていないことに気づいて首をかしげる。
「あのさ、さ…触ってもいいかな」
「触っ…?!」
ひとりの発言に、他の男子たちはさすがにぎょっとする。シオンは床に横になったことでサラサラな髪が顔にかかり、上着がはだけて余計に胸筋が強調されて、色っぽいアイドルのグラビアを見ているようではあるが。
「お前、そんなにタマってんのかよ?」
「少しだけ…!少しだけだから!」
彼は構わず、自分に言い聞かせるように言いながらシオンに手を伸ばす。赤いほほに手のひらを当て、半開きの唇に指先が触れる。
「…はぁ」
シオンの唇は柔らかく、もれた熱い吐息が彼の指先をくすぐる。
エロい!!
その色気に彼らは心をわしづかみされ、同時に下半身がズギュンと臨戦態勢になる。
「お、俺も…っ」
「ズルいぞ、お前!」
彼らは我先にとシオンの身体に手を伸ばし、唇や首筋、胸元に触れる。
「ぁ、ん…」
シオンは起きる気配がなく、触れられるたびに吐息をもらし、ぴくっと反応する。彼らは現状を忘れたかのように、シオンに夢中になっていた。
「おい、楽しそうだな?」
ポンと肩に手を置かれ、彼らは心臓が出るかと思うほど驚き、文字通り飛び上がる。
「ぎゃあ?!!」
「クラウド…っ?!」
ひと呼吸置いてようやく悲鳴が出た彼らの背後には、クラウドが嫌悪の表情で立っていた。
「酒か?これ」
床に置いてあったコップを手に取り、匂いに顔をしかめる。
「いや、これはちょっと…っ」
「ほら、その、恒例だし!」
「…」
彼らはあたふたと言い訳するが、クラウドはますます表情を険しくする。明るくノリの良いクラウドだが、こういった度を越した悪ふざけは嫌う。
「お願いだクラウド!黙っててくれ!!」
言い訳は逆効果だと悟った彼らは潔く頭を下げる。酒を持ち込んだだけでなく、シオンを昏倒させ、更にイタズラしていたと教師に報告されてしまったら、停学で済むかもわからない。
「はー…わかったよ」
土下座でもしそうな彼らを見て、クラウドは大きくため息をついた。あまり責めたてて他の者が気づくと厄介だし、こう必死に頼まれると助けてやりたくなってしまう。
「あ、ありがとう、クラウド!」
「恩にきる…っ!」
彼らは涙ぐんでクラウドに感謝する。
「こいつは俺が連れ帰ってやるから、散れ」
クラウドはシオンのメガネを受け取ると、ぐったり眠っている彼の前に膝をつく。
「えっ?でも…っ」
「散れって言ってるだろ!バラすぞ!!」
そこまで任せるのはためらう彼らに、クラウドは鋭い目でギロッとにらみ、怒鳴る。
「ご、ごめん!わかった!」
「頼んだぞ、クラウドっ」
その迫力に怯み、彼らは蜘蛛の子を散らすように走ってその場を離れていった。
「…ったく」
クラウドはまたため息をつき、シオンの無防備な寝顔を見つめた。
「重いな、クソ…っ」
クラウドはシオンを背負い、ウェア城への道をヨタヨタと歩いていた。体力に自信のあるクラウドだが、自分より背が高く、鍛えられた身体のシオンを背負って歩くのはさすがにキツい。
「ん…」
背のシオンが身じろぎ、やっと起きたのかと文句のひとつでも言ってやろうとするが
「…あり、がと…サンカ…」
聞こえたのは久しぶりに聞く名。いつもの丁寧な言葉遣いではない幼い口調。
「…」
クラウドは口を開く気が失せ、シオンを反動で背負い直すと歩を進めた。
ようやく城を囲む深い森が見え始め、入口に立つ黒コート姿の男がふたり、クラウドに気づいて近づいてくる。
「何か用か?」
「あ、えと…こいつを…っ」
体格の良い男たちに威圧的に聞かれ、クラウドは少し怯みながらもシオンを見せようと背を向ける。
「…シオンか?!」
「シオン君!」
ぐったりと眠るシオンを背負っているとわかり、彼らは血相を変える。
「一体どうしたんだ?!護衛長たちに連絡を!」
「はい!」
先輩と思われる黒コートが命じ、後輩は素早く通信機を取り出して連絡をする。
「君がここまで背負って来てくれたのか。ありがとう。大変だったろう?送迎車を呼ぶから待っていてくれ」
先輩はねぎらいの言葉をかけながら、クラウドの背からシオンを抱き上げる。苦労して背負ってきたシオンが軽々と持ち上げられ、長身なはずの彼が小さく見えた。
「私がシオンを連れて行くから、彼を頼む」
「はい!」
後輩に命じると、彼は跳ぶように走って行き、あっという間に深い森の奥に消える。
「すぐに車が来るよ。待っててね」
「…はい」
クラウドは驚きのあまり固まったまま、かろうじて返事をした。
「どうぞ」
「…ど、どうも」
美しいティーカップを前に置かれ、クラウドは恐縮して頭を下げる。
送迎車で森を走り抜け、深い堀を渡り、小高い丘にそびえ立つウェア城を初めて生で見た。うやうやしく頭を下げる使用人に案内され、通されたのはきらびやかで広々とした応接間。わざわざ引いてくれた椅子に慌てて座り、目の前の細かな装飾のされたテーブルはピカピカに磨かれていて、うかつに触れない。
「シオン君を送ってくださったそうですね。ありがとうございます」
「は、い、いえ…っ」
お茶を淹れてくれた使用人からも礼を言われ、顔を赤くして首を振った。
「ふぅ~…」
使用人が「お待ちください」と応接間を出、クラウドは少し気が抜けて大きく息を吐く。
単純に友達を自宅に送る、という感覚で来たが、シオンの暮らす場所はあの鉄壁を誇るウェア城なのだ。初等部の頃にシオンは何度もクラウドの自宅に遊びに来たが、逆は一度もなかったため、すっかり忘れていた。
驚きと緊張の連続でのどはカラカラ。クラウドはティーカップを壊さないようそうっとつかみ、口に運ぶ。
「どういうことだ、コラぁああ!!!」
「ぶふうっっ?!」
応接間の扉が壊れるかの勢いで蹴り開けられ、口に含んだお茶を吹き出す。
「お前かっ?!お前の仕業かぁあっ?!!」
「ぐえ?!えっ?!っ?!」
飛び込んできたのは真っ黄色の髪をした黒コートの男。鬼の形相で怒鳴りながらクラウドの胸ぐらをつかみ、ガックンガックンと揺する。
「やめろ、レイニー。彼はシオンを送ってくれたそうだ」
「ああん?!」
首がむち打ちになる寸前、同じ髪色でよく似た顔をしたもうひとりの黒コートが来て鬼を制止する。
「シオンを泥酔させるまで飲ませた責任をとって送った、という理由なら、話を聞く必要があるがな…!!」
彼も鬼の形相へみるみると変わり、クラウドは血の気が引く。
「ち、違…!俺は何も…っアイツらも、酔い潰すつもりはなくて…っ」
抜けそうになる魂をなんとか引き止め、震える声で必死に説明をするが
「ほう、犯人は別にいるのか。服が乱れていたのも、そいつらの仕業か?」
「俺でさえ、寝込みを襲うことだけはしてないんだぞ!!お前も傍観していたなら同罪だからなぁあ?!」
鬼ふたりはますます怒り、クラウドを責める。そこへ
「ね…シオンはどこ?」
開いた扉のかげから、小さな子どもがひょこっと顔をのぞかせた。輝く金髪にそれ以上に光る金色の両眼、その大きな眼とぷっくりした唇は愛らしく、目を奪われるかわいらしさだ。
「「王子!」」
ふたりはスウッと怒りをおさめて彼にかけ寄り、片膝を床につける。
「お部屋から出てはなりませんよ」
「だって、シオンとあそぶやくそくしたの」
「シオンは今、お休みしていますから」
「お部屋に戻りましょう」
別人かのように優しく言い聞かせ、彼と共に応接間を出て行った。
「…」
パタンと静かに扉が閉まり、嵐の過ぎ去ったかのような応接間に残されたクラウドは呆然としていた。
「…かわいい」
そして、輝く金髪の幼い少年があまりに好みどストライクだった衝撃で、今までの恐怖がすっかり消え去っていた。
「…は?」
ひとりの提案に、他の男子たちは何を考えてんだという軽蔑の目を向ける。
「ばっ…これ、あ、暑そうだし、苦しいだろっ?!」
「そ…そうだな」
彼は顔を真っ赤にして言い訳し、彼らもシオンのぴっちり首元まで締めた上着を見て納得する。
「はー…さすが、鍛えてんな」
「うん…」
そっと手を伸ばし、プツプツと上着のボタンを外してやる。下着のタンクトップの上からでも腹筋が割れ、引き締まった身体であることがわかり、感嘆の吐息が出てしまう。
「…ん」
「?!」
シオンがふいに身じろぎ、彼らは驚いて手を離す。シオンはズルズルと壁を背に横に倒れ、また静かな寝息をたて始めた。
「…ふう、起きたかと思った」
「いや、起きた方がいいだろ」
彼らはホッと安堵し、苦笑いする。
「ん?これダテメガネだ。何でこんなの付けてんだ?」
ひとりがシオンのずり落ちたメガネを手に取り、度が入っていないことに気づいて首をかしげる。
「あのさ、さ…触ってもいいかな」
「触っ…?!」
ひとりの発言に、他の男子たちはさすがにぎょっとする。シオンは床に横になったことでサラサラな髪が顔にかかり、上着がはだけて余計に胸筋が強調されて、色っぽいアイドルのグラビアを見ているようではあるが。
「お前、そんなにタマってんのかよ?」
「少しだけ…!少しだけだから!」
彼は構わず、自分に言い聞かせるように言いながらシオンに手を伸ばす。赤いほほに手のひらを当て、半開きの唇に指先が触れる。
「…はぁ」
シオンの唇は柔らかく、もれた熱い吐息が彼の指先をくすぐる。
エロい!!
その色気に彼らは心をわしづかみされ、同時に下半身がズギュンと臨戦態勢になる。
「お、俺も…っ」
「ズルいぞ、お前!」
彼らは我先にとシオンの身体に手を伸ばし、唇や首筋、胸元に触れる。
「ぁ、ん…」
シオンは起きる気配がなく、触れられるたびに吐息をもらし、ぴくっと反応する。彼らは現状を忘れたかのように、シオンに夢中になっていた。
「おい、楽しそうだな?」
ポンと肩に手を置かれ、彼らは心臓が出るかと思うほど驚き、文字通り飛び上がる。
「ぎゃあ?!!」
「クラウド…っ?!」
ひと呼吸置いてようやく悲鳴が出た彼らの背後には、クラウドが嫌悪の表情で立っていた。
「酒か?これ」
床に置いてあったコップを手に取り、匂いに顔をしかめる。
「いや、これはちょっと…っ」
「ほら、その、恒例だし!」
「…」
彼らはあたふたと言い訳するが、クラウドはますます表情を険しくする。明るくノリの良いクラウドだが、こういった度を越した悪ふざけは嫌う。
「お願いだクラウド!黙っててくれ!!」
言い訳は逆効果だと悟った彼らは潔く頭を下げる。酒を持ち込んだだけでなく、シオンを昏倒させ、更にイタズラしていたと教師に報告されてしまったら、停学で済むかもわからない。
「はー…わかったよ」
土下座でもしそうな彼らを見て、クラウドは大きくため息をついた。あまり責めたてて他の者が気づくと厄介だし、こう必死に頼まれると助けてやりたくなってしまう。
「あ、ありがとう、クラウド!」
「恩にきる…っ!」
彼らは涙ぐんでクラウドに感謝する。
「こいつは俺が連れ帰ってやるから、散れ」
クラウドはシオンのメガネを受け取ると、ぐったり眠っている彼の前に膝をつく。
「えっ?でも…っ」
「散れって言ってるだろ!バラすぞ!!」
そこまで任せるのはためらう彼らに、クラウドは鋭い目でギロッとにらみ、怒鳴る。
「ご、ごめん!わかった!」
「頼んだぞ、クラウドっ」
その迫力に怯み、彼らは蜘蛛の子を散らすように走ってその場を離れていった。
「…ったく」
クラウドはまたため息をつき、シオンの無防備な寝顔を見つめた。
「重いな、クソ…っ」
クラウドはシオンを背負い、ウェア城への道をヨタヨタと歩いていた。体力に自信のあるクラウドだが、自分より背が高く、鍛えられた身体のシオンを背負って歩くのはさすがにキツい。
「ん…」
背のシオンが身じろぎ、やっと起きたのかと文句のひとつでも言ってやろうとするが
「…あり、がと…サンカ…」
聞こえたのは久しぶりに聞く名。いつもの丁寧な言葉遣いではない幼い口調。
「…」
クラウドは口を開く気が失せ、シオンを反動で背負い直すと歩を進めた。
ようやく城を囲む深い森が見え始め、入口に立つ黒コート姿の男がふたり、クラウドに気づいて近づいてくる。
「何か用か?」
「あ、えと…こいつを…っ」
体格の良い男たちに威圧的に聞かれ、クラウドは少し怯みながらもシオンを見せようと背を向ける。
「…シオンか?!」
「シオン君!」
ぐったりと眠るシオンを背負っているとわかり、彼らは血相を変える。
「一体どうしたんだ?!護衛長たちに連絡を!」
「はい!」
先輩と思われる黒コートが命じ、後輩は素早く通信機を取り出して連絡をする。
「君がここまで背負って来てくれたのか。ありがとう。大変だったろう?送迎車を呼ぶから待っていてくれ」
先輩はねぎらいの言葉をかけながら、クラウドの背からシオンを抱き上げる。苦労して背負ってきたシオンが軽々と持ち上げられ、長身なはずの彼が小さく見えた。
