89 / 93
第一章【出会い編】
65.後始末に行ってきます
しおりを挟む
「こんにちは。」
早朝、闘技場で惰眠を貪っていた用心棒達は目の前に現れた人物に飛び起きた。
「てめえ!!」
彼らは、すぐさま汚い言葉を吐いて威嚇してくる。
その様子にマクレーンは、嘆息しながら持っていたものを彼らの足元に放った。
がしゃり、と重たそうな音をあげて置かれた物に用心棒たちはマクレーンの顔を見る。
彼らの足元には、優勝賞金とベルトが転がっていた。
「それ、返します。中身には手をつけていませんから。」
マクレーンはそう言うと踵を返した。
「おい、待て!」
そのマクレーンの背に用心棒達が制止の声をかけてきた。
その声にマクレーンは嘆息すると、首だけで振り返った。
「なんですか?」
「小僧、ただで帰れると思うなよ!あのアランとか言う男はどうした?」
「さあ?」
「隠すと痛い目にあうぜ!!」
お決まりの悪役の言葉を吐きながら、用心棒達は拳をボキボキ慣らしながら近付いてくる。
マクレーンは、また嘆息しながら体の向きを戻した。
「彼をどうするんですか?」
大体予想はついたが、一応聞いてみた。
「ふん、お前には関係ない。」
予想通りの返答に、マクレーンは肩を竦めると困ったように首を傾げてみせる。
「彼は一応、僕達の旅の仲間なんですよ。」
関係なくはないでしょう?と正論を言うと、用心棒達は忌々しそうにマクレーンを睨んできた。
「あいつは闘技場で優勝した。優勝した者は次回の闘技大会で勝者と戦うことになってるんだ。」
「へえ、そうなんですか。でもそれって任意だったはずですけど?」
確かに大会に参加する際、必要書類だとかなんとか言って、大会の説明などが書いてある書類にサインをしていた。
しかし優勝した場合、次回の大会に優勝者として挑戦者と戦うかは本人の希望に任せると書いてあった。
「ほら、ここにも”優勝者は次回の大会への参加は本人の希望に任せる”って書いてありますよ。」
マクレーンは、アランから拝借してきた大会契約書を見せながら説明してきた。
「うるせえ!」
用心棒の一人が、マクレーンが持っていた契約書を奪うと、びりびりと破り捨ててしまった。
「あ~あ。」
マクレーンは驚いた顔をしながら暢気な声を出す。
「さっさとアランて奴を連れて来い!さもないと」
「さもないと、何ですか?」
用心棒の言葉に、マクレーンは口元に笑みを作りながら聞いてきた。
その余裕ぶった表情に、用心棒達は怒りで顔を真っ赤にする。
「ほお、どおやら少し痛い目に遭わないと、わからないようだなあ。」
またまたお決まりの文句を言ってきた用心棒達に、マクレーンは口元に笑みを作ったまま見つめる。
そんなマクレーンを取り囲むように移動しながら、彼らは隠し持っていた得物を出してきた。
見せ付けるように鋭い刃を、ぎらりと光らせる。
マクレーンが何も言わないのを怯えと取ったのか、用心棒達はにやにやしながら言ってきた。
「あのアランて奴の場所を教えるなら、見逃してやってもいいぜぇ。」
「嫌です。」
にやにやと笑いながら交渉してくる男達に、マクレーンはやれやれと面倒そうに首を振りながら拒否してきた。
「てめえ!」
用心棒達は、下種な笑みを一瞬で憤怒の表情に変えると、目を血走らせながらマクレーンに向かってきた。
マクレーンは慌てる様子も無く、ひらり、ひらり、と軽い身のこなしで、彼らの攻撃を躱していく。
黒髪の小柄な少年に翻弄されながら、用心棒達はそれでもプロとしての意地で彼の背後を取った。
「ふはは、終わりだぁ!!」
悪役らしい台詞を吐きながら、手にしたナイフを振り上げる。
マクレーンは、振り返りながらその様子を見ていると、突然用心棒の腕を掴んで止めてきた太い腕に目を見張った。
早朝、闘技場で惰眠を貪っていた用心棒達は目の前に現れた人物に飛び起きた。
「てめえ!!」
彼らは、すぐさま汚い言葉を吐いて威嚇してくる。
その様子にマクレーンは、嘆息しながら持っていたものを彼らの足元に放った。
がしゃり、と重たそうな音をあげて置かれた物に用心棒たちはマクレーンの顔を見る。
彼らの足元には、優勝賞金とベルトが転がっていた。
「それ、返します。中身には手をつけていませんから。」
マクレーンはそう言うと踵を返した。
「おい、待て!」
そのマクレーンの背に用心棒達が制止の声をかけてきた。
その声にマクレーンは嘆息すると、首だけで振り返った。
「なんですか?」
「小僧、ただで帰れると思うなよ!あのアランとか言う男はどうした?」
「さあ?」
「隠すと痛い目にあうぜ!!」
お決まりの悪役の言葉を吐きながら、用心棒達は拳をボキボキ慣らしながら近付いてくる。
マクレーンは、また嘆息しながら体の向きを戻した。
「彼をどうするんですか?」
大体予想はついたが、一応聞いてみた。
「ふん、お前には関係ない。」
予想通りの返答に、マクレーンは肩を竦めると困ったように首を傾げてみせる。
「彼は一応、僕達の旅の仲間なんですよ。」
関係なくはないでしょう?と正論を言うと、用心棒達は忌々しそうにマクレーンを睨んできた。
「あいつは闘技場で優勝した。優勝した者は次回の闘技大会で勝者と戦うことになってるんだ。」
「へえ、そうなんですか。でもそれって任意だったはずですけど?」
確かに大会に参加する際、必要書類だとかなんとか言って、大会の説明などが書いてある書類にサインをしていた。
しかし優勝した場合、次回の大会に優勝者として挑戦者と戦うかは本人の希望に任せると書いてあった。
「ほら、ここにも”優勝者は次回の大会への参加は本人の希望に任せる”って書いてありますよ。」
マクレーンは、アランから拝借してきた大会契約書を見せながら説明してきた。
「うるせえ!」
用心棒の一人が、マクレーンが持っていた契約書を奪うと、びりびりと破り捨ててしまった。
「あ~あ。」
マクレーンは驚いた顔をしながら暢気な声を出す。
「さっさとアランて奴を連れて来い!さもないと」
「さもないと、何ですか?」
用心棒の言葉に、マクレーンは口元に笑みを作りながら聞いてきた。
その余裕ぶった表情に、用心棒達は怒りで顔を真っ赤にする。
「ほお、どおやら少し痛い目に遭わないと、わからないようだなあ。」
またまたお決まりの文句を言ってきた用心棒達に、マクレーンは口元に笑みを作ったまま見つめる。
そんなマクレーンを取り囲むように移動しながら、彼らは隠し持っていた得物を出してきた。
見せ付けるように鋭い刃を、ぎらりと光らせる。
マクレーンが何も言わないのを怯えと取ったのか、用心棒達はにやにやしながら言ってきた。
「あのアランて奴の場所を教えるなら、見逃してやってもいいぜぇ。」
「嫌です。」
にやにやと笑いながら交渉してくる男達に、マクレーンはやれやれと面倒そうに首を振りながら拒否してきた。
「てめえ!」
用心棒達は、下種な笑みを一瞬で憤怒の表情に変えると、目を血走らせながらマクレーンに向かってきた。
マクレーンは慌てる様子も無く、ひらり、ひらり、と軽い身のこなしで、彼らの攻撃を躱していく。
黒髪の小柄な少年に翻弄されながら、用心棒達はそれでもプロとしての意地で彼の背後を取った。
「ふはは、終わりだぁ!!」
悪役らしい台詞を吐きながら、手にしたナイフを振り上げる。
マクレーンは、振り返りながらその様子を見ていると、突然用心棒の腕を掴んで止めてきた太い腕に目を見張った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる