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はちのす

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ヒーローのお仕事!

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「出来ましたっ!」


『ハーッハッハッ!君は天才だな!!』


「美味そうだ。」


俺はキッチンにあった調味料を使って、豚の生姜焼きを手早く作った。

これは店で出してた、月曜日のランチメニューだ。


「店長直伝なので、美味しいですよ!」


俺は見せびらかす様に皿を2人の目の前に置く。
餡のように絡まったタレの輝きと、鼻を擽る醤油の香りが、空腹を誘う。

2人はゴクリと喉を鳴らし、目を爛々とさせた。


『いただこうッッ!!!』


「いただきます。」


「召し上がれ~!」


ガツガツと食べる2人に気を良くした俺は、向かいに座ってニコニコと眺める。

今日が日常通りなら、こうやって常連さんが美味しそうに食べる姿を見れたのになぁ。


「美味い。」


『ハーッハッハッ!美味!!』


俺は込み上げる笑いを堪えられない。

人に喜んで食べてもらうって、こんなにも嬉しいことなんだ。


「…でしょ?」


今俺の顔は、史上最大級の緩みが起きているだろう。

俺は改めて見つけた生き甲斐を、
最早手放せなくなった気がしていた。


**********


「世話になった。これからも、よろしく頼む。」


フォースさんは退室する間際、律儀に俺に御礼をしに来た。

本当にヒーローって良い人達だ。


「こちらこそ、いつも皆を救ってくれて、ありがとうございます!」


「……!」


フォースさんは、俺の顔をまじまじと見ると、ゆっくりと後ずさった。


「え?ど、どうしたんですか?」


「い、いや…御礼を言われたのが、初めてで…」


「え?」


「…軍では、責務だった。生かすも殺すも当然の話だ。」


(うわっ!激重案件だった…)


一般人の俺にはまるで想像がつかない。


「…軍に所属されてたんですね。」


「ああ…某国の陸軍の所属だった。」


「それは心強い!」


そういうと、フォースさんは少し平静を取り戻し、居住まいを正す。


「困り事があれば俺に言え。

スイッチは指名での依頼が多いから、アジトにいないことも多々ある。」


「え?指名依頼なんてあるんですか?」


『ああ!!!あまり数は多くないが、より適性のあるヒーローを派遣するために指名依頼がある!』



「俺は武器の扱いに慣れているから、規模の大きな作戦に呼ばれる。」


『俺は単独でも十分なパワータイプだから狭い場所での制圧を任されることが多いな!!!』


「へぇ…ヒーローにも色々あるんですね。」


「他にも、隠密、科学技術、使役を得意とする者が所属している。」


『今日の非番はフォースと…ああ、マニアックか!!!無理だな!!!』


スイッチは、ニカッと笑って俺を見てくる。


「む、無理…とは?」


「マニアック…科学者なんだが、気難しくてな。挨拶もままならないだろう。」


『さっき言ってた個室の掃除はマニアックの部屋以外になるだろうな!!』


「ええ?!それ、俺がいても大丈夫なんですかね…」


『アイツは基本的に他人に興味を持たないのでな!!問題ない!!』


「そういうことだ。気にしなければ良い。」


(…気にしなければ良いと言われてもなあ)


聞けば、マニアックさんはいつも部屋に引き篭り、開発に勤しんでいるらしい。

不健康そうだけど、身体とか大丈夫なんだろうか…。


俺はこれから先の顔合わせに不安を抱きながら、個人で食べるという夕食の準備を始めた。


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