裏社会に巻き込まれたらセックスを強要された件

こうたろ

文字の大きさ
22 / 71
3章

悪しき存在

しおりを挟む
「で?・・・」



『で?じゃ無いわよ!あんたが伊集院さんにお願いしないからこっちは大変なのよ!少しは親孝行しなさい!』



受話器から跳ぶ怒号が耳に鳴り響くので少し離す。

それでも母の怒りの声はしっかり届いた。

受話器を顔の正面に持ってきて耳に当てないようにする。



「だから、で?・・・なんで俺がヤクザを潰すから手を貸してくださいなんてお願いしなきゃならないんだよ。自分たちで蒔いた種なんだから自分たちで言えよ」



『あんたは私たちの子供でしょ!言うこと聞きなさい!』



どこに子供を売る親が・・・いや居るな、つい最近の人身売買で大量に居たな。

夕飯の支度をしているモニカがカウンターからこちらを見る。

俺はやれやれと首をかしげるとモニカも苦笑する。



両親が広瀬組というヤクザに不動産の譲渡を要求し断られたので伊集院家が動くと思ったけど一行に動かないので俺に連絡をしてきた。

受話器をモニカから受け取り母の第一声『どういうことなのよ!』から既に2時間が経過していた。

女性は長電話が好きだとよく聞くがこれはそういったものには当てはまらないだろう。

とにかく捲くし立てる母に状況が分からず事情を説明してもらい頭の中で整理していたが伊集院家の名前が出た途端また怒鳴りだしてもう一度制する羽目になった。



途中千歳と千春は居るのかを聞いたがそれ処ではないとこちらの話を聞こうとしない。

我ながら駄目な親だ。

仕方が無いので電話の途中でリーナたちを2人が通う中学校へ向かわせた。

何事も無ければ良いが・・・



電話の内容から伊集院家が後ろ盾になっていると思い込んでいるみたいだけど何でヤクザなんかに、強気すぎるだろ。



「何度も言うけど、伊集院家がこんなことで動くはず無いから、守ってくれるなんて幻想捨てて素直に謝りに行けよ」



『ふざけるんじゃないわよ!!何で私が謝らないといけないの!さっさと潰してきなさい!』



あ~、会話が成立しない。

仕方ない、言うだけ言ってあげるか・・・無理だと思うけど。



「はいはい、分かった分かった」



『さっさとしなさいよ!』



一度電話を切って伊集院家本邸にかける。

数コール後メイド、では無く男性の声が聞こえた。



『はい、伊集院です』



メイドは悠里の趣味なので本邸には普通に男性も居る。

俺を本邸に連れて行ったのも男性の黒服さんだったしあいつが異常性癖なだけで伊集院家は普通の人の家系だ。



「章人です。お久しぶりです」



『ああ、章人様、この度はいかがいたしましたか?』



最初に会ったときも親切だったが俺が悠里の関係者となってからはこちらにも敬意というかそういった配慮をしてくれている。

やってることはアレな内容もあるが上流階級に付き従っている風格がある。



「私事で申し訳ないんですが広瀬組ってヤクザ知ってます?」



『広瀬組ですか?ええ、存じております。比較的目立つ動きをしないところですね。何かありましたか?』



「本当に申し訳ないんですが、俺の親が伊集院家の名前を使って恐喝しているようで・・・出来れば口添えして欲しいなぁと・・・」



電話越しでもへっぴり腰で離してしまう日本人の癖だ。

モニカがカウンターに身を乗り出してこちらを見てニコニコ微笑んでいる。

・・・絶対楽しんでる・・・



『一度御当主様に話を通してきます。少々お待ちくださいこちらからかけ直します』



よろしくお願いして電話を切る。

ああ、緊張する。



「章人様?お疲れですか?」



オークションで購入した少女の中で唯一悠里からこちらに移された新人メイド見習い白波 紬が心配そうにこちらを見上げていた。

彼女はモニカに料理を教わっていたが当のモニカがこちらを見ている。

スパイシーなカレーの香りが鼻をつく、どうやら夕飯の支度はほとんど出来ているようだ。



「ああ、ちょっと疲れたかな」



「じゃあ私お疲れ取ります。マッサージが良いですか?それともえ、えっちですか?・・・」



ソファにどかっと身体を投げる俺の元へ来る。

紬は性的なことを考えたのか頬を赤くしてもじもじと少し俯いた。

その顔は悲観的ではなくどこか期待しているような緩んだ表情だった。

立派に悠里好みに成長している紬に対し俺は肉体的よりも精神的な癒しを欲していた。

ちょいちょいと手招きする。

えっちをされると思ったのかより一掃赤くなる紬を抱き寄せて膝の上に座らせる。



「お、お願いしま・・・え?」



後ろから弄ばれると思っていたのだろうぬいぐるみのように抱きしめられ頭を撫でられている紬は困惑している。

可愛い~。癒される~。



陽炎さんから返答の電話がくるまでの間紬可愛さを堪能する。







リーナと、楓、小夜、他数名の上山マンションで働くメイドたちが広瀬組の屋敷を制圧して上山 千歳と千春を回収してから数十分が経過した。

媚薬の効果が切れてきて正気に戻った千歳と千春は絶対に乗る機会の無いような後部座席対面式の高級車でさっきまでの出来事に後悔の念を感じていた。



(私・・・どうしてあんなことを・・・最悪・・・何かの夢であって欲しい)



(まだ乳首がぴりぴりする・・・男の人なんて嫌!・・・お兄ちゃん・・・)



2人の対面にはリーナが座り運転は楓、助手席に小夜が座っている。

彼女たちは章人の命で2人の安全を確認するために所属する中学校へ向かった。

しかし、双子は既に帰宅しており学校から家までの道を捜索したが発見できずようやく広瀬組が動いていることを察した。

もちろん行動は迅速に行った。

普通なら誘拐前に回収することが出来た、いやそもそも誘拐される事態にすらならなかった。

それほどまでに両親の怠慢は尾を引いていた。

その両親はその時間、自らの身を守るために、先ず伊集院家に連絡する・・・こともせず章人に怒鳴りつけていた。



メイドたちが広瀬組に着いたとき組からの迎撃に遭ったが刀を持とうが銃を持とうが常に格闘技の訓練をしているメイドが10人ほど、簡単には行かなくとも直ぐに屋敷中は制圧されてほぼ意識不明者の山が出来上がった。

特にリーナはすごかった。

初めてそれらしい命令を章人から頂いたのでかなり張り切り、振り下ろされる切っ先を白刃取りで掴み、数発の銃弾は反射で回避した。

仕える者としての嗜好のメイド服が銃弾による穴が空くと鬼神の如く敵に蹴りを打ち込み3人を巻き込んで壁に叩きつけ意識を刈った。



一番やばいのはメイドが全員素手だったことだ。

もし章人がこの場を目撃していたらメイドへのSMプレイなどする気がなくなるだろう。

・・・反撃が怖くて・・・



「あの、私たちはどこへ・・・」



「あなたたちのお兄様のところです」



章人の存在に2人はあからさまに反応する。

千歳は苦虫を潰したように千春は最後の希望にすがるように正反対の反応だった。



車は上山マンションの地下駐車場に止まり千歳と千春はリーナに連れ添って降りる。

他にも同じような車が2台止まり、メイドたちが出てきてそれぞれ部屋に戻っていく。

彼女たちは返り血や服が破けたりなどで着替えるために戻った。

着替え後は再び常務に戻る。

リーナたちもそれぞれの部屋に戻る。

千歳と千春はリーナに連れて歩き、風呂と着替えを頂く。

それなりに気持ちが落ち着いてきた2人は改めてマンション内を見渡す。

まるでホテルのような絨毯の廊下に大きな吹き抜け岩盤の大浴槽、こんな豪華なところに章人が住んでいるとは到底思えなかった。



リーナがエレベーターを操作して29階に到着する。

扉が開いて直ぐ目の前、廊下はあるが横には続いておらずちょっとした広間の先に扉があった。

リーナがチャイムを鳴らすと扉が開き、中から同じメイド服を着た小柄な少女が顔を出した。



「リーナさん。章人様がお待ちしております」



「ええ、紬はちゃんとお料理出来たかしら?」



「はい、モニカさんに教えてもらってカレーを作りました。そちらの方々もどうぞお入りください」



双子よりも圧倒的に年下だが落ち着いた接客はまるで目上のような感じがした。

部屋の中の廊下を進み突き当たりの扉を開けるとソファに座りゴールデンタイムのアニメを視聴している章人が眼に入った。







「お兄ちゃん!」



こちらを見るなり飛び出す千春を受け止める。

勢いを殺しきれずにソファに転がる。

千春は俺に強くしがみつき事の深刻さを理解する。



「お帰りリーナ。内容は小夜から電話で聞いてる。お疲れ様、それと有り難う」



「そんな!お礼なんて。仕える者として主の役に立てたことが何よりの至福です」



恭しく頭を下げるリーナ。

千春は俺の腕の中で泣きじゃくりその頭をそっと撫でる。



「ふざけないで」



しかし、一件落着とはならない。

静かな怒りを灯している千歳は俺を睨みつける。



「全部兄さんのせいなんだからね。何をしたかは知らないけどこの人たちに関わったおかげで母さんたちがヤクザにかかわってしまったんだよ。助かったからよかったとでも思ってるの?」



全ての原因が俺だと思い込んでいる千歳の非難は止まらない。



「勉強も出来ない、運動も出来ない、たいした特技も無い、容姿も優れていなければ友達も居なくていっつも一人で孤立して、それが格好良いとでも思ってるの?母さんも父さんも兄さんのことで頭を悩ましてそれでいて本人は我関せず・・・もう私たちに・・・」



「止めて!!」



巻く立てる千歳を止めたのは他でもない双子の千春だった。

初めて聞くような千春の大声に俺は唖然として千歳も押し黙る。



「お兄ちゃんは悪くない!お母さんたちがヤクザに勝手に手を出したのが原因なんでしょ!それをお兄ちゃんが嫌いだからって押し付けて・・・お兄ちゃんはあんなことしない!このメイドさんたちで私たちを助けてくれたんだよ!頭良いのにそんなことも理解できないの!?いつもいつもお母さんたちの顔色疑って、それなら今すぐ家に帰れば良いじゃない!」



俺にしがみ付きながら顔だけ千歳の方を向いて激昂する。

俺の記憶が正しければ2人が、特に千春が言い合うのは初めてみる。

千歳も千春がここまで言うのが予想外みたいで口ごもっている。

千春の方もかなりの勇気を振り絞ったのか俺の服を掴む力が強まった。



「とりあえずお食事に致しませんか?お二人も本日は疲れたでしょう。お部屋を用意します」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。

エース皇命
青春
 高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。  そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。  最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。  陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。  以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。 ※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。 ※表紙にはAI生成画像を使用しています。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに

家紋武範
恋愛
 となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。  ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。

俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件

こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。 ・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。 ・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。 ・物静かで儚げな美術部員。 ・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。 ・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。 拓海の生活はどうなるのか!?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』

まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。 朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。 「ご主人様の笑顔が見たいんです」 その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。 全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!? 甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

処理中です...