6 / 93
第二章【旅路編】
6.双子山の精霊現る!
しおりを挟む
女は宙に浮いたまま、マクレーン達の存在に気づいた。
『あら……。』
女は驚いた顔で、マクレーンを見ている。
マクレーンはその視線にぎくりとすると、隣のアランには気づかれないように、小さく首を振る。
女はその様子を目を細めながら見ていたが、今度は隣のアランに視線を移してきた。
『あんた、誰?』
「え?お、俺はアラン……アラン・バッシュフォード……。」
『ふうん、で、その子とはどういう関係なの?』
女はそう言いながら、マクレーンの方を視線だけで示してきた。
その行動に、マクレーンは片手で顔を覆う。
「え、マクレーンの事か?」
アランは突然、マクレーンとの関係を聞いてきた女に驚いた顔をした。
そして、どういうことだと、女とマクレーンを交互に見る。
「ええ~と、ちょっと知り合いで……。」
マクレーンは言い辛そうに、ごにょごにょと言ってきた。
そんなマクレーンに、アランが小首を傾げていると、炎の女が話に割って入ってきた。
『そうよ~、レ……マクレーンとは昔、森で会ったの♪』
己と似たような出会い方に、アランは少しだけ女に対して親近感が沸いた。
「それで、あんたは何者だ?」
そのせいか、アランは思わず女に聞き返していた。
『…………私はカーラ、この山の精霊よ。』
アランの質問に、女は少しだけ不機嫌そうな顔をしながら答えてきた。
その返答に、アランは驚く。
「精霊だって?」
『ええそうよ。』
アランが驚いたことに気を良くした女は、更にこう続けてきた。
『こう見えてあたし、高位の精霊なのよ。』
カーラはそう言うと、「ふふん」と豊満な胸を張りながら、腰に手を当てて自慢げに見降ろしてきた。
「精霊なんて初めて見た。」
上から目線で見降ろしてくる女を見上げながら、アランは感嘆の声を上げた。
そもそも精霊は、あまり人前には姿を見せないことで有名だった。
しかし、精霊は何処にでも存在しているらしい。
精霊は身近にある、木や石、火や風、土塊など様々なものに宿ると言われている。
しかし、精霊は何故か、あまり人前には出てこなかった。
そのため、人間にとって精霊に対する認識は低い。
そして、唯一精霊と交流できるのは、世界を管理している魔女だけだとも言われている。
そんな精霊が何故、自分たちの目の前に?
アランが疑問に思っていると、、マクレーンがカーラに訊ねてきた。
「そういえば、さっき黄金蜘蛛を攫おうとしていた人間に、心当たりはあるの?」
マクレーンの質問に、カーラは頷いて見せた。
『ええ、最近あの子たちをつけ狙ってた奴らよ。この前追い払ったとき、他の精霊たちが大きな屋敷に入っていくのを見たって言ってたわ。』
「屋敷に?」
『ええ、ここから北に行った所に、人間の国があるでしょう?そこよ。』
「なるほど……。」
マクレーンは、そう言いなが考え込んでしまった。
そんなマクレーンを見ながら、カーラは話を続ける。
『なんとか守ってきてたんだけど、私が目を離した隙に巣を攻撃されてしまったの。」
そう言って悔しそうに、破壊された巣穴を見た。
カーラの視線の先には、無残にも破壊された穴があった。
どうやらあそこが、黄金蜘蛛の巣穴だった場所らしい。
そこだけ不自然に破壊された痕から、かなり激しい戦いが繰り広げられていた事が窺える。
すぐ側で地面に横たわる親蜘蛛を見て、マクレーンは眉間に皺を寄せた。
ふと、あることが気になって顔を上げた。
「そういえば、他の子蜘蛛達は?」
腕の中で大人しく寝息を立てている子蜘蛛を見降ろしながら、マクレーンがカーラに聞いてきた。
『それが、その子以外攫われてしまったみたいで……。』
すると、カーラは言い辛そうに答えてきた。
黄金蜘蛛は一度に5~6個の卵を産む。
無事に羽化するのはその半分くらいで、巣穴には3匹の子蜘蛛がいたらしい。
カーラが気付いて探したときは、その子だけになっていたそうだ。
そして親蜘蛛と協力して、子蜘蛛を穴に隠し、囚われた子蜘蛛を取り返そうと、兵士たちを追っていたところ、逆に親蜘蛛が襲われてしまったというわけだった。
カーラの話を聞き終わったマクレーンは、抱いていた子蜘蛛を親蜘蛛に返すと、くるりとカーラ達の方を振り返る。
そして――
「助けに行きましょう。」
力強い口調で、そう言ってきたのだった。
『あら……。』
女は驚いた顔で、マクレーンを見ている。
マクレーンはその視線にぎくりとすると、隣のアランには気づかれないように、小さく首を振る。
女はその様子を目を細めながら見ていたが、今度は隣のアランに視線を移してきた。
『あんた、誰?』
「え?お、俺はアラン……アラン・バッシュフォード……。」
『ふうん、で、その子とはどういう関係なの?』
女はそう言いながら、マクレーンの方を視線だけで示してきた。
その行動に、マクレーンは片手で顔を覆う。
「え、マクレーンの事か?」
アランは突然、マクレーンとの関係を聞いてきた女に驚いた顔をした。
そして、どういうことだと、女とマクレーンを交互に見る。
「ええ~と、ちょっと知り合いで……。」
マクレーンは言い辛そうに、ごにょごにょと言ってきた。
そんなマクレーンに、アランが小首を傾げていると、炎の女が話に割って入ってきた。
『そうよ~、レ……マクレーンとは昔、森で会ったの♪』
己と似たような出会い方に、アランは少しだけ女に対して親近感が沸いた。
「それで、あんたは何者だ?」
そのせいか、アランは思わず女に聞き返していた。
『…………私はカーラ、この山の精霊よ。』
アランの質問に、女は少しだけ不機嫌そうな顔をしながら答えてきた。
その返答に、アランは驚く。
「精霊だって?」
『ええそうよ。』
アランが驚いたことに気を良くした女は、更にこう続けてきた。
『こう見えてあたし、高位の精霊なのよ。』
カーラはそう言うと、「ふふん」と豊満な胸を張りながら、腰に手を当てて自慢げに見降ろしてきた。
「精霊なんて初めて見た。」
上から目線で見降ろしてくる女を見上げながら、アランは感嘆の声を上げた。
そもそも精霊は、あまり人前には姿を見せないことで有名だった。
しかし、精霊は何処にでも存在しているらしい。
精霊は身近にある、木や石、火や風、土塊など様々なものに宿ると言われている。
しかし、精霊は何故か、あまり人前には出てこなかった。
そのため、人間にとって精霊に対する認識は低い。
そして、唯一精霊と交流できるのは、世界を管理している魔女だけだとも言われている。
そんな精霊が何故、自分たちの目の前に?
アランが疑問に思っていると、、マクレーンがカーラに訊ねてきた。
「そういえば、さっき黄金蜘蛛を攫おうとしていた人間に、心当たりはあるの?」
マクレーンの質問に、カーラは頷いて見せた。
『ええ、最近あの子たちをつけ狙ってた奴らよ。この前追い払ったとき、他の精霊たちが大きな屋敷に入っていくのを見たって言ってたわ。』
「屋敷に?」
『ええ、ここから北に行った所に、人間の国があるでしょう?そこよ。』
「なるほど……。」
マクレーンは、そう言いなが考え込んでしまった。
そんなマクレーンを見ながら、カーラは話を続ける。
『なんとか守ってきてたんだけど、私が目を離した隙に巣を攻撃されてしまったの。」
そう言って悔しそうに、破壊された巣穴を見た。
カーラの視線の先には、無残にも破壊された穴があった。
どうやらあそこが、黄金蜘蛛の巣穴だった場所らしい。
そこだけ不自然に破壊された痕から、かなり激しい戦いが繰り広げられていた事が窺える。
すぐ側で地面に横たわる親蜘蛛を見て、マクレーンは眉間に皺を寄せた。
ふと、あることが気になって顔を上げた。
「そういえば、他の子蜘蛛達は?」
腕の中で大人しく寝息を立てている子蜘蛛を見降ろしながら、マクレーンがカーラに聞いてきた。
『それが、その子以外攫われてしまったみたいで……。』
すると、カーラは言い辛そうに答えてきた。
黄金蜘蛛は一度に5~6個の卵を産む。
無事に羽化するのはその半分くらいで、巣穴には3匹の子蜘蛛がいたらしい。
カーラが気付いて探したときは、その子だけになっていたそうだ。
そして親蜘蛛と協力して、子蜘蛛を穴に隠し、囚われた子蜘蛛を取り返そうと、兵士たちを追っていたところ、逆に親蜘蛛が襲われてしまったというわけだった。
カーラの話を聞き終わったマクレーンは、抱いていた子蜘蛛を親蜘蛛に返すと、くるりとカーラ達の方を振り返る。
そして――
「助けに行きましょう。」
力強い口調で、そう言ってきたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる