8 / 43
顔合わせ!
しおりを挟むその後、風呂場や洗濯場所などを簡単に案内され、最後に個室を案内された。
一通りの設備を受け終えた俺は、一度スイッチと別れ、施設内を見て回っていた。
「ユウト」
「あれ?フォースさん」
廊下でフォースさんに呼び止められる。
今は軍服は脱いでいるようで、軽いTシャツの姿だ。
そのおかげで、というかなんというか…
筋肉の隆起がハッキリと分かる。
(す、すごい……男でも見惚れる鍛え上げられた肉体だ)
「食堂にユウトがまだ会っていない、隠密と使役のヒーローが帰って来ているんだ。挨拶はどうかと思ってな」
「え!あ、ありがとうございます!行きます!」
俺は突然の好機に、内心怯えながらフォースさんの後についていく。
(隠密と使役……使役ってなんだ?なんかすごく不穏な響きだ)
ゾンビを使役する……とか?
俺はその光景の悍ましさに震え上がる。
(と、とにかく、粗相がないようにしなきゃ!)
フォースさんはビクつく俺を見て、控えめにそろりと頭を撫でる。
(ここの人は何故俺の頭を撫でたがるんだろう……幼児か何かに見えてるのかな)
「心配ない。ユウトの作った夕食を食べて、美味いと喜んでいたからな」
「え、それは嬉しいですね!仲良くできると嬉しいんですけど…」
「……あー、ユウト」
「はい?」
「俺にも敬語はいらない。もう同じ組織の仲間だから」
「……わ、分かった!ありがとう」
「これから会う2人は個性的だが、優しい奴らだ。スイッチと仲を深められたなら、何も心配いらないだろう」
「え、スイッチ?初対面からとても優しくしてくれたけど」
「…あぁ、まだだったか。いや、何でもない。気にしないでくれ」
フォースは気になる一言を残し、足早に食堂に入っていく。
「え、ちょっと待って、フォース!!」
フォースを追い食堂に入ろうとした矢先、入り口付近で筋肉質な何かにバインッと弾き返された。
(あでっ!!!)
「ァア?……アンタが料理人か。なんかちみっこいな」
「夕食、とても美味しくいただきました。ありがとうございます」
野生的で190cmはありそうな大柄の人と、着流しを着用した物腰柔らかな人が声を掛けてくる。
2人とも、フォースの言う通り、個性的な見た目をしていた。
「紹介しよう。体格が良いのが使役のヒーローでアニマだ」
「おう、よろしくな料理人」
アニマと呼ばれたその人は、動物のファーがついたカーキ色のモッズコートを着ている。
(俺よりも6~7歳くらい上な感じがするな)
髪は焦茶の自然な感じで、更に特筆すべきはその髪型も非常にワイルドだということだ。
(何て言うんだろう……放置してます!感が凄い)
臭いもしないし、清潔ではあるんだろうけど、独創的な髪型は気になるところではある。
(美容室もやっていないから仕方ないのかな)
「そして、そちらの着流しを着用しているのが……」
「隠密のヒーローで、シノビと呼ばれております」
対して、こちらはキッチリとした身なりをしている。
黒の着流しに、グレーの羽織を着ているシノビは、肩まである黒髪を一本に纏めていた。
目元は涼やかで、クールな印象を与えるが、物腰は非常に穏やかだ。
1番とっつきやすそうな感じがする。
「サポートメンバーになりましたユウトです。皆さんには助けられるばかりかもしれませんが……頑張りますので、よろしくお願いします!」
最初のイメージは大事だからな!!
俺は腰を折り、深々と頭を下げる。
助けて貰ったお礼に、出来る限りのことをしていきたい、その意思表示でもあった。
2
あなたにおすすめの小説
【完結】自称ワンコに異世界でも執着されている
水市 宇和香
BL
「たとえ異世界に逃げたとしたって、もう二度と逃さないよ」
アザミが高校二年生のときに、異世界・トルバート王国へ転移して早二年。
この国で二十代半ばの美形の知り合いなどいないはずだったが、
「キスしたら思いだしてくれる? 鳥居 薊くん」
その言葉で、彼が日本にいたころ、一度だけキスした同級生の十千万堂 巴波だと気づいた。
同い年だったはずのハナミは、自分より七つも年上になっていた。彼は王都から辺境の地ーーニーナ市まではるばる、四年間もアザミを探す旅をしていたらしい。
キスをした過去はなかったこととして、二人はふたたび友人として過ごすようになった。
辺境の地で地味に生きていたアザミの日常は、ハナミとの再会によって一変し始める。
そしてこの再会はやがて、ニーナ市を揺るがす事件へと発展するのだった…!
★執着美形攻め×内弁慶な地味平凡
※完結まで毎日更新予定です!(現在エピローグ手前まで書き終わってます!おたのしみに!)
※感想や誤字脱字のご指摘等々、ご意見なんでもお待ちしてます!
美形×平凡、異世界、転移、執着、溺愛、傍若無人攻め、内弁慶受け、内気受け、同い年だけど年の差
【完結】かわいい美形の後輩が、俺にだけメロい
日向汐
BL
番外編はTwitter(べったー)に載せていきますので、よかったらぜひ🤲
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
過保護なかわいい系美形の後輩。
たまに見せる甘い言動が受けの心を揺する♡
そんなお話。
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
【攻め】
雨宮千冬(あめみや・ちふゆ)
大学1年。法学部。
淡いピンク髪、甘い顔立ちの砂糖系イケメン。
甘く切ないラブソングが人気の、歌い手「フユ」として匿名活動中。
【受け】
睦月伊織(むつき・いおり)
大学2年。工学部。
黒髪黒目の平凡大学生。ぶっきらぼうな口調と態度で、ちょっとずぼら。恋愛は初心。
転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~
トモモト ヨシユキ
BL
魔物の国との和議の証に結ばれた公爵家同士の婚約。だが、婚約することになった姉が拒んだため6男のシャル(俺)が代わりに婚約することになった。
突然、オーガ(鬼)の嫁になることがきまった俺は、ショックで前世を思い出す。
有名進学校に通うDKだった俺は、前世の知識と根性で自分の身を守るための剣と魔法の鍛練を始める。
約束の10年後。
俺は、人類最強の魔法剣士になっていた。
どこからでもかかってこいや!
と思っていたら、婚約者のオーガ公爵は、全くの塩対応で。
そんなある日、魔王国のバーティーで絡んできた魔物を俺は、こてんぱんにのしてやったんだが、それ以来、旦那様の様子が変?
急に花とか贈ってきたり、デートに誘われたり。
慣れない溺愛にこっちまで調子が狂うし!
このまま、俺は、絆されてしまうのか!?
カイタ、エブリスタにも掲載しています。
【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。
カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。
異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。
ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。
そして、コスプレと思っていた男性は……。
この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!
ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。
ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。
これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。
ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!?
ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19)
公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。
夜が明けなければいいのに(洋風)
万里
BL
大国の第三皇子・ルシアンは、幼い頃から「王位には縁のない皇子」として育てられてきた。輝く金髪と碧眼を持つその美貌は、まるで人形のように完璧だが、どこか冷ややかで近寄りがたい。
しかしその裏には、誰よりも繊細で、愛されたいと願う幼い心が隠されている。
そんなルシアンに、ある日突然、国の命運を背負う役目が降りかかる。
長年対立してきた隣国との和平の証として、敵国の大公令嬢への婿入り――実質的な“人質”としての政略結婚が正式に決まったのだ。
「名誉ある生贄」。
それが自分に与えられた役割だと、ルシアンは理解していた。
部屋に戻ると、いつものように従者のカイルが静かに迎える。
黒髪の護衛騎士――幼い頃からずっと傍にいてくれた唯一の存在。
本当は、別れが怖くてたまらない。
けれど、その弱さを見せることができない。
「やっとこの退屈な城から出られる。せいせいする」
心にもない言葉を吐き捨てる。
カイルが引き止めてくれることを、どこかで期待しながら。
だがカイルは、いつもと変わらぬ落ち着いた声で告げる。
「……おめでとうございます、殿下」
恭しく頭を下げるその姿は、あまりにも遠い。
その淡々とした態度が、ルシアンの胸に鋭く突き刺さる。
――おめでとうなんて、言わないでほしかった。
――本当は、行きたくなんてないのに。
和風と洋風はどちらも大筋は同じようにしようかと。ところどころ違うかもしれませんが。
お楽しみいただければ幸いです。
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
【蒼き月の輪舞】 モブにいきなりモテ期がきました。そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!
黒木 鳴
BL
「これが人生に三回訪れるモテ期とかいうものなのか……?そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!そして俺はモブっ!!」アクションゲームの世界に転生した主人公ラファエル。ゲームのキャラでもない彼は清く正しいモブ人生を謳歌していた。なのにうっかりゲームキャラのイケメン様方とお近づきになってしまい……。実は有能な無自覚系お色気包容主人公が年下イケメンに懐かれ、最強隊長には迫られ、しかも王子や戦闘部隊の面々にスカウトされます。受け、攻め、人材としても色んな意味で突然のモテ期を迎えたラファエル。生態系トップのイケメン様たちに狙われたモブの運命は……?!固定CPは主人公×年下侯爵子息。くっついてからは甘めの溺愛。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる