研究ばかりで衣食住が壊滅的な魔術師長である婚約者が死なないように世話係(監視)をやれと命じられましたが彼が変態すぎて困っています。

麻竹

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18.部下と魔術師長

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「ジークハルト様!」

魔術師塔の階下にある、部下のいる共有の研究所へ赴くと、部下は嬉しそうな声を上げてきた。
耳につく甲高い声に、ジークハルトの顔が一瞬歪む。
しかし、その事に気づかない部下――サナは、ジークハルトの元へ駆け寄ると、嬉しそうに頬を染めながら見上げてきたのだった。

「ジークハルト様が直接来てくれるなんて、何の御用でしょうか?」

彼女は何故か恍惚な表情を浮かべながら、ジークハルトに媚びを売ってくる。
その声と表情に吐き気を覚えながら、ジークハルトは口を開いた。

「魔術師長だ。」

「え?」

「一端の魔術師ならいざ知らず、新米が私の名を気安く呼んで良いと誰が許可した?」

「え、で、でも……。」

ジークハルトの突然の豹変に、サナはたじろぐ。

「今後、私の研究所には近付くな。材料は他の転送魔法が使える者に代わらせる。」

「そ、そんな!!」

ジークハルトの言葉に、サナが縋るような声を上げてきた。
その声にイラつきながら、冷たい視線で見下ろすと、サナは「ひっ」と悲鳴を上げて硬直する。

「私の婚約者の不安を煽る部下はいらん。私の前に、二度とその顔を見せるな。」

そんなサナの様子など微塵も気にも留めず、ジークハルトは冷たい声でそれだけ言い放つと、ローブを翻して去って行ってしまった。
その後には、真っ青な顔をして腰を抜かしたサナが、震えている姿だけがあった。
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