「私がシオンを連れて行くから、彼を頼む」
「はい!」
後輩に命じると、彼は跳ぶように走って行き、あっという間に深い森の奥に消える。
「すぐに車が来るよ。待っててね」
「…はい」
クラウドは驚きのあまり固まったまま、かろうじて返事をした。
「どうぞ」
「…ど、どうも」
美しいティーカップを前に置かれ、クラウドは恐縮して頭を下げる。
送迎車で森を走り抜け、深い堀を渡り、小高い丘にそびえ立つウェア城を初めて生で見た。うやうやしく頭を下げる使用人に案内され、通されたのはきらびやかで広々とした応接間。わざわざ引いてくれた椅子に慌てて座り、目の前の細かな装飾のされたテーブルはピカピカに磨かれていて、うかつに触れない。
「シオン君を送ってくださったそうですね。ありがとうございます」
「は、い、いえ…っ」
お茶を淹れてくれた使用人からも礼を言われ、顔を赤くして首を振った。
「ふぅ~…」
使用人が「お待ちください」と応接間を出、クラウドは少し気が抜けて大きく息を吐く。
単純に友達を自宅に送る、という感覚で来たが、シオンの暮らす場所はあの鉄壁を誇るウェア城なのだ。初等部の頃にシオンは何度もクラウドの自宅に遊びに来たが、逆は一度もなかったため、すっかり忘れていた。
驚きと緊張の連続でのどはカラカラ。クラウドはティーカップを壊さないようそうっとつかみ、口に運ぶ。
「どういうことだ、コラぁああ!!!」
「ぶふうっっ?!」
応接間の扉が壊れるかの勢いで蹴り開けられ、口に含んだお茶を吹き出す。
「お前かっ?!お前の仕業かぁあっ?!!」
「ぐえ?!えっ?!っ?!」
飛び込んできたのは真っ黄色の髪をした黒コートの男。鬼の形相で怒鳴りながらクラウドの胸ぐらをつかみ、ガックンガックンと揺する。
「やめろ、レイニー。彼はシオンを送ってくれたそうだ」
「ああん?!」
首がむち打ちになる寸前、同じ髪色でよく似た顔をしたもうひとりの黒コートが来て鬼を制止する。
「シオンを泥酔させるまで飲ませた責任をとって送った、という理由なら、話を聞く必要があるがな…!!」
彼も鬼の形相へみるみると変わり、クラウドは血の気が引く。
「ち、違…!俺は何も…っアイツらも、酔い潰すつもりはなくて…っ」
抜けそうになる魂をなんとか引き止め、震える声で必死に説明をするが
「ほう、犯人は別にいるのか。服が乱れていたのも、そいつらの仕業か?」
「俺でさえ、寝込みを襲うことだけはしてないんだぞ!!お前も傍観していたなら同罪だからなぁあ?!」
鬼ふたりはますます怒り、クラウドを責める。そこへ
「ね…シオンはどこ?」
開いた扉のかげから、小さな子どもがひょこっと顔をのぞかせた。輝く金髪にそれ以上に光る金色の両眼、その大きな眼とぷっくりした唇は愛らしく、目を奪われるかわいらしさだ。
「「王子!」」
ふたりはスウッと怒りをおさめて彼にかけ寄り、片膝を床につける。
「お部屋から出てはなりませんよ」
「だって、シオンとあそぶやくそくしたの」
「シオンは今、お休みしていますから」
「お部屋に戻りましょう」
別人かのように優しく言い聞かせ、彼と共に応接間を出て行った。
「…」
パタンと静かに扉が閉まり、嵐の過ぎ去ったかのような応接間に残されたクラウドは呆然としていた。
「…かわいい」
そして、輝く金髪の幼い少年があまりに好みどストライクだった衝撃で、今までの恐怖がすっかり消え去っていた。
